演劇書き込み寺

「貧乏な地方劇団のための演劇講座」とか「高橋くんの照明覚書」など、過去に書いたものと雑記を載せてます。

2/4はこのみる劇場で「如月公演」観劇

2017年02月05日 13時13分28秒 | 観劇の感想

生徒たちが今年は自分たちでやります。ということなので、指導にはいかなくなったのだが、観に来てくださいというメールが来たので、ついでに他校のほうも観てみた。

平成28年度 如月公演~静岡県中部高校演劇協議会・静岡地区発表会~

2月4日(土)

 13:00~14:00 駿河総合高校 「童話裁判」森本ゆかり作
 16:30~17:30 静岡学園高校 「ハンバーガーショップの野望」橋口 征司(若頭ぐっち)作

「童話裁判」は高校演劇脚本集に収録されていて、よく上演される作品らしいが、話がどうもとっちらかっているようで、観ていて辛い。あらすじはこちらから引用。

 幕が開くと、シンデレラ・白雪姫・グレ‐テルの三人がはたきやほうきを手にして踊っている。音楽がやむと三人掃除を始める。それぞれの物語の内容に関したことを話して、ひとり、またひとりと退場する。

 舞台明るくなると、大きなひまわりを華やかに描いた装置に、いろいろなぬいぐるみが沢山置いてある新婚家庭の部屋の場面になる。もうすぐ赤ちやんが産まれそうな、大きなおなかをしたお母さんが編物をしている。そこヘ、父親がお土産のぬいぐるみを持って帰ってくる。ふたりの楽しい会話の場面に、絵本販売人が登場する。絵本販売人は「数日後にまた参りますから」と言って、絵本と三枚のポスターを置いていく。
ニ人はポスターを部屋に貼る。

 突然、シンデレラ・白雪姫・グレ‐テルの三人がポスターから飛び出し、部屋の中をとぴまわり、騷ぐ。二人は驚くが、やがてこの三人の名前が分かる。三人はそれぞれの物語の裏話を始める。「シンデレラは、いかにわざとらしくなく靴を置いたか」「グレ‐テルは、魔女を殺したとき笑っちやった」というようなことを、面白おかしくわいわい話している。その話を聞いていた父親は、「そんな童話は子供に聞かせたくない」と言って絵本を破いてしまう。子供にとって童話は必要ないという父親と、必要だという母親が口論しているところへ、絵本販売人がやってくる。

 絵本の持つ裏を暴き出そうという父親が検事になり、童話を擁護しようとする母親が弁護士になり、絵本販売人が裁判長になって、童話の裁判が開かれる。「物的証拠不十分」ということで父親の訴えは却下されるが、三つの物語の裏の部分を父親は夢で体験することになる。

 夢から覚めた父親は、子供と童話の関係を理解し、読ませることに同意する。絵本販売人と童話の主人公たちが帰った後、母親は編物をし、父親は新聞を読んでいる。静かに子守唄がながれているなかで、幕。

セリフが観念的すぎて、観ていて辛い。
キャストはグレーテルの子が、憎々しくて可愛い。

「ハンバーガーショップの野望」は生徒が自分達だけでやると良くなる時と、悪くなる時があるのだが、今回はいい方へ転んだようだ。
セリフをまともに喋れなかった生徒がきちんと喋れるようになるのを見るのは嬉しい。

問題は音響だろうか。音が小さすぎる。小さくてもいい音と、大きくなければいけない音があるのだ。
演技は比較的安心して観られた。そこそこ笑い声も出ていたようだから、まあ、いいだろう。

作者の口 征司さんの上演は2作目だが、脚本がよくかけている。

さて、これで当分は生徒との付き合いもなくなることになる。少し寂しくもあるが、時間にゆとりができるのは気が楽だ。