ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

東富士ダム

2016-01-18 14:00:00 | 静岡県
2016年1月17日 東富士ダム
 
東富士ダムは左岸が静岡県御殿場市半野、右岸が同市柴怒田にある静岡県経済産業部農地局が管理する灌漑目的のアスファルトフェイシングフィルダムでです。
御殿場市から小山町、裾野市にかけて広がる陸上自衛隊の東富士演習場周辺では、砲弾演習による裸地化の結果、洪水流出率の増加と保水力の低下により灌漑用水の確保に毀損が生じてきました。
そこで防衛施設庁の障害防止対策事業の補助を受けた静岡県の東富士演習場周辺農地整備事業により代替灌漑用水源として1971年(昭和46年)に建設されたのが東富士ダムです。
東富士ダムはアスファルトによる表面遮水式ダムで堤頂長1597.5メートルは全ダムで第2位、アスファルトフェイシングフィルダムでは最長の規模を誇ります。
 
貯水池の周りすべてが堤体で堤頂が約1600メートルにも及ぶ珍しい型式ですが、2重のフェンスに囲まれダムを接近して見ることはできません。
ダムの東側の堤体。
 
ダムの説明板
ダムの詳細はこの説明板から推察するしかありません。
 
取水設備を遠望
余水吐を兼ねているようです。
 
右手のくぼんだ所にインレットの沈砂池があるようです。
 
余水吐吐口
余水吐の吐口が円筒形の変わった形状らしいが、これまたフェンスに阻まれ見ることができません。
ドローンで上から覗いて見てみたい。
 
ダムの型式や規模など非常に変わり種のダムですが、フェンスに阻まれ肝心なところが何も見れないダムです。
 
1172 東富士ダム(0196)
左岸 静岡県御殿場市水土野
右岸      同市柴怒田
酒匂水系抜川
FA
22メートル
1297.5メートル
1269千㎥/1250千㎥
静岡県経済産業部農地局
1971年

長瀬ダム

2016-01-18 12:00:00 | 静岡県
2016年1月17日 長瀬ダム
 
長瀬ダムは静岡県伊豆の国市の狩野川水系長瀬川にある灌漑用アースダムで伊豆の国市が管理を行っています。
伊豆長岡から県道130号線を三津方面に向かい、長瀬集落で市道を北に折れ長瀬川に沿った狭い道を進むと長瀬ダムに到着します。
ちょうど地元の皆さんが不法投棄防止のためのパトロールを行っておられ、多摩ナンバーのBMWで乗り付けたものだから皆さんの視線は不審者感ありあり。
でもダム巡りをしている趣旨を説明すると長瀬ダムについて詳しくお話を伺うことができました。
1950年(昭和25年)に当時の伊豆長岡町によって築造され、その後の改修を経て長瀬ダムとなり現在も伊豆長岡市街南部の農耕地の貴重な水源となっています。
 
上流面はコンクリートで補強
湖面に浮かぶのはフローティング方式の取水設備かと思ったら、何かの観測装置でした。
 
下流面
これだけ見ると堤高15メートルには見えませんが、実は堤体は二段になっていてこの下にもう一段堤体が控えています。
 
左岸の円形の洪水吐。
 
洪水吐導流部。
 
とんがり頭の取水設備。
 
伊豆半島には河川法で定められたダムは3基しかありませんが、そのうちの1基が長瀬ダム。
奥野ダムと青野大師ダムはダムカードが配布されていますが、ここはただのアースダム。
ダムマニアとは言え長瀬ダムを訪問する人はほとんどいないでしょう。
 
3628 長瀬ダム(0194)
ため池コード 222250010
DamMaps
狩野川水系長瀬川
16.2メートル(ため池データベース14.6メートル)
70メートル
24千㎥/24千㎥(ため池データベース23千㎥)
伊豆の国市
1950年

奥野ダム

2016-01-18 10:00:00 | 静岡県
2016年1月16日 奥野ダム
 
奥野ダムは静岡県伊東市の伊東大川に建設された静岡県営の多目的ロックフィルダムです。
伊東市を東西に貫流する伊東大川は伊東市の貴重な水源ですが、氾濫が絶えず1958年(昭和33年)の狩野川台風では伊東市に壊滅的な被害をもたらしました。
また伊東では伊豆半島有数の観光地として増え続ける水需要の水源確保も大きな課題となっていました。
そこで1989年(平成元年)に静岡県により建設されたのが奥野ダムです。
奥野ダムは伊東大川の洪水調節、既得用水の補給と河川維持流量の確保、上水道の供給を目的としています。
 
ダム周辺は公園として整備され、ダム湖の松川湖を周回する遊歩道ではウォーキングやランニングを楽しむ市民が多く、平日でもダムの駐車場は車でいっぱいです。
 
管理事務所の手前が駐車場になっており、事務所の下をくぐるとダムサイトに出ます。
一般の車は管理事務所の手前で進入禁止。
 
天端と下流面
もちろん天端は車両の通行はできません。
 
左岸にある洪水吐。
 
洪水吐導流部
ダム直下には伊東の市街地が広がります。
 
左岸にある取水設備。
 
ダムの下流にも公園がありますが、こちらはあまり利用されている気配はありません。
洪水吐を直下から見上げる事ができます。
副ダムから先は立ち入り禁止です。
 
1176 奥野ダム(0192)
静岡県伊東市鎌田
伊東大川水系伊東大川
FNW
63メートル
323メートル
5100千㎥/4600千㎥
静岡県交通基盤部
1989年

大又沢ダム

2016-01-18 09:00:00 | 神奈川県
2016年1月16日 大又沢ダム
 
大又沢ダムは神奈川県足柄上郡山北町中川の酒匂川水系世附川左支流大又沢川上流部にある東京電力リニューアブルパワー(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
落合発電所の取水堰兼調整池として1917年(大正6年)に竣工し、世附川上流本谷で取水された水がいったん大又沢ダムに貯留され、大又沢ダムで取水された水と合わせて落合発電所に送られ最大7000キロワットのダム水路式発電を行っています。
 
ダムへ通じる大又沢林道は車両進入禁止のため、県道729号線の世附から片道6キロの林道を徒歩でダムへと向かいます。
左岸から
堤体はわずかにアーチ曲線を描いています。
1917年竣工の古いダムですが、堤体は改修されコンクリートになっています。
 
天端は立入禁止
天端を見るとアーチになっていることがよくわかります。
 
ダム湖は透明度が高くまるでルビーのようです。
奥は落合発電所へ導水路取水口です。
 
上流から
自由越流式ゲートが3門と縦長のローラーゲートが2門。
 
ゲートと取水口。
 
右岸には世附川本谷からの導水路吐口があります。
 
堤体直下に下りることができます。
 
堤体はコンクリートになっていますが、導水路の吐口や取水口に石積みが残っているのを見ると、建設当時は堤体も石積みだったと推察できます。
今回は早朝の訪問でダムの眺めはモノトーンでしたので、できれば新緑か紅葉シーズンの日の当たる時間に再訪したいと思います。 
 
0695 大又沢ダム(0190)
神奈川県足柄上郡山北町中川
酒匂川水系大又沢川
18.7メートル
90.4メートル
90千㎥/13千㎥
東京電力リニューアブルパワー(株)
1917年