「マイクロコンピュータの誕生―わが青春の4004」(岩波書店1986年刊行)嶋正利著
マイクロプロセッサーの生みの親である、嶋政利さんの開発物語であり、ご本人があらわした本である。
インテルのマイクロプロセッサーを開発した3人の若者の中のお一人が、嶋さんだった。本来、最初からマイクロプロセッサーを開発することが目的ではなく、電卓の心臓部分をプログラマブルとしたい、日本の電卓メーカー「ビジコン社」の依頼により誕生したのがインテル4004であり、インテルの数あるマイクロプロセッサーの初めの一歩、ご先祖さまである。嶋さんは、ビジコン社の社員として、インテルでの回路の設計開発に携わった。ビジコン社の狙いは、電卓の機種ごとにその都度制御回路を設計していたが、その部分をプログラマブルとすることだった。出来上がったものは、ビジコン社の要求をみたすものであった。しかし、インテルの上層部は、出来上がった製品の潜在能力戦慄を覚えた。小さいながら、コンピュータの中央処理装置としての役割を十分満たす能力を備えているではないか。逆にビジコン社の対して、他社に対しても製造販売権を認めるように、契約を急きょ書き換えた。詳しい金額は忘れたけれど、この判断により、インテルはCPUメーカーとしての主役を務める会社となってゆくこととなった。
詳しくは、先の本をお読みください。
現在のわれわれの生活になくてはならないCPUの開発が、嶋さんであったことに、誇りを覚えます。
wikipediaにも簡略な案内がありますので、そちらも合わせてお読みください。