理化学研究所の理事長である野依先生も大変な事態を迎えられて、さぞ困惑されているでしょう。石井委委員長まで辞任することは想像だにできなかったでしょう。最近は各大学等の研究機関で、過去の論文もdepositoryとして簡単に閲覧できるようになり、論文の不正行為が後から見つかるケースが多いようです。同じ研究分野の他者による論文をレビューすることは日常的に行われています。自分の研究に先立つ研究は当然把握していなければなりません。新たな学問的事実を自分が発見したと思っても、誰かほかの研究者がすでに発見している可能性がある以上、レビューは欠かせません。しかし、自分の論文で引用する場合は、必ず出展を明示するべきです。出展を明らかにせず、あたかも自分の功績のように見せかけることは、詐欺に等しいと考えられます。大切なのは、あくまでも研究者のオリジナリティーです。
世の中には一蓮托生という言葉があります。理化学研究所の方々の中から芋ずる式に、不正が発覚しないことを願わずにはいられません。