ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

加佐登調整池

2016-01-05 14:00:00 | 三重県
2015年12月29日 加佐登調整池
 
加佐登調整池は鈴鹿川水系椎山川に建設された三重用水の調整池で、直接流域のほか中里ダムや菰野調整池から導水された水を貯留し、農業用水、工業用水を鈴鹿市に供給しています。
 
東名阪道鈴鹿インターから県道27号を東に走り加佐登神社の標識に従って左折すると加佐登調整池に到着します。
すぐそばには日本武尊の陵墓とされる白鳥塚古墳と加佐登神社があります。
下流から洪水吐。
 
天端から洪水吐
左手の森が白鳥塚古墳です。
 
左岸洪水吐。
 
天端と取水設備
天端は車道になっています。
 
取水設備
赤い欄干が鮮やか。
 
堤体は3段構成。
堤体というよりは巨大な方墳。
 
堤体にはヘリポートが設置されています。
たぶん他にはない?
 
(追記)
加佐登調整池は洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え 事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

1326 加佐登調整池(0151)
三重県鈴鹿市加佐登町
鈴鹿川水系椎山川
AWI
28.7メートル
310メートル
3047㎥/3000㎥
水資源機構
1982年
◎治水協定が締結されたダム

菰野調整池

2016-01-05 12:00:00 | 三重県
2015年12月29日 菰野調整池
 
鈴鹿山脈東に広がる伊勢平野は平安期より日本有数の穀倉地帯となっていましたが、大河がないため水源は中小河川や溜池に頼らざるを得ず、安定した水源の確保が大きな課題となっていました。
そこで農水省は鈴鹿山系の水を北勢地域の灌漑用水として供給する三重用水土地改良事業を策定、その後四日市コンビナートを中心とした伊勢湾沿岸部の発展に伴う上水道、工業用水の需要増加にも対応するために1966年(昭和41年)から水資源開発公団が事業を継承しました。
1972年(昭和47年)の幹線水路および中里ダムの着工から暫時事業が進み1993年(平成5年)の三重用水管理所発足により三重用水が完成、現在は水資源機構が管理運営を行っています。
 
菰野調整池は三重用水幹線路のほぼ中間部に位置し、流域河川および中里ダムからの導水を貯留するとともに、受益地域への灌漑用水および、四日市市、鈴鹿市、菰野町の水道用水の供給を担っています。
ダム湖岸に三重用水管理所があり三重用水全体の管制を行っており、湖岸には三重用水の石碑が建っています。
三重用水の竣工記念碑。
 
三重用水管理所。
 
傾斜式取水設備。
ここで取水された水は幹線水路および上水道、灌漑用水である竹谷用水路へと送られます。
 
堤体下に浄水場があり、四日市、鈴鹿、菰野の上水道水が供給されています。
 
右岸の洪水吐。
 
 
洪水吐導流部、河川維持用水が流れています。
左手は浄水場。
 
下流から堤体を遠望。
 
(追記)
菰野調整池はは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え 事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

1325 菰野調整池(0150)
三重県三重郡菰野町菰野
三滝川水系赤川
AWI
28.4メートル
674メートル
1650㎥/1600㎥
水資源機構
1989年
◎治水協定が締結されたダム

宮川調整池

2016-01-05 11:00:00 | 三重県
2015年12月29日 宮川調整池
 
宮川調整池は三重用水の灌漑用調整池で、自己流水と中里ダムからの導水により、朝明用水路を通じて受益地域への灌漑用水の供給を行っています。
 
いなべから国道365号線を南下し、菰野町に入り福王神社の参詣道を右折すると正面に宮川調整池が見えてきます。
左岸の洪水吐と取水設備からの導水路はダム下流で合流し朝明用水として受益地域へと配水されます。
 
左岸から
堤体は立ち入り禁止でフェンス越しに眺めるのみです。
手前に洪水吐があり、上流面はロックフィルです。
 
取水棟
朝明用水の水源となっています。
 
右岸から
こちらもフェンス越し。
 
(追記)
宮川調整池は洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え 事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

1324 宮川調整池(0149)
三重県三重郡菰野町田口
朝明川水系田口川
27メートル
350メートル
854㎥/800㎥
水資源機構
1979年
◎治水協定が締結されたダム

中里ダム

2016-01-05 10:00:00 | 三重県
2015年12月29日 中里ダム
 
中里ダムは三重用水の貯水ダムで、直接流域のほか員弁川西部流域および打上調整池から導水して受益流域に供給するほか、下流の宮川、菰野、加佐登調整池に不足が生じた場合はここから補給を行います。
中里ダムは日本有数規模を誇るアースダムで、堤体積2970千㎥はアースダムで第1位、堤頂長985メートルはアースダムで第5位となっています。
 
 
関ヶ原から国道365号を南下、岐阜県から三重県に入り中里ダムの標識に従って東に向かうと中里ダム右岸に到着します。
上流面はロックフィル
対岸まで約1キロあります。
 
右岸の管理事務所
背後の鈴鹿の山々はすっかり雪化粧しています。
 
取水設備。
 
下流面
中段に犬走りがあります。
 
左岸から
1キロ先の管理事務所は豆粒程度の大きさです。
 
左岸の洪水吐
右岸の駐車場からここまで1キロ、往復2キロ。
 
とにかく長い洪水吐導流部。
 
(追記)
中里ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え 事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

1323 中里ダム(0148)
左岸 三重県いなべ市藤原町鼎
右岸         同町上相場
員弁川水系大平川
AWIE
46メートル
985メートル
16400㎥/16000㎥
水資源機構
1976年
◎治水協定が締結されたダム

打上調整池

2016-01-05 09:00:00 | 岐阜県
2015年12月29日 打上調整池
 
打上調整池は水資源機構が管理する三重用水最上流の調整池で、牧田川取水工で取水された水はここに貯留され、牧田川沿岸の既得用水へ補給するとともに、三重用水の中里ダムへ導水されます。
 
三重用水概略図(三重用水管理所ホームページより)
 
右岸の洪水吐導流部
堤体は地形に合わせて段々畑のような構造になっています。
 
自由越流式の洪水吐
薄く越流しています。
 
取水設備
この取水設備は牧田川沿岸の既得用水向けのものです。
 
上流面はロックフィル。
 
牧田川取水口からの導水路吐口
 
 
ダム湖畔には日本昭和音楽村があります。
年末年始は休館ということで閑散としていました。
 
(追記)
打上調整池は洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え 事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

1120 打上調整池(0147)
岐阜県大垣市上石津町打上
木曽川水系東谷川
AWI
29.7メートル
140メートル
2260千㎥/2200千㎥
水資源機構
1987年
◎治水協定が締結されたダム

東郷調整池

2016-01-05 08:00:00 | 愛知県
2015年12月29日 東郷調整池
 
東郷調整池は通称『愛知池』と呼ばれ、愛知用水幹線水路のほぼ中央にある愛知用水の調整池です。
木曽川上流の味噌川ダム、牧尾ダム、阿木川ダムから放流された水は岐阜県可児市の兼山ダムで取水され、東郷調整池で貯水したのち名古屋市をはじめとした20市町村や中京工業地帯へと供給されます。
 
愛知用水の概略図(水資源機構ホームページより)
 
水資源機構のダムらしく堤体には東郷調整池の通称『愛知池』の名が記されています。
 
天端を含む池の周回道路は開放され、多くの市民がランニングやウォーキングをしています。
 
上流面と洪水吐。
 
洪水吐
大きな河川の流入がないため、池の規模に比べて非常に小さな洪水吐です。
 
おもちゃの様なラジアルゲートが1門。
 
ダムサイトには愛知用水の総管がおかれています。

1221 東郷調整池(0146)
愛知県愛知郡東郷町諸諭
境川水系前川
AWI
31メートル
975メートル
9000千㎥/8600千㎥
水資源機構
1961年

三好池

2016-01-05 07:00:00 | 愛知県
2015年12月29日 三好池
 
三好池は愛知用水の調整池の一つで、もともとあった『曲り池』という溜池に堤体と副堤体を造成してアースダムの三好池となりました。
現在はみよし市と東郷町に灌漑用水を供給しています。
 
東名高速豊田インターを下りて国道153号豊田バイパスを西に向かい三好前田交差点を右折すると三好公園入口に到着します。
三好池は三好公園の東側にあり、池を周回する道路がトリムコースになっているためか早朝にもかかわらず多くの市民がランナーがランニングやジョギング、ウォーキングをしていました。
 
堤体直下から
 
天端を含む湖岸の周回道路はトリムコースになっています。
奥は取水設備。
 
取水設備
地元のみよし市と東郷町に灌漑用水を供給しています。
 
どうやらこれが洪水吐のようです。
池の規模に比べたらとにかく小さい。
 
洪水吐導流部
大きな河川からの流入がないので、オーバーフローの心配がないのでしょう。
 
堤体のすぐ下は三好公園の運動場になっています。
 
三好池の周辺は運動場や体育館もあり多くのランナーや市民の憩いの場になっていました。

1220 三好池(0145) 
愛知県みよし市三好町 
木曽川水系愛知用水
19.7メートル
430メートル
2235千㎥/2200千㎥
水資源機構
1958年

越戸ダム

2016-01-05 06:00:00 | 愛知県
2015年12月29日 越戸ダム
 
越戸ダムは愛知県豊田市の矢作川にある発電用重力式コンクリートダムです。
1929年(昭和4年)に三河水力電気によって建設され、日本発送電を経て戦後は中部電力が事業継承しています。
越戸ダムで取水された水は右岸の水路で600メートル下流の越戸発電所に送られ最大9200キロワットの発電を行っています。
 
越戸ダムは国道153号沿いにあり、豊田市街から国道を北上し豊田勘八インターの入口を分けると左手に越戸ダムが見えてきます。
中電レッドと呼ばれる12門のラジアルゲートが特徴的です。
 
川原に下りるルートを探しましたが叶わず。
2門だけゲートが再塗装されたのか色が鮮やか。
 
 
天端は立入禁止。
 
左岸上流から
ダム湖は漕艇競技に使われるようです。
 
堤体は立ち入り禁止で撮影スポットが限られましたが、ダム便覧を見ると下流からの写真もあるのでもう少し探せば河原へ下りられたかもしれません。
今回は見逃した発電所ともども機会があれば再チャレンジしてみようと思います。
 
(追記)
越戸ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え 事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

1199 越戸ダム(0144)
左岸 愛知県豊田市勘八町
右岸     同市平戸橋町 
矢作川水系矢作川
22.8メートル
120.3メートル
2876千㎥/574千㎥
中部電力(株)
1929年
◎治水協定が締結されたダム