2016年6月11日 加治川治水ダム
加治川治水ダムは左岸が新潟県新発田市東赤谷、右岸が同市滝谷の二級河川加治川本流にある新潟県土木部が管理する治水目的の重力式コンクリートダムです。
1967年(昭和42年)の羽越豪雨を契機に新潟県は県所管各河川の治水対策に乗り出します。
加治川では支流の内の倉川に農林省(現農水省)が農業用ダムとして建設を進めていた内の倉ダムを洪水調節容量を持つ多目的ダムに計画変更するとともに、本流上流部への治水ダム建設を進めます。
そして1973年(昭和48年)の内の倉ダム竣工に次いで翌1974年(昭和49年)に竣工したのが加治川治水ダムです。
加治川治水ダムは建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助治水ダムで、胎内川の洪水調節を目的としています。
1992年(平成4年)には河川維持放流を利用した新潟県焼峰発電所(最大出力1100キロワット)が増設され、小水力発電が開始されました。
会津通りと呼ばれる県道14号から加治川沿いの県道335号に入り川上に進むと右手に加治川治水ダムが見えてきます。
ダム下流にはヘリポートがつくられ、この写真はそこから撮りました。
放流設備はクレストラジアルゲート1門のほか、写真では見えませんがコンジット高圧ラジアルゲート2門を装備。

クレストゲートは新潟県営ダムでは定番の赤いラジアルゲート。

正面から
コンジットのゲートハウスがわずかに見えます。

堤頂部は襟がなく、堤頂から緩やかなカーブを描きます。

上流面
もっと正面からゲートを見たかったのですが立ち入り制限がありこれが精いっぱい。
有効貯水容量すべてが洪水調節容量となるためこれで常時満水位。
溜まっている水は堆砂容量となります。

ダムサイトの記念碑。

徒歩のみ開放。
正面は管理事務所。

インクラインがなく、巡視艇昇降用のクレーンが設置されています。

洪水吐導流部と減勢工。

こちらは1992年(平成4年)に増設された焼峰発電所
治水専用ダムのため、流入量はそのまま放流されますがその放流水を利用しての小水力発電です。

左岸から下流面。

左岸から上流面
こちらからも上流面はこれが精いっぱい。

ダム湖は総貯水容量2250万立米、堆砂容量を除く有効貯水容量1800万立米すべてが洪水調節容量となる治水専用ダムです。
普段は空っぽのダム湖を利用した公園が設けられていますが、訪問時は立ち入り禁止。

左岸に脆弱地盤があるため、接岸部にはアンカーボルトが並びます。

2017年(平成29年)6月の観光放流に際して、下流で親子連れが流される水難事故が発生、ダムの運用に際して安全の最優先、規則等の遵守、危機管理への対応が問われる事案となりました。
0766 加治川治水ダム(0450)
新潟県新発田市滝谷
加治川水系加治川
F
G
106.5メートル
285.5メートル
22500千㎥/18000千㎥
新潟県土木部
1974年