演劇書き込み寺

「貧乏な地方劇団のための演劇講座」とか「高橋くんの照明覚書」など、過去に書いたものと雑記を載せてます。

なんでそんなことを

2009年11月17日 12時35分16秒 | 演劇
私が高校生にお芝居の指導をしていたときには、なるべくたくさんお客を集めるように言い聞かせていました。
少ない観客の前でやるのと、たくさんの観客の前でやるのとでは、同じ舞台でもぜんぜん出来が違ってくるからです。

しかし実際には、観客を増やすのは簡単なことではありません。指導していた生徒たちの場合は、面白い舞台が何作か続くと観客がどんどん増えていき、面白い舞台を作れる生徒が去ると、がんがん観客が減っていく、という状況でした。
入場料を取れない高校生の場合は、面白い舞台を作り続ける、というのが最高の手段といえるわけです。でも、これって、鶏が先か卵が先かみたいなところがあって、実質2年間しかクラブ活動ができない彼らに期待するのは難しいものがあります。

今から10年ほど前に、ライオンズクラブがお金を出してくれて冬に演劇公演ができることになりました。
3年目か4年目には会場もアイセル21という公民館に毛が生えたところから、清水の文化会館の中ホールが使えるようにまでなりました。

しかしその年の、公演で事件が起きたのです。
ライオンズクラブのその人は、毎年来る理事ではなくて代理の人のようでした。
まず、挨拶の順番に文句がありました。
観客が帰ったあとで、スポンサーの挨拶をさせるとはどういうことだ、というのです。
まあ、これは考えてみれば、当然のことです。
次になぜ観客が少ないのだ、といいはじめたのです。
自分たちは、なるべくたくさんの人に見てもらい、ライオンズクラブの活動をしってもらうために、お金を出して君たちを援助しているのだから、もっと観客を集める努力をすべきだ、と言って、先輩たちとかに呼びかけるなどの方法はないのかと問いただしたのです。
明らかに、顧問の先生たちに向かって言っているのですが、顧問たちはここで大勘違いをしました。

そのあとの講評会で生徒たちを、攻撃し始めたのです。
「私ならこうやって、観客を集める」とか言い始め、生徒にビラをもたせて学校の近所を回らせたとかいうのです。
つくづく情けなくなりました。

事前に、ちゃんと制作というものを教えないから、制作がなんなのかがわかっていないからこういう事態を招いたというのに。

私は学校にも非公認の外部指導者でしたから、口を挟む立場ではなかったので何も言いませんでしたが、この展開には唖然としたものです。

その翌年には、この行事はなくなりました。
かわりに、SPACが引き継いでいますが制作能力のないSPACが制作を教えられるはずもなく、相変わらず、低調な客入りが続いているようです。

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