政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は6日、NHKの討論番組で、観光支援策「Go To トラベル」の運用見直しを含めた人の移動の抑制策が必要との認識を示した。「『Go To トラベル』も含めて人々の動きと接触を短期間、集中的に減らすことが、今の感染(拡大)を沈静化するために必須だ」と述べた。
尾身氏は、60歳以下の無症状や軽症の人が都道府県境を越えて移動するケースを挙げ、「全く意図せず、感染拡大の重要な原因(になっている)と分かってきた」と指摘。「3密」回避などの感染防止策に加え、人の移動への対策を急ぐべきだと強調した。
医療体制の逼迫(ひっぱく)をめぐっては「早く感染のレベルを沈静化させないと(医療現場は)長くは続かない」と危機感を示した。日本医師会の中川俊男会長も同番組で「最大の(医療への)支援は感染者数を減らすことに尽きる」と訴えた。
朝日新聞デジタルより