2016年9月 4日 三又ダム
2023年7月25日
三又ダムは山形県鶴岡市羽黒町川代の一級河川最上川水系京田川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
月山北麓の標高100~400メートル地帯は開拓可能な緩やかな丘陵地が続きますが水利に乏しく、戦前はその大半は牧草地として活用されるほかは零細な農業経営に留まっていました。
1968年(昭和43年)に月山山麓の新規農地造成および灌漑設備の整備を目的とした農林省(現農水省)による国営月山山麓開拓建設事業が着手され、その灌漑用水源として1977年(昭和52年)に竣工したのが三又ダムです。
国営事業全体も同年完了し、ダムの管理は羽黒町(現在は市町村合併により鶴岡市)が受託し新規開発された約650ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。
開発された農地ではタバコや野菜生産のほか、柿やブルーベリーなど園芸農業も盛んにおこなわ、特に柿は『庄内柿』として全国的なブランド力を誇る特産品となっています。
三又ダムには2016年(平成28年)9月に初訪、2023年(令和5年)7月に再訪しました。
掲載写真にはそれぞれ撮影日時を記載しています。
羽黒から水芭蕉の丘広域農道を南下、月山ハーモニーパークを目指すと三又ダムに到着します。
すぐ下流の橋から三又ダムを見下ろすことができます。
初訪時は地質調査中。
(2016年9月4日)
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同じアングルで再訪時
美しいアース堤体と長い洪水吐斜水路が特徴です。
直前の梅雨前線による大雨で水位が上昇し洪水吐から越流しています。
(2023年7月25日)
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洪水吐をズームアップ
左奥に斜樋が見えます。
(2023年7月25日)
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アングルを変えて
減勢工の下で川は直角に折れます。
(2023年7月25日)
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写真右下が底樋管からの水路
ダムで放流された水は下流の水吞沢頭首工で取水され受益農地に供給されます。
(2023年7月25日)
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天端入り口にはロープが張られ立ち入りは微妙
巡回に来た職員さんの許可を得て立ち入りました。
(2023年7月25日)
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左岸の横越流式洪水吐。
満水で越流しています。
(2023年7月25日)
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洪水吐導流部
この下で長い斜水路に続きます。
1~3枚目写真は前方の橋から撮りました。
(2023年7月25日)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/9f/959030e4aa30731e52d10e429643696c.jpg)
下流面
堤体はきれいに刈り込まれ芝生のようです。
(2023年7月25日)
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総貯水容量14万2000立米の貯水池
対岸に斜樋が伸びます。
(2023年7月25日)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/79/fc8a2158e21a79c5424bfbcf4055acad.jpg)
ダムサイトに建つ事業説明板。
(2023年7月25日)
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水神の石碑。
(2023年7月25日)
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左岸から俯瞰。
(2023年7月25日)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/06/699c88f73cc6b952935249f6f148e9b7.jpg)
左岸の斜樋。
(2016年9月4日)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/14/aef83e557000848714894fc08b301f08.jpg)
美しいアース堤体と長く伸びる特徴的な洪水吐
個人的には東北で一番美しいアースフィルダムという称号を贈りたいと思います。
(追記)
三又ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
3348 三又ダム(0540)
山形県鶴岡市羽黒町川代
最上川水系京田川
A
E
24メートル
97メートル
142千㎥/93千㎥
鶴岡市
1977年
◎治水協定が締結されたダム