ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

高田池

2017-06-26 22:02:43 | 大分県
2017年6月17日 高田池
 
高田池はダム便覧によれば大分県豊後高田市高田にある灌漑用アースダムで、1907年(明治40年)に浦田土地改良区によって建設となっています。
ただし該当する住所に相当の溜池は存在せず実態は不明となっています。
今回は2016年8月に拾泉舎様がダム便覧に投稿された『工業団地になったダム~高田池(大分県)』の内容に従い、豊後高田市かなえ台の大分北部中核工業団地西側に位置する『高田池』を該当の高田池として訪問しました。
『工業団地になったダム~高田池(大分県)』によれば、高田池は工業団地造成の際に貯水池の大半が埋め立てられ通常は水はなく、現在は工業団地の防災調整池として機能しているということです。
 
まずは大分北部中核工業団地を目指します。地図の赤マルが高田池で荒れているものの車道から池へと続く舗装路があります。
今回は工業団地西側の路肩に車を置き、池への道路を歩いて到達しました。
 
高田池へと向かうと堤体が見えてきます。
水がないので一見下流面のようですがこれは上流面です。
 
右岸に常用洪水吐となる取水設備と横越流式洪水吐があります。
 
取水塔をズームアップ
多段式のゲートを装備しており、常用洪水吐となります。
 
横越流式洪水吐。
 
天端。
 
天端から
すぐ背後には工業団地の法面が控えます。
 
下流は鬱蒼とした竹藪。
 
横越流式洪水吐。
 
 
導流部。
 
現地の状況から灌漑用の貯水池としての役目は終えており明らかに防災調整池です。
ということで、ここではダムの目的も『F』と記載することにします。
 
2732 高田池(1033)
大分県豊後高田市かなえ台
桂川水系右支流
19メートル
145メートル
㎥/㎥ 
1907年

丸山ダム

2017-06-26 19:10:28 | 大分県
2017年6月17日 丸山ダム
 
丸山ダムは大分県豊後高田市佐野の桂川水系佐野川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には水利組合の事業により1972年(昭和47年)竣工と記されており、管理は丸山水利組合が行っています。
 
豊後高田市中心部から県道34号を東進、河内小学校の手前の佐野バス停を右折して丸山川沿いに南下、新粥集落を抜けると丸山ダムに到着します。
左岸に竣工記念碑がありますが、由来文などはありません。
 
天端。
 
天端から見た左岸の斜樋。
 
総貯水容量17万2000立米の小さな貯水池。
 
貯水池のインレットに砂防ダムらしきものが見えます。
 
天端からの眺め。
 
右岸の洪水吐。
 
上流面は石積で護岸されています。
 
洪水吐。
 
 
3383 丸山ダム(1032)
大分県豊後高田市佐野
桂川水系丸山川
24メートル
112メートル
172㎥/150㎥ 
丸山水利組合
1972年

魚ヶ鼻池

2017-06-26 18:14:06 | 大分県
2017年6月17日 魚ヶ鼻池 

魚ヶ鼻池は大分県宇佐市両戒の向野川水系田笛川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には1962年(昭和37年)に魚ヶ鼻土地改良区の事業で竣工と記されており、現在は土地改良区の統合により宇佐土地改良区が管理しています。
 
溜池へ通じる林道の入り口が見つからず少しうろうろしましたが何とか無事池に到着。
右岸側の斜面には改築や増築記念碑が墓石のように立ち並んでいます。
 
池の堤体を見てすぐに違和感に襲われます。なんかおかしい!!
堤体は緩やかに湾曲していますが、これが通常のアーチとは真逆、中央部が前面に張り出す逆アーチなんです。
これだと水の圧力が堤体の中央部に集まるんじゃないでしょうか?
同様のダムとしては佐賀県の北浦溜池や長崎県の犬木溜池があります。
 
上流面は谷積みの石で護岸されています。
 
天端
轍がありますが対岸で行きどまり
やはり逆アーチに湾曲してるのが分かります。
 
右岸の斜樋。
 
天端からは立石地区の水田が一望できます。
 
総貯水容量16万立米と小さな溜池です。
 
右岸から上流面
逆アーチがよくわかります。
 
独特の形状の洪水吐
こちらは普通のアーチです。
 
洪水吐導流部は木の茂みに隠れています。
 
2756 魚ヶ鼻池(1031)
大分県宇佐市立石
向野川水系田笛川
17メートル(ため池データベース 19メートル)
88.5メートル(ため池データベース 89メートル)
160㎥(ため池データベース 176千㎥)/128㎥
宇佐土地改良区
1962年

香下ダム

2017-06-26 12:07:52 | 大分県
2017年6月16日 香下ダム
 
香下ダムは大分県宇佐市院内町香下の駅舘川水系妙見川にある灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
農林省の駅館川総合開発事業により1969年(昭和44年)に日出生ダムが、1979年(昭和54年)に日指ダムが竣工しました。このうち日出生ダム集水域の73%が自衛隊の演習場となっており、演習による裸地化の影響で保水力が低下し日出生ダムの用水不足が顕在化してきました。
そこで日出生ダムの用水不足を補うために防衛施設庁の障害防止対策事業の補助を受けた大分県の事業で1995年(平成7年)に竣工したのが香下ダムで、日出生ダム、日指ダム同様駅館川土地改良区連合が管理を行っています。
 
東九州自動車道院内インター手前からも香下ダムを遠望できますが、さすがに運転中の撮影はできません。
院内インターを降りて国道387線を南下、溝下集落で右折すると香下ダムに到着します。
まずは下流面から
ゲートはクレストの自由越流式洪水吐が3門だけ
灌漑用コンクリートダムでよくみられる形状です。
 
左岸から。
 
左岸ダムサイトの記念碑や案内板などが並びます。
 
左岸から上流面
対岸は管理事務所とインクライン。
 
ゲートの右側に取水設備があります。
 
天端は車両通行可能。
 
越流面と減勢工
右手は利水放流設備。
 
総貯水容量220万立米。
 
右岸から上流面。
 
 
自衛隊演習による保水力低下を補うために建設された珍しいダムで、同じ大分県杵築市の久木野尾ダムや宮城県色麻町の保野川ダムなどが防衛施設庁の補助事業である障害対策事業で建設されたダムとなっています。 
 
2785 香下ダム(1030)
大分県宇佐市院内町香下
駅館川水系妙見川
40.6メートル
195メートル
2200㎥/2020㎥
駅館川土地改良区連合 
1995年