世界の街角

旅先の街角や博物館、美術館での印象や感じたことを紹介します。

セレンバン州立博物館#2

2018-04-01 07:44:59 | 博物館・マレーシア

<続き>

前回”メンヒル”に関して記入漏れがあった。メンヒルに刻まれているのは動物、太陽、月で何やらイスラムの影響が考えられる。そのメンヒルを1982年学術的に調査すると、そこから青花磁、清代の陶磁、イスラム陶磁が発掘された。

以上、5点の陶磁器が展示されていたが、キャップションはなく招来先がハッキリしないが、②はイスラム圏から①、③、⑤は中国であろう。古代から東西を繋ぐ、交易路であったことが良く分かる。出土陶磁器を紹介ついでに、展示されていた壺類を紹介する。

 

 これらにはキャップションはなく、マレー語でTEMPAYAN(瓶)としか表示されていないので、何時の時代の何処産かはっきりしない。想像では近場の窯とは考えるが?。

 

                          <続く>

 


セレンバン州立博物館#1

2018-03-31 09:10:28 | 博物館・マレーシア

過日、『サイバージャヤからセレンバンへ』と題して、セレンバンに在るヌグリ・スンビラン州立博物館へ行ったとの記事をUP Dateしたが、今回から数回に渡り、その展示内容を紹介する。尚、便宜上セレンバン州立博物館と記載する。

場所はマレー半島を縦断する高速を降りてすぐの処であった。博物館本館の建物は屋根の両端が極端に反りあがっている。それは水牛の角をかたどったと云われており、ミナンカバウ族の伝統住居を模したものである。

博物館なので何でもありではあろうが、この屋外展示の蒸気機関には多少なりともびっくりした。1898年製造のようである。

展示物の最初は、ヌグリ・スンビラン州のスルタンと州旗の紹介である。

パネルは読んでいないので、どのように紹介されているかは分からない。

ヌグリ・スンビラン州の地には、巨石文化があったようである。3つの碑文はレプリカである。その上にはパネルで碑文の事どもが説明されていた。それによると・・・、

1467年の紀年銘をもつPengkalan Kempasと呼ぶ巨石の碑文はSultan mansur Shahの時代であった。スンビラン州の歴史時代前期は遅れて開始し、巨石文化や石器時代を経過した。マレー半島では紀元前200年から紀元1000年までの期間が石器時代に属している。巨石碑文をメンヒルと呼ぶが、1982年のメンヒルの調査では青白磁器、清代の陶磁、イスラム陶磁が発掘された。これらのメンヒルは、いずれもヌグリ・スンビラン州内にあるタンピンのPenglalan Kempas、Linggi、Nesan Tinggiとクアラ・ピラークのTerachi渓谷であった。

しかし、メンヒルの内容や建てた目的については、何も説明はなく、不詳である。そのメンヒルが屋外に展示してあったので、それを紹介しておく。

 

                         <続く>

 


クアラルンプール国立博物館#7

2018-02-07 07:37:13 | 博物館・マレーシア

鉄器時代の展示品を紹介しようと思っていたが、写真を撮り忘れていた。従って交易時代の主として陶磁器を紹介したい。

漳州窯のアラブ向け三彩で、アラビア文字を文様に用いている。大盤である。

沈船遺物も展示されている。写真は宋・元代の青磁類である。南シナ海やマレー半島周辺に多くの沈没船が存在する。

 


クアラルンプール国立博物館#6

2018-02-06 08:08:51 | 博物館・マレーシア

掲載順序が逆になっているが、新石器時代の展示品を紹介する。

何やら縄文土器の装飾に似ていなくもない。それにしても美的感覚は相当なものだ。

土器の装飾や洞窟壁画の絵画に用いるベンガラと、擂り潰しにもちた小石。さらには洞窟に壁画を描く人物のジオラマ。

次回は鉄器時代の遺物を紹介する。

 


クアラルンプール国立博物館#5

2018-02-05 08:03:00 | 博物館・マレーシア

紹介の年代順が前後して恐縮であるが、3000年前からの青銅器時代の遺物として2点展示されていた。

北ベトナム発祥のいわゆるドンソン銅鼓、それはベトナムに限らず東南アジアに散在している。展示品は紀元前600年とパネルに記述されている。その時代に人種はことなるであろうが、似たような社会があったのか?

流水であろうか渦巻きであろうか。ブロンズ・ベルとあるからには、我が国の銅鐸に似ていなくもない。写真のベルは紀元前後と記されている。時代感覚も銅鐸の時代に近い。銅鐸に比較し吊り下げるための紐がないが、頸の括れに紐をかけたのであろうか?・・・日本の考古学者はすぐに中国と比較する。その姿勢を否定するものでは無いが、もっと視野を広げてみてほしいものである。