2000年から3年おきにOECDが実施しているPISA(生徒の学習到達度調査)の2018年版の結果が12月3日に公開される。満15歳を対象に、読解力・数学的リテラシー・科学的リテラシーについてテストを行い、OECD平均500点を基準値として得点が尺度化される。
2015年からコンピュータ使用型調査に移行したことで尺度化方法に変更があるので厳密な意味で連続性は無いが、以下の国立教育政策研究所がまとめた図を見ても分かる通り、2015年調査では数学的リテラシーと科学的リテラシーはOECD1位であるのに対し、読解力は6位にとどまる。
では日本人は相対的に見て読解力が低いのかと言われれば、必ずしもそうではない。これについて河合塾の進学情報誌Guidlineの中で2008年時点でPISAにおいて読解力のスコアが低いことについて、日本の国語のテストで出される問題が「選択式が中心」「文章が殆ど」「文学や評論が殆ど」「唯一の答えを求める」といった傾向に対し、PISAでは「記述式問題が約4割を占める」「表やグラフなどが約4割を占める」「理科・社会などと関連する幅広い領域から出題される」「独自の意見を求められる」といった内容面での大きな違いを指摘している。
これにより日本の高校生がPISAの記述式問題を苦手とし、記述式問題の無回答率がOECDの中でも高いことを指摘している。
これは文部科学省も2005年時点で問題視しており、PISA型「読解力」の向上についてワーキンググループで調査分析を進めることの重要性などをまとめている。