ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

昭和池

2017-06-20 22:21:58 | 福岡県
2017年6月16日 昭和池
 
昭和池は福岡県北九州市小倉南区にある灌漑用アースダムで県の事業で終戦間際の1944年に(昭和19年)に建設されました。その後1983年(昭和58年)にかけて大規模な改修工事が行われ現在は曽根中央土地改良区が管理を行っています。
左岸に竣工当時の練石積み余水吐と石製トンネルが保存されており、Cランクの近代土木遺産に指定されています。
 
門司方面から国道10号線を南下し朽網交差点を右折、日豊線の踏切を抜け東九州道の高架橋を潜れば昭和池に到着します。
今回は左岸から見学スタート。
ダム下は桜の公園、下流面にはツツジが植えられています。
 
竣工当時からある左岸の洪水吐の説明板
戦時中に建設されたため物資不足から御影石を使って建設されました。
 
しかし肝心の洪水吐はフェンスが邪魔してよく見えません・・・・。
奥に斜樋があります。
 
こちらは右岸の洪水吐
1983年(昭和58年)の改修で新設されたものです。
これにより放流量が大幅にアップしました。
 
総貯水容量は76万立米
湖畔を一周する道路では周辺住民の皆さんが多数朝の散歩を楽しんでいました。
 
右岸高台に駐車場がありダムを俯瞰できます。
 
下流面。
 
左岸洪水吐と斜樋
洪水吐と上流面は戦時中の物資不足を受け、近くで産出される御影石を使って建設されました。
現在も一部が当時のまま残っています。
 
昭和池の案内板。
 
記念碑。
 
御影石の洪水吐がポイントのようですがフェンスに邪魔されてよく見えないのが残念。
ダム下は桜、下流面はツツジが植えられており、それぞれ満開のころは見物客も結構集まるそうです。
なおダム便覧では全国で9基の昭和池がダムとして掲載されていますが、今回でそのうちの6基を訪問、残りは京都府、淡路島、山口県の3基となりました。
 
2394 昭和池(1015)
福岡県北九州市小倉南区朽網
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
朽網川水系朽網川
19.1メートル
100メートル
㎥/㎥
曽根中央土地改良区
1944年

松ヶ江ダム

2017-06-20 16:34:22 | 福岡県
2017年6月16日 松ヶ江ダム
 
松ヶ江ダムは福岡県北九州市門司区畑の谷川水系谷川にある北九州市上下水道局が管理する上水目的の重力式コンクリートダムです。
旧門司市では1911年(明治44年)に近代水道事業が開始され、受水量の増加に合わせて数次にわたる拡張事業が実施されました。
松ヶ江ダムは高度成長を真っただ中の1960年(昭和35年)に門司市水道局によって建設され、その後の合併により現在は北九州市上下水道局が管理しています。
現地のプレートには『松ヶ江貯水池』と記載されていますが、ダム所在地の地名から現地では『畑貯水池』の呼び名が一般的で、国土地理院地形図でも『畑貯水池』と記されています。
 
ダム下流に小さな溜池がありそこからダムを遠望できます。
洪水吐はクレスト自由越流頂4門だけ、昭和30年代らしくゲート上部だけ高くなっています。
登り始めた朝日を受けて堤体が赤く染まります。


ダムの手前に橘曼陀羅寺というお寺があり、寺の山門前の車止めを抜け200メートルほど歩くと右岸ダムサイトに到着します。
特に立ち入り規制はありません。


親柱に嵌め込まれたプレート
門司市水道局松ヶ江貯水池と記されています。


上流面
水位は低め
戦前の石積み堰堤でよく見られる円形の取水設備。


ここだけ切り取ると戦前のダムのようです。


天端はゲート部分だけ高くなっています。
高欄にも簡単ながら装飾が施されています。




減勢工
ダムの直下には溜池があり、足元の水たまりもその一端。


こちらは放流設備で、浄水場には専用管で送られる一方河川維持放流が行われています。


天端からは朝日に輝く周防灘が見えます。


総貯水容量は157万9000立米
ダム湖周辺は鬱蒼とした自然林で囲まれています。


2408 松ヶ江ダム(1014)
福岡県北九州市門司区畑
谷川水系谷川
47メートル
205メートル
1579㎥/1500㎥
北九州市上下水道局
1960年