ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

石山ダム

2017-06-28 23:44:53 | 大分県
2017年6月17日 石山ダム
 
石山ダムは大分県杵築市にある灌漑用ロックフィルダムで、大分県の土地改良事業で1981年(昭和56年)に建設され現在は杵築市土地改良区が管理を行っています。
 
杵築市街から県道49号線を北上、杵築インターを過ぎ石山ダム入口バス停で左手の枝道に入ると石山ダムに到着します。
現在県道49号線のバイパス工事が行われ、石山ダム湖(総貯水容量88万立米)には今年3月に完工したばかりのニールセンローゼ橋が架かっています。
 
右岸の洪水吐。
 
洪水吐と上流面。
 
アングルを変えて
洪水吐の先に管理事務所と取水設備があります。
 
洪水吐導流部。
 
石山ダム堤体断面図。
 
上流面。
 
天端からは別府湾を挟んで微かに佐賀関半島が見えます
条件が良ければ四国の佐田岬も見えるのですがあいにくの霞みで・・・。
 
天端は車両通行可能。
 
下流面
ダム下は公園ですが、今回はバイパス工事による交互通行のためダム下への道へは入れませんでした。
 
ダム湖に架かるニールセンローゼ橋は今年3月に完工していますが、付け替え道路工事が未了のため県道バイパスはまだ通行できません。バイパスが完成すれば、この橋梁からダム越しに別府湾、さらに四国まで遠望ということも可能になるでしょう。
 
2781 石山ダム(1045)
大分県杵築市船部
高山川水系船部川
41メートル
142.4メートル
杵築市土地改良区
1981年
◎海が見えるダム

鍋倉ダム

2017-06-28 23:07:10 | 大分県
2017年6月17日 鍋倉ダム
 
鍋倉ダムは国東半島の付け根の大分県杵築市守江にある灌漑用ロックフィルダムで、大分県の事業で1991年(平成3年)に建設され現在は杵築市土地改良区が管理を行っています。
 
国道213号線の守江交差点を北に折れ天村川に沿って北上、住宅街を抜け二股を右手にとればダム左岸、左手にとればダム右岸に到着します。
今回は右手の道を進みました。
ダムサイトに向かって上がってゆくと左手にロックフィルの堤体が見えてきます。
手前には洪水吐導流部があります。
 
左岸の洪水吐と上流面。
 
アングルを変えて洪水吐。
 
洪水吐導流部。
 
下流面
天端は車両通行可能です。
 
天端から洪水吐。
 
右岸の斜樋。
 
天端からは別府湾が見えます
この日はかすんでいましたが、視界が良ければ対岸の大分の臨海工業地帯まではっきりと見えるそうです。
 
ダム湖は総貯水容量113万5000立米。
 
右岸から上流面。
 
下流からダムを見上げるポイントはありません。
天気が良ければもっときれいに海が見えたのに霞んでしまい残念でした。
 
2799 鍋倉ダム(1044)
大分県杵築市守江
天村川水系天村川
43.5メートル
170メートル
杵築市土地改良区
1991年
◎海が見えるダム

吉松新池

2017-06-28 16:05:48 | 大分県
2017年6月17日 吉松新池 
 
吉松新池は大分県国東市安岐町吉松にある灌漑用アースダムで、ダム便覧によれば1884年(明治17年)に吉松区によって建設されました。現在も安岐町吉松地区が管理を行っています。
 
ダム便覧では吉松新池は位置未確認となっていますが、位置データとして緯経度は提供されています。
これに該当するのが地図の溜池です。
実際に現地でこの池を見るとダム便覧に記されたデータと、目視ながら確認したこの池のサイズはほぼ一致しますのでここが吉松新池で間違いなさそうです。
 
吉松新池は大規模農道『オレンジロード』の志和利トンネル南口にあり『南星生コン』が目印になります。
堤体上をオレンジロードが走っています。
 
天端にあたる部分はセメントで固められています。
 
ダム便覧では総貯水容量11万1000立米の貯水池
目視ながらほぼそんなものでしょう。
 
左岸の池栓
石積みの池栓、こんなの初めて見ました。
 
 
真上から
どうやら石を積んでセメントで固めてあるようです。
 
上流面も石積みで護岸されています。
もしかして1884年(明治17年)の代物?
 
右岸から
湖面から伸びるホースは??
 
下流面は鬱蒼とした藪になっており下流側からの確認はできません。
それと洪水吐に当たるものが見当たりませんでした。
上の写真のホースがそれに代わるものなのか?
 
2728 吉松新池(1043)
大分県国東市安岐町吉松
安岐川水系吉松川
15.4メートル
70メートル
安岐町吉松地区 
1884年

安岐ダム

2017-06-28 14:48:45 | 大分県
2017年6月17日 安岐ダム
 
安岐ダムは大分県国東市安岐町の安岐川にある大分県営の防災及び不特定利水目的の重力式コンクリートダムです。
国東半島南東部を横断し旧安岐町中心部で伊予灘に注ぐ安岐川はたびたび洪水被害を繰り返し、とりわけ1961年(昭和36年)10月の豪雨では流域に甚大な被害をもたらしました。
これを受け大分県は下流部4キロにわたり河川改修を行うとともに、上流部への防災ダムの建設を決めました。
そして1971年(昭和46年)に竣工したのが安岐ダムです。
安岐ダムは安岐川の洪水調節と既得取水権への補給・安定した河川流量の保持を目的としています。
 
安岐ダムはダム左岸を県道34号線が通っておりアプローチは簡単です。
左岸親柱にあるダムの概要プレート。
 
下流面
堤高35メートルとさほど高くはありません。
 
左岸フーチングの階段が開放され堤体直下に降りることができます。
 
ゲート
見えそうで見えません。
 
総貯水容量258万立米のダム湖。
 
導流面と減勢工。
 
天端は車両通行可能
左岸に管理事務所があります。
 
上流からゲートの見える場所を探しますが・・・・
木が邪魔!
 
管理事務所とインクライン。
 
下流から何とかゲートを見ることができました
薄くですがクレストから放流しています。
 
2774 安岐ダム(1042)
大分県国東市安岐町矢川
安岐川水系安岐川
FN
 
35メートル
172.5メートル
大分県
1971年

行入ダム

2017-06-28 11:48:16 | 大分県
2017年6月17日 行入ダム
 
行入で『ぎょうにゅう』と読みます。
行入ダムは大分県国東市国東町の田深川水系横手川にある大分県営の防災目的の重力式コンクリートダムです。
国東半島東部を横断し国東市中心部から伊予灘に注ぐ田深川は古くから流域に洪水被害をもたらし、終戦直後から河川改修が行われてきました。しかし1961年(昭和36年)10月の豪雨で流域に甚大な被害を引き起こしたのちもたびたび氾濫を繰り返し、抜本的な治水事業を求める声が高まりました。
これを受けて大分県は多目的ダムの建設を決定、1997年(平成9年)に田深川支流の横手川に竣工したのが行入ダムです。
当初は河川名を採り横手川ダムという名称で事業がすすめられましたが、地元の要望によりダム建設地の小字である行入へと名称が変更されました。
行入ダムは田深川および横手川の洪水調節、既得取水権への補給と安定した河川流量の保持を目的としています。
 
ダム建設地は国東半島特有の凝灰岩からなる地質で深い谷と奇峰、尖峰が立ち並ぶ景勝地となっており、行入ダム建設に当たってはシビックデザインを採用し周辺の景観や環境に調和するよう配慮が施されました。
また過疎化が進む周辺地域の振興策としてダム湖上流にパークゴルフ場や管理釣り場などが設けられているほか、ダムサイトがポケットパークになっており観光客やドライバーのレストポイントとしても重宝されています。
 
行入ダムは県道29号線沿いにありアプローチは簡単です。
まずはダム下から
クレストは自由越流式の非常用洪水吐が6門、一番左岸側(向かって右手)にオリフィスゲートがあります。
堤体や扶壁、導流壁などは四角く切り出された凝灰岩が使用されい石積みダムを彷彿とさせます。
また円形のバルコニーやゲート上部のアーチがダムを柔和なイメージに包み込んでいます。
 
高欄端の装飾。
 
下流面
古い石積み堰堤をモチーフにしたデザインで背後の岩峰と違和感なく調和しています。
 
上流面も石積み風。
 
天端もきれいに石が敷き詰められています。
照明もガス灯風。
 
三か所あるバルコニーには地域の行事や特産物などが彫り込まれています。
 
ダム下も公園になっています
減勢工は導流部左側に寄っており、左手に利水放流設備があります。
 
ダム湖は総貯水容量268万立米
上流にパークゴルフ場や管理釣り場があります。
 
管理事務所も寺院風のデザイン
事務所脇からインクラインが伸びています。
 
下流面
 
右岸上流から。
 
デザイン、周辺環境、そして管理人さん、いずれも素晴らしくまたホスピタリティに溢れたダムとなっています。
これまで1000余りのダムを回りましたがその中では十指に入る好印象のダムでした。
 
2800 行入ダム(1041)
大分県国東市国東町横手
田深川水系横手川
FN
 
43.5メートル
180メートル
大分県
1997年

大熊毛池

2017-06-28 10:00:24 | 大分県
2017年6月17日 大熊毛池
 
大熊毛池は大分県国東市国見町大熊毛にある灌漑用アースダムで、1969年(昭和44年)に大分県の事業で整備され、現在は地元の大熊毛地区が管理を行っています。
 
国道213号線の大熊毛バス停を南に折れ、大熊毛川沿いに南下すると大熊毛池左岸に到着します。
池の下流側の道路わきに複数の記念碑が並びますが、どれも摩耗が激しくよく判読できません。
 
下流面
この時期草が伸びるのはやむをえません。
 
左岸にある斜樋。
 
上流面
きれいに谷積みされた石で護岸されています。
 
天端は舗装されていますが、入口にロープが掛けられ車両の進入はできません。
 
総貯水容量15万3000立米の小さなため池。
 
天端からは正面に姫島が見えます。
 
右岸の洪水吐。
 
 
洪水吐導流部。
 
池の下流側へ回り込む道もありましたが厳しいダートのため今回は遠慮しました。
 
2767 大熊毛池(1040)
大分県国東市国見町大熊毛
大熊毛川水系大熊毛川
18メートル
155.1メートル
大熊毛地区 
1969年
◎海が見えるダム