戸森しるこ作
あらすじはここから
中学1年生の瞳は、小学生の頃から同級生の南野さんに嫌われている。かわいくておしゃれで人気者の彼女が、瞳自身は大好きなのに、ある事件をきっかけに口をきいてもらえなくなった。声をかけられるのは、嘲笑されるときだけ。いじめというほど積極的でもないが、ぼんやりと孤立している教室の中で、瞳が出会ったのが不思議な自由さで人を惹きつける人見(ひとみ)先生だった。シングルマザーと噂され、大人なのに、どこか瞳の感性に近い心と自由さをもつ先生を目で追ううち、瞳は、同じように彼女を見つめるクラスメート・正木くんに気づく。やがて金曜日の放課後を、先生のいる理科準備室で瞳は正木くんとともに過ごすようになるのだが、その特別な空間が、瞳を癒し、そして新たな欲求と葛藤を生み出していく。
最近、「真夜中のパン屋さん」のシリーズとか、ヤングアダルト物をいくつか読んでいる。
微妙な位置にいる子供たちとその周りの大人の描き方が、結構面白いものが多いのだ。
この手のやつでは「真夜中のピクニック」が先駆けといえるのだろうか。そういえば、多部未華子の出ていた「真夜中のピクニック」は頂けなかった。
残念ながら、この作品は心理の綾が、屈折していて、映像化がなかなか難しそうだ。