ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

一の沢ダム

2023-10-04 17:00:17 | 山形県
2016年7月10日 一の沢ダム
2023年7月25日
 
一の沢ダムは山形県東根市東根の最上川水系日塔川にある灌漑目的のロックフィルダムです。
現地竣工記念碑には『東根土地改良区338ヘクタールの水田を旱魃から守るための補給用水源として山形県営一の澤用水改良事業により1965年(昭和40年)に完成』と刻され名称は『一の澤溜池』となっています。
一方ダム便覧の竣工年度は1998年(平成10年)ですが、これは県営の老朽化ため池等整備事業の竣工年度で、これにより堤体はロックフィルとなり併せて取水設備や洪水吐なども大きく刷新され、名称も一の澤溜池から一の沢ダムに変更されました。
当初の管理者は東根土地改良区でしたが、その後の土地改良区合併により現在は村山東根土地改良区が管理を引き継いでいます。
一の沢ダムには2016年(平成28年)7月に初訪、その後取水設備や底樋の改修が終わったとの情報を得て、て2023年(令和5年)7月に再訪しました。
掲載写真にはそれぞれ撮影日時を記載しています。

東根市中心部から日塔川に沿って市道を東進、最終集落を抜けるとダートになりますが構わず進むと一の沢ダムに到着します。 
ダム便覧には下流からダム全体を写した写真が掲載されていますが、今は草が茂り洪水吐や放流設備を切り取るだけ。
1998年(平成10年)の改修工事で建設された洪水吐斜水路と底樋門が並びます。
訪問直前の梅雨前線による大雨で水位が上昇し洪水吐からは越流しています。
(2023年7月25日)


道路は堤体下流面を斜行して登り、中段には竣工記念碑が建ちます。
(2023年7月25日)

 
一の澤溜池完成の翌年、1966年(昭和41年)に建立され、池建設の仔細が刻されています。
(2023年7月25日)

 
洪水吐斜水路と減勢工を見下ろす。
これらの設備は1998年(平成10年)の改修によるものです。
(2023年7月25日)

 
下流から。
(2023年7月25日)

 
初回訪問時の横越流式洪水吐
奥に取水塔が見えます。
実はこの時点ですでにこの取水塔は廃止され左岸に斜樋が新設されていました。
(2016年7月10日)

再訪時、ほぼ同じアングルで
取水塔が撤去されています。
(2023年7月25日)

 
上流からの洪水吐。
5枚目写真はこの隧道出口から撮ったものです。
(2023年7月25日)

 
左岸の斜樋
もともと既設の取水塔の老朽化を受けて左岸に設けられ、2021年(令和3年)の改修で刷新されました。
(2023年7月25日)

洪水吐手前の円形の張り出しが特徴的。
(2016年7月10日)


総貯水容量32万立米の貯水池。
(2023年7月25日)


初回訪問時、新旧取水設備並び建ち。
取水塔はフローティング式表面取水型。
どうやらこれが壊れたため急遽斜樋が設置されたようで、当時の斜樋はいかにも急ぎ仕事で設置されたといった風。
(2016年7月10日)

2021年(令和3年)の改修で刷新された斜樋。
(2023年7月25日)

天端は広いコンクリート。
灌漑用のフィルダムで天端がコンクリート舗装は珍しい。
(2023年7月25日)

 
上流面。
(2023年7月25日)


0431 一の沢ダム(0474)
ため池コード
山形県東根市東根
最上川水系日塔川
26.5メートル
128メートル
320千㎥/320千㎥
村山東根土地改良区
1965年 一の澤溜池竣工
1998年 一の沢ダム竣工(老朽化ため池等整備事業)