ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

大河津可動堰(旧)

2016-05-25 10:00:00 | 新潟県
2016年5月22日 大河津可動堰(旧)
 
1931年(昭和6年)に竣工した旧大河津可動堰ですが、老朽化により堰の安全性が低下したため2011年に新可動堰にバトンタッチ、現役を引退しました。
ストーニーゲート10門が並んだ可動堰部分は撤去され、右岸の管理橋だけが残っています。
 
右岸上流から
 
鉄骨トラスが特徴的
 
立ち入り禁止で、中へは入れません。
 
 
 
 
大河津可動堰(旧)
新潟県燕市五千石
信濃川大河津分水
180メートル
ストーニー式ゲート×10門
国交省
1931年竣工
2011年廃止

大河津可動堰

2016-05-25 09:00:00 | 新潟県
2016年5月22日 大河津可動堰
 
大河津分水(おおこうづぶんすい)は、新潟県燕市分水地区から長岡市寺泊地区で日本海にそそぐ信濃川の分水路で、大河津分水路、もしくは新信濃川とも呼ばれています。
大河津分水は越後平野での信濃川の洪水被害を低減させるために13年の年月をかけて1922年(大正11年)に完成、分水路に自在堰がつくられました。
現在の可動堰は自在堰から数えて3代目で老朽化が進んだ旧可動堰に代わり2011年に竣工しました。
大河津分水路に跨る大河津可動堰と、信濃川本流に跨る洗堰が国交省北陸地方整備局によって一体管理される国交省直轄ダムですが、建設に際し特定多目的ダム法の適用は受けていません。
 
右岸上流側から遠望
油圧式ラジアルゲートを装備することでゲートビアがなく、非常にすっきりとしたデザインとなっています。
まるで砲台が並んでいるような眺めです。
制水ゲート  ラジアルゲート×2門
調整ゲート  ラジアルゲート×4門
       フラップゲート×4門
 
管理橋は歩行者、自転車通行可

右岸の魚道
左右両側に3種類の魚道があります。

どう見ても砲台です。


油圧式ゲートの駆動部

 


大河津資料館が併設され、大河津分水の歴史や治水について学ぶことができます。
資料館では大河津可動堰など6枚のダムカードがもらえ、無料のレンタサイクルやガイドなども頼むことができます。
周辺は公園としてきれいに整備され、レンタサイクルを借りて3時間かけてじっくり見学しました。 

大河津可動堰
新潟県燕市五千石
信濃川水系大河津分水路
FNA
MB
堰長 293.1メートル
国交省北陸地方整備局
2011年

正善寺ダム

2016-05-24 13:00:00 | 新潟県
2016年5月22日 正善寺ダム
 
正善寺ダムは新潟県上越市上正善寺の一級河川関川水系正善寺川にある新潟県土木部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、正善寺川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、上越市への上水道用水の供給を目的として1984年(昭和59年)に竣工しました。
 
上越市春日山町から県道200号で西に向かうと正善寺ダムに到着します。
クレスト自由越流頂12門、中央ゲートに切欠きがありこれがオリフィスになるようです。
一方堤体下部には利水放流用ジェットフロートゲートがあり、河川維持放流が行われています。


右岸から
堤体下流面の傾斜が緩くなっています。
これはダム建設地点に脆弱地盤があり、ダム下流側全体をフィレットとするために傾斜を緩くしています。


右岸高台から
右手が管理事務所、天端は徒歩のみ開放。

ダムサイトの記念碑。

天端から
中央ゲートの切欠きに合わせて導流部に溝があります。

天端に置かれた予備ゲート。

ダム湖は正善寺湖で総貯水容量460万立米。

右岸の艇庫とインクライン。


左岸から
このアングルで見ると下流面の傾斜の緩さが実感できるでしょう。

上流面。

正善寺ダムのもう一つの特徴はこの取水設備。
ヒンジアーム方式で、このワイヤーで水中の取水設備を上下させて選択取水を行います。

上流から

ダム周辺はアジサイが有名で梅雨時期には多くの人出があるようです。
一方で水中に没した取水設備がどういう構造なのかも気になるところです。
 
(追記)
正善寺ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
0778 正善寺ダム(0405)
新潟県上越市上正善寺
関川水系正善寺川
FNW
47メートル
187.5メートル
4600千㎥/4000千㎥
新潟県土木部
1984年
◎治水協定が締結されたダム

後谷ダム

2016-05-24 12:00:00 | 新潟県
2016年5月22日 後谷ダム
 
後谷ダムは新潟県上越市後谷の桑取川水系網子川にある新潟県企業局が管理する上水・発電目的の重力式コンクリートダムです。
上越市西側山間部を南北に貫流する名立川や有間川は豊富な水量を有する一方灌漑利用が少なく昭和30年代半ばまで未開発状態でした。
高度成長による電力需要拡大を受け新潟県企業局は両河川の包蔵水力に着目し電源開発に着手、これに水道事業者として当時の高田市と直江津市が事業参加し1968年(昭和43年)に後谷ダムが竣工しました。
後谷ダムは取水及び発電調整池ダムで、名立川や桑取川などで取水された水が当ダムで貯留されたのち高田発電所(最大出力1万1500キロワット)および新高田発電所(1984年増設、最大出力2500キロワット)に送られ、ダム水路式発電を行った後、城山浄水場経由で上水として供給されます。
なお新潟県には「後谷ダム」が2基あり、もう1基は柏崎市の灌漑目的のアースフィルダムとなります。
 
右岸から
利水ダムということで洪水吐はクレスト自由越流頂2門だけ。
堤体や導流部の苔が竣工以来の時間経過を感じさせます。
 
下流から
 
右岸から
本体は立ち入り禁止です。
 
堤体は屈曲、『カド』のあるダムです。
 
手前が高田発電所への取水口。
 
対岸に名立川や桑取川からの導水路流入口があります。
発電所の最大使用水量は毎秒最大1.6立米なので、少なくとも毎秒1立米以上の水が流入しています。
 
合併により今は無き直江津市や高田市の名が残るプレート
 
0757 後谷ダム(0404)
新潟県上越市後谷
桑取川水系網子川
WP
20.3メートル
76メートル
86千㎥/68千㎥
新潟県企業局
1968年

柿崎川ダム

2016-05-24 11:00:00 | 新潟県
2016年5月22日 柿崎川ダム
 
柿崎川ダムは左岸が新潟県上越市柿崎区松留、右岸が同区上中山の二級河川柿崎川本流にある新潟県土木部が管理する多目的ロックフィルダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、柿崎川の洪水調節、安定した河川流量の維持と不特定灌漑用水への補給、上越市への上水道用水の供給を目的として2003年(平成15年)に竣工しました。
本体工事は1989年(平成元年)に着手されますが、建設途中にダム基盤で亀裂やひび割れが発生しその対策に3年の年月を要したことで工事は大幅に遅延、完成までに14年の年月がかかりました。
 
柿崎川ダムは県道25号線沿いにありアプローチは簡単です。
ダム下から
洪水吐直下まで接近できます。


ダムサイトの諸元表。


竣工記念碑。


下流面
奥に洪水吐斜水路が見えます。

歩車分離の広い天端ですが車両は規制され徒歩のみ開放
照明や高欄など手が込んでいます。


天端からダム下を望む
中央の建屋は放流設備。右手の小さな建屋は監査廊入り口。


『かきざき湖』と命名されたダム湖は総貯水容量500万立米
堤体積が160万立米もあるので貯水効率はいいとは言えません。


堤高は54メートルながら堤頂長は424メートルに及びなかなかのスケール。


右岸県道沿いに管理事務所、取水設備、繋留設備が並びます。
奥に聳えるのは米山。


管理事務所と取水設備をズームアップ
取水設備は補助ダムでは珍しい傾斜式。


洪水吐斜水路
減勢工にはシュートブロックとエンドシルを配置。
奥は放流設備。


洪水吐は常用・非常用一体型で奥のスリットが常用洪水吐になります。


上流から見た洪水吐。

事業着手がバブル絶頂期ということもあり天端の設えなど各所に手の込んだ作りが見られ、今どきの大量生産型ダムとは一線を画しています。

0784 柿崎川ダム(0403)
左岸 新潟県上越市柿崎区松留
右岸        同区上中山
柿崎川水系柿崎川
FNW
54メートル
424メートル
5000千㎥/4100千㎥
新潟県土木部
2003年

平石川取水ダム

2016-05-23 13:00:00 | 新潟県
2016年5月21日 平石川取水ダム
 
平石川取水ダムは新潟県魚沼市大白川の信濃川水系破間川の破間川ダム下流約700メートル地点にある電源開発(株)が管理する発電目的の重力式コンクリート堰堤です。
平石川というのは破間川の旧名で、ここで取水された水は約2.3キロの導水路で電源開発末沢発電所に送られ最大1500キロワットの水路式発電を行います。
さらにその放流水は黒又第一ダムに送られます。
堤高が15メートル未満でダムの要件を満たしていませんが、破間川ダム訪問に合わせて立ち寄りました。
 
 
破間川発電所への道からダムを見ることができます。
右手がコンクリート主堰堤、左に取水用スクリーンがありその奥が沈砂池と余水吐、最奥が取水ゲートになります。
 
吊り橋からダムの全容が見えそうなので下ってみます。
 
ちょっと期待しましたが、やっぱり吊り橋は立ち入り禁止
見えそうで見えない。
主堰堤の右手は排砂ゲートになります。
 
沈砂池にも越流面らしきものがあります。
 
この放流は沈砂池からの余水吐です。
 
木が邪魔で越流面が見えません。
 
平石川取水ダム
新潟県魚沼市大白川
信濃川水系破間川
---メートル
---メートル
電源開発(株)
1958年

大羽谷内溜池(大芳賀ダム)

2016-05-23 11:15:00 | 新潟県
2016年5月21日 大羽谷内溜池(大芳賀ダム)
 
大芳賀(おおはが)ダムは新潟県魚沼市穴沢の信濃川水系穴沢川にある灌漑用目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には1935年(昭和10年)に尾形原地区の事業により竣工と記されており、その後1993年(平成5年)に農水省の補助を受けた新潟県の溜池等整備事業で大規模な改修が行われました。
ダム便覧では大芳賀ダムとなっていますが、国土地理院地形図では『大羽谷内池』と記されており、竣工記念碑でも『大羽谷内ため池』となっています。
現地で話を伺った老人も『おおはがやち』とおっしゃっており、大芳賀ダムという名称は、改修の際に縁起のいい同じ読みの文字を当てたものと推察されます。
管理は魚沼市土地改良区が行っています。
なおダム便覧とため池データベースでは諸元が異なり、後者では堤高10.8メートルとダムの要件を満たしていません。
 
入広瀬から大芳賀ダムへ向かうのに多少手間取りましたが何とか到着。
ダム湖上流側に竣工記念碑がありました。
 
左岸から
ダム周辺のタニウツギが満開です。
 
上流面はコンクリート補強されています。
 
天端は車道になっているが軽四くらいが精一杯でしょう。
下流面は犬走りがあり二段になっています。
 
普通の溜池です。
 
右岸に洪水吐があり、天端の中央のに階段式斜樋があります。
 
洪水吐導流部
 
堤体の下に下りてみました。
ここから見るとアースダムらしい姿です。
 
ダムからの帰り、農作業をしていたご老人からいろいろ話を伺うことができました。
もともとは小さな棚田が続いていたが、土地改良事業で耕地整理がなされたこと、山向こうの守門岳の雪渓からトンネルで用水路が作られ引水してることなどを教えていただきました。
 
0733 大羽谷内溜池(大芳賀ダム)(0396)
ため池コード 152250030
新潟県魚沼市穴沢
信濃川水系穴沢川
15メートル(ため池データベース 10.8メートル
58メートル(ため池データベース 42メートル)
42千㎥/42千㎥(ため池データベース 35千㎥)
魚沼市土地改良区
1935年

薮神ダム

2016-05-23 11:00:00 | 新潟県
2016年5月21日 薮神ダム
     8月 6日
 
薮神ダムは左岸が新潟県魚沼市赤土、右岸が同市大倉沢の信濃川水系破間川にある東北電力(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
破間川では融雪による豊富な水量に着目して戦前より電源開発が進められ、薮神ダムは1941年(昭和16年)に日本発送電傘下の東北配電により薮神発電所の取水ダムとして建設されました。
ダムおよび発電所は1951年(昭和26年)の電気事業再編成により東北電力(株)が事業を継承、2016年(平成28年)には最大出力4500キロワットのダム式発電を行う第二薮神発電所が増設されました。
薮神ダムは戦時中の貴重な土木建築物としてCランクの近代土木遺産に選ばれています。
 
下流の三河沢橋から
年間300日放流が行われているとのことですが、この日は残りの65日だったようです。
 
6門のラジアルゲートで破間川を閉め切る、いかにも発電ダムといった体。
豪雪地帯ということでピア上は被覆されています。

ダム直前の下流側から
魚道を映したかったのですが木が邪魔になりました。
 
初回訪問時は第二薮神発電所を建設中。
 
右手に新設された薮神第二発電所への取水ゲート。(2016年8月6日)
 
上流から
左岸に薮神発電所への取水口。
 
取水口をズームアップ(2016年8月6日)。
 
(追記)
薮神ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
0737 薮神ダム(0395)
左岸 新潟県魚沼市赤土
右岸     同市大倉沢
信濃川水系破間川
23メートル
98メートル
1857千㎥/671千㎥
東北電力(株)
1941年
◎治水協定が締結されたダム

広神ダム

2016-05-23 10:45:00 | 新潟県
2016年5月21日 広神ダム
 
広神ダムは新潟県魚沼市小平尾の信濃川水系和田川にある新潟県土木部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、和田川および破間川の洪水調節、安定した河川流量の維持と不特定灌漑用水への補給、新潟県企業局広神ダム発電所(最大出力1200キロワット)でのダム式水力発電を目的として2011年(平成23年)に竣工しました。
ダム建設中の2004年(平成16年)に中越地震が発生、打設面にひび割れが発生するなどの被害がありましたが大過なく無事竣工しました。
 
ダムは国道352号沿いにあり、左岸ダムサイトにある管理事務所の前に大きな駐車場があります。
左岸上流側から
一見水位が低く見えますが有効貯水容量1070万立米のうち洪水調節容量が880万立米を占めるため、これが常時満水位となります。
 
天端は車道になっており、右岸側のトンネルを抜けて対岸の県道につながっています。
本来なら車両が通行できるようですが、トンネルの先で土砂崩れがあり通行止めになっています。
 
左岸から
 
減勢工と発電所
発電所は新潟県企業局が運営しています。
 
右岸から
 
クレストには自由越流式洪水吐が並んでいます。
左は選択取水設備。
 
ダム湖
ぱっと見は小さく見えますが、左右に屈曲していて奥に続いています。
 
下流からも何とか撮影することができました。
ダム前面にエレベーター棟、堤体中ほどにコンジットゲートが見えます。
 
建設工事中に中越地震が発生し竣工が危惧されましたが大過なく無事完成したダムです。
 
(追記)
広神ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

0793 広神ダム(0394)
新潟県魚沼市小平尾
信濃川水系和田川
FNP
80.5メートル
225メートル
12400千㎥/10700千㎥
新潟県土木部
2011年
◎治水協定が締結されたダム


神沢川砂防堰堤

2016-05-23 10:30:00 | 新潟県
2016年5月21日 神沢川砂防堰堤
 
神沢川砂防堰堤は新潟県長岡市山古志東竹沢の信濃川水系神沢川にある重力式鋼製セル型砂防堰堤です。
国道291号を走っていてたまたま見つけました。
2004年に発生した中越地震で震源に近い旧山古志村では各所で土砂災害が発生し、神沢川では斜面崩壊により川が塞がれ天然のダム湖が形成されました。
このため大雨の際に土石流が発生の危険性が高まり、これに対処するために建設されたのが神沢川砂防堰堤です。
緊急度の高い事案のため、施工期間が短期で済むセル方式が採用されたようです。
 
初めて見るセル方式の砂防堰堤
円筒型のセルが5基並んでいます。
 
まるで貯水タンクが並んでいるような眺め
 
中央のセルだけ少し低くなっており、ここから越流しています。
 
上流側から
手前が背の低いセルで、上から見るとマンホールの蓋のようです。
 
砂防堰堤周辺だけでもこれだけの地滑りの跡が残っています。

神沢川砂防堰堤
新潟県長岡市山古志東竹沢
信濃川水系神沢川
砂防堰堤
重力式鋼製セル型
14.5メートル
85.3メートル
国交省北陸地方整備局
2006年

頭無堤

2016-05-23 10:15:00 | 新潟県
2016年5月21日 頭無堤
 
頭無堤(かしらなしつつみ)は新潟県小千谷市ひ生の信濃川水系頭無沢川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には1916年(大正5年)に木津耕地整理組合の事業で竣工と記されています。
現地看板では現在も管理者として木津耕地整理組合の名称が使われており、水利組合の管理のようです。
一方池の諸元についてはダム便覧とため池データベースでは大きな差異があり、後者では堤高は12メートルとなっています。
 
入口がわかりにくかったのですが、木津温泉の向かい側から延びる車道を登ってゆくと無事頭無堤に到着。
 
立ち入り禁止地帯に入らないようにして撮影します。
アースの堤体下流面は草ぼうぼうです。
見たところ堤高は20メートルもなく、ため池データベースの12メートルが妥当。
 
天端と貯水池。
 
土嚢が積まれているところが洪水吐になります。
ダム便覧では貯水容量は14万立米、対してため池データベースでは8万4000立米。
 
洪水吐からの小さな隧道
 
洪水吐導流部。河床には石が積まれています。
 
池の下流には昔ながらの小さな水田が続きます。
まるで高層湿原の池溏の様な棚田は芸術です。
 
ただの溜池ですが、ダムの下に続く小さな水田は美しく今なお貴重な水源なんだと実感しました。
整地された大きな水田よりも、ここのお米はずっとおいしそう。
 
0717 頭無堤(0393)
ため池コード 152080021
新潟県小千谷市ひ生
信濃川水系頭無沢川
20メートル(ため池データベース 12メートル)
35メートル(ため池データベース 56メートル)
140千㎥/140(ため池データベース 85千㎥)
木津耕地整理組合
1916年

三国川ダム

2016-05-18 17:00:00 | 新潟県
2016年5月15日 三国川ダム
 
三国川(さぐりがわ)ダムは左岸が新潟県南魚沼市舞台、右岸が同市清水瀬の信濃川水系魚野川右支流三国川にある多目的ロックフィルダムです。
1969年(昭和44年)の『昭和44年8月豪雨』での魚野川流域での甚大な洪水被害を受け建設省(現国交省)は『信濃川水系工事実施基本計画』を改訂し魚野川への多目的ダム建設が採択されます。
魚野川本流にはダム建設適地がなかったことから、主要右支流である三国川でのダム建設が進められ、1993年(平成5年)に竣工したのが三国川ダムです。
三国川ダムは国交省北陸地方整備局が直轄管理する特定多目的ダムで、三国川および魚野川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、下流3町への上水道用水の供給、東北電力五十沢第二発電所での最大9100キロワットのダム式発電、河川維持放流を利用した三国ダム管理用発電所での最大1200キロワットの小水力発電を目的としています。
 
六日町から県道233号を東に進むと正面に巨大なロックフィルダムが見えてきます。
堤体直下、ダムサイト両方に駐車場がありますがまずは下流から。
残念ながらクレスト放流は終わっていましたが、常用洪水吐からの放流は続いていました。
 
 
減勢工のブロック
右手は常用洪水吐からの流れ
 
天端直下も開放され堤体の階段を歩いて登ることもできますが・・・
今回は車で上がりました。
 
巨大なバスタブ型洪水吐
非常用洪水吐は自由越流式、
奥のスライドゲートは非洪水期(10月1日~5月31日)常用洪水吐。
 
洪水吐導流部
堤高119.5メートルの迫力満点。
 
洪水吐の右奥は洪水期常用洪水吐予備ゲート。
この水中に常用洪水吐があります。
右手は選択取水設備。
 
右岸展望台から
堤頂長419.5メートルの堤体を一望できます。
 
右岸から洪水吐ゲートと堤体上流面
タニウツギが満開。
 
常用洪水吐と選択取水設備
 
中ノ岳への登山口としてなじみのある三国川ダムですが、ダムとしては初めての訪問です。
直轄ダムらしくダム周辺の整備が行き届き開放度も満点。
休日も監査廊の見学ができたのですが、残念なことに時間の都合が合わずに断念。
初夏から紅葉にかけてのダム周辺の眺望も素晴らしいようなので、季節を変えて再訪したいと思います。
 
(追記)
三国川ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
0787 三国川ダム(0389)
左岸 新潟県南魚沼市舞台
右岸      同市清水瀬
信濃川水系三国川
FNWP
119.5メートル
419.5メートル
27500千㎥/19800千㎥
国交省北陸地方整備局
1993年
◎治水協定が締結されたダム

北の沢溜池

2016-05-18 14:00:00 | 新潟県
2016年5月15日 北の沢溜池
 
北の沢溜池は新潟県小千谷市真人(まっと)町の信濃川水系栗山川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には1923年(大正12年)に栗山土地改良区の事業で竣工と記されており、土地改良区の前身である耕地整理組合の事業で建設されたと推察されます。
現在は小千谷西南土地改良区が管理をしています。
 
小千谷市南部の県道475号を西に進むと右下に溜池が見えてきます。
草が伸び始めており、これからの時期溜池を見学するのは難しくなりそう。
 
下流面
 
 

下流は狭い沢筋に小さな田んぼが続いています。
でもこういうところで取れるお米が美味しいんだろうね

左岸から上流面
コンクリート補強されています。
 
左岸に洪水吐らしきものがあります。
 
洪水吐導流部。
 
0721 北の沢溜池(0388)
ため池コード  152080002
新潟県小千谷市真人町
信濃川水系栗山
18メートル
96メートル(ため池データベース 84メートル)
280千㎥/214千㎥
小千谷西南土地改良区
1923年

五升苗ダム

2016-05-18 13:00:00 | 新潟県
2016年5月15日 五升苗ダム
 
五升苗ダムは新潟県十日町市仁田の信濃川水系北沢川にある灌漑目的のアースフィル堰堤です。
十日町市の旧川西町では農地の大半が信濃川左岸の河岸段丘上に位置し、眼下の信濃川の水を得ることができずその水源は支流の小河川に依存せざるを得ませんでした。
1970年代より川西土地改良区管内の河川ごとにダム建設事業が順次着手され5基のダムが建設されました。
五升苗ダムは農水省の補助を受けた県営川西地区かんがい排水事業の中核施設として1985年(昭和60年)に竣工しました。
完成後は川西土地改良区が管理を受託し178ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。
堤高が14.7メートルのため、河川法上のダムの要件を満たしておらずダム便覧にも未掲載ですが、流域面積が大きく川西5ダムの中では川西ダムに次ぐ受益地を潤しています。
 
 
右岸から堤体下流面
あと30センチ高ければ!!
でも受益者の皆さんからすればそんなことはどうでもいい
 
川西土地改良区の他の4ダムと異なり天端は市道で車両通行可能です。
 
洪水吐導流部と減勢工
 
洪水吐
他で見られる切れ込みははありません。
 
上流面はコンクリートで補強。
 
小さな管理所
 
川西土地改良区が管理するダムの中で唯一堤高が15メートルに満たない堰堤ですが、流域面積は一番大きいためダムへの集水は多く、回転率が高いダムだということです。
 
五升苗ダム 
新潟県十日町市仁田
信濃川水系北沢川
14.7メートル
119.5メートル
川西土地改良区
1985年

川西ダム

2016-05-18 12:00:00 | 新潟県
2016年5月15日 川西ダム
 
川西ダムは新潟県十日町市新町新田の信濃川水系南沢川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
十日町市の旧川西町では農地の大半が信濃川左岸の河岸段丘上に位置し、眼下の信濃川の水を得ることができずその水源は支流の小河川に依存せざるを得ませんでした。
1970年代より川西土地改良区管内の河川ごとにダム建設事業が順次着手され5基のダムが建設されました。
川西ダムは農水省の補助を受けた県営川西地区かんがい排水事業の中核施設として1980年(昭和55年)に竣工しました。
総貯水容量121万5000立米は5ダム最大を誇り、完成後は川西土地改良区が管理を受託し460ヘクタールの農地に灌漑用水を供給するとともに、他の4ダムで用水補給に毀損が生じた際には川西ダムから用水補填することになっています。
 
下流から
松葉沢や長福寺と異なり、下流面に川西ダムと書かれています。
手前にあるのが調圧水槽で、ここで水圧調整された水が各幹線水路へ送水されます。
 
堤体直下から
洪水吐導流部は長く、緑に赤い手すりが映えます。
 
左岸に管理所
残念ながらここから先は立入禁止です。
 
左岸から俯瞰
 
同じ場所から上流面
一見ダム湖は小さいようですが、右手奥に延々と続いています。
 
かろうじて手前に洪水吐越流面が見えます。
 
管理所わきにあるワイヤーロープ
直接見ることはできませんが、フローティングアーム方式の取水設備の呑口の高さを調節する設備です。
 
(追記)
川西ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
0772 川西ダム(0387)
新潟県十日町市新町新田
信濃川水系南沢川
43メートル
170メートル
1215千㎥/1118千㎥
川西土地改良区
1980年
◎治水協定が締結されたダム