2016年9月 3日 小山ヶ沢溜池
2023年7月26日
小山ヶ沢溜池は山形県北村山郡大石田町田沢の一級河川最上川水系田沢川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
大石田町の最上川左岸地域では河岸段丘上に開拓可能な広大な平坦地が広がりますが、揚水技術のない時代は支流の小河川や小規模溜池を水源にせざるを得ず、慢性的な用水不足に悩まされてきました。
旧横山村も例にもれず、溜池記念碑によれば昭和17年~18年の干ばつを契機に農業用貯水池築造機運が高まり、1944年(昭和19年)に村営事業として小山ヶ沢溜池建設が着手され1951年(昭和26年)に竣工しました。
その後1992年(平成4年)に県営ため池等整備事業による大規模改修が着手され2000年(平成12年)に竣工、ダム便覧ではこれを竣工年度としています。
当初の管理は横山土地改良区が、その後の土地改良区の統合により現在は富並川伊蔵堰土地改良区が管理を引き継ぎ、約60ヘクタールの水田に灌漑用水を供給しています。
小山ヶ沢溜池には2016年(平成28年)9月に初訪、2023年(令和5年)7月に再訪しました。
掲載写真にはそれぞれ撮影日時を記載しています。
(2023年7月26日)
下流から
堤高17.5メートル、堤頂長157.3メートルの横長堤体。
溜池のすぐ下に社があります。
(2023年7月26日)
赤い鳥居とセットで。
(2016年9月3日)
左岸から下流面
奇麗に草が刈られ、今も貴重な水源であることが伺えます。
(2023年7月26日)
池下の底樋桝。
2000年(平成12年)の改修で設けられました。
(2023年7月26日)
天端は車両の通行可能で、道はそのまま林道として奥に伸びてゆきます。
(2023年7月26日)
池には2基の石碑がありこちらは1951年(昭和26年)の竣工碑。
旱魃被害から池築造に至る経緯が記されています。
(2023年7月26日)
こちらは2000年(平成12年)の県営ため池等整備事業の竣工記念碑。
裏には池の諸元等が刻されています。
池の型式は『前刃金型』つまり傾斜コア型フィルダムになります。
(2023年7月26日)
左岸の横越流式洪水吐。
(2023年7月26日)
洪水吐導流部は傾斜が緩く長く伸び、このまま田沢川として約5キロ下流で最上川に合流します。
(2023年7月26日)
天端から下流の眺め
ここからは受益農地は見えません。
改修工事で残土が盛られたようで、池の下流側はもっこりとしています。
(2023年7月26日)
総貯水容量32万5000立米の貯水池。
約60ヘクタールの水田に灌漑用水を供給します。
(2023年7月26日)
右岸の斜樋。
斜樋の周りは布製型枠で護岸。
(2016年9月3日)
右岸から下流面。
(2023年7月26日)
上流面はコンクリートブロックで護岸。
(2023年7月26日)
斜樋のシャフトは2本。
(2023年7月26日)
0417 小山ヶ沢溜池(0530)
ため池コード
山形県北村山郡大石田町田沢
最上川水系田沢川
A
E
17.5メートル
157.3メートル
325千㎥/325千㎥
富並川伊蔵堰土地改良区
1951年竣工
2000年ため池等整備事業竣工