全労連の第25回定期大会が7月21日~23日にかけて開催されました。千葉労連議長の松本さんは、明治乳業争議支援共闘会議議長として奮闘をいただいています。大会の初日、討論の中で、千葉労連代議員として持ち時間7分の内6分を明治乳業争議に費やし、役員はじめ全国の代議員へ支援を訴えています。発言要約は争議団ニュースNo.26号に掲載しておりますが、ここに改めて全発言を紹介しますのでご一読とご支援をお願いします。
{発言}
千葉労連の松本悟代議員です。
私は明治乳業争議支援と県民要求実現闘争について発言します。
最初に明治乳業争議支援の訴えをさせていただきます。
この間、全国の各工場への宣伝・要請活動につきましては、全国の仲間に多大なご支援をしていただいたことに厚くお礼申し上げます。
さて、明治乳業争議の原点は何か。
歴史的な60年安保闘争が原点です。
安保闘争に危機感を抱いたアメリカと財界は、二度と再びアメリカにタテをつかせないため、大企業のたたかう労働組合運動に支配介入し、乗っ取り、大企業が支配する労働組合に変質させました。
すなわち、ケネディー・ライシャワー路線です。
この流れの中で明治乳業争議は発生しました。
経営陣は、会社にもの申す労働者を「赤組」、会社いいなりの労働者を「白組」、その他を「雑草組」に差別・選別し、支配しました。
当時、千葉県の市川工場ではたたかう潮流が支部執行部を握っていました。
それに対し、会社はインフォーマル組織をつくり、不当労働行為により支部執行部を乗っ取りました。
その当時、支部長に立候補し、乗っ取ったのが現在の浅野茂太郎明治乳業社長です。
乗っ取ったあとは、人事考課の名目で徹底的に「赤組」にたいし賃金差別を強行しました。
大阪工場で40年間正規社員として働いていた糸賀さんの定年時の基本給は15万円台、手取り18万円台でした。
糸賀さんを一回も昇格させませんでした。まさに現在のワーキングプアです。
これは、人事考課や成果主義賃金ではありません。
人権侵害、パワハラそのものです。
たたかいの到達点はどうなっているのか。
当然、全国で64人が労働委員会や裁判所に訴えました。
東京高裁は市川事件で集団間に「有為な格差」があると認めました。
しかし、格差を認めながら、救済判決を放棄しました。
この間、裁判所や労働委員会から3回にわたって、和解の提案がありましたが、いずれも会社側が蹴飛ばし、長期争議になり、現在も全国事件を都労委で争っています。
それでは明治乳業はどんな会社か。
今は、明治製菓と統合し、子会社になっています。
明治乳業の労働者に対する人権侵害の原点は大阪工場です。
昭和50年代、大阪工場の20代の女性を畳一畳半のプレハブ小屋に10年余にわたって隔離していました。
国会で共産党に追及され、解放しました。
今年の5月9日、関東工場でヨーグルトのラインを掃除していた21歳の臨時女性社員が、機械に押しつぶされて死んでいました。
本来、二人でやる仕事を入社間もない臨時社員に一人でやらせ、亡くなった現場は誰も見ていませんでした。
これは死んだのではありません、殺されたも同然です。
若い彼女の未来をかえせ!と訴えたい。
このような死亡事件が7件も続いています。
また、明治乳業の労働者の41%は非正規社員です。
株主総会で、派遣労働者は何人いるのか、との質問に「カウントしていない」と会社は答弁しました。
正に、労働者をモノ扱いしているから、こういう人権侵害や死亡事故が続発しているのです。
労働者の人権を守らない会社は、消費者の人権も守っていません。
明治乳業の食の不祥事の原点は牛乳に椰子油を混ぜて、「インチキ牛乳」を販売したことです。
これで、当時の社長のクビが飛びました。
この間、大腸菌入りのヨーグルトを販売したり、昨年は牛乳でないものを牛乳と表示して旭川保健所から告発されるなど、不祥事があとをたちません。
さらに明治乳業は、原料供給源の酪農家の乳価を買いたたいていじめています。
やむにやまれず、酪農家がストライキを打ったこともあります。
正に、ブラック企業です。
最後に全労連と全国の仲間にお願いをします。
新自由主義、市場原理主義に基づく政治が、労働者をモノ扱いし、格差と貧困を生み出し、社会を壊しています。
今求められていることは新自由主義と決別し、ルールある経済社会、とりわけはたらくルールを確立することです。
そのためには、大企業に社会的責任を果たさせる必要があります。
明治乳業は、争議団からの電話も取り次がない、要請書も受け取らない、もちろん話し合いにも応じない。
こんなブラック企業を放置しておいていいのでしょうか。
たたかいの局面は、今年から来年が山場です。
すでに争議団のうち、7人がたたかい半ばで亡くなっています。
無念です。
これ以上の長期争議は人道上も許されません。
このたたかいは、ケネディ・ライシャワー路線にケリをつけるたたかいです。
すでに、国鉄争議も政治的和解にこぎ着けました。
次は、明治乳業争議です。
争議団のメンバーも加わって食品一般ユニオンを立ち上げ、攻めのたたかいを行っています。
明治乳業を話し合いのテーブルにつかせるため、これまでにまして、ご支援のほどよろしくお願いします。
私たちもすべての争議を解決させるために全力をあげると言うことを申し上げ、争議支援の訴えとさせていただきます。
次に県民要求実現闘争について簡潔に述べます。
千葉では昨年の3月に森田健作知事が誕生しました。
それ以来、県議会ごとに「明るい民主県政をつくる会」と「森田知事の政治責任を追及する会」は、集会、知事要請活動を行ってきました。
課題は県民要求実現、金権腐敗一掃、教育の反動化阻止の3点です。
さて、現場はどうなっているのか。千葉労連傘下の千葉土建の仲間が、この一年で16人自殺しました。
その中に、30代の青年が3人も含まれています。
原因は建設不況で仕事がない、ことが一番の理由です。
もう我慢も限界です。
そこで、9月9日に、「不況打開!生活危機突破!県民要求実現大集会」を3000名規模で行います。
各団体が要求を持ち寄り、実行委員会方式で行い、諸要求を勝ち取りにいきます。
千葉から政治を変える決意を申し上げ、発言を終わります。
ありがとうございました。
2010年7月21日 東京
{発言}
千葉労連の松本悟代議員です。
私は明治乳業争議支援と県民要求実現闘争について発言します。
最初に明治乳業争議支援の訴えをさせていただきます。
この間、全国の各工場への宣伝・要請活動につきましては、全国の仲間に多大なご支援をしていただいたことに厚くお礼申し上げます。
さて、明治乳業争議の原点は何か。
歴史的な60年安保闘争が原点です。
安保闘争に危機感を抱いたアメリカと財界は、二度と再びアメリカにタテをつかせないため、大企業のたたかう労働組合運動に支配介入し、乗っ取り、大企業が支配する労働組合に変質させました。
すなわち、ケネディー・ライシャワー路線です。
この流れの中で明治乳業争議は発生しました。
経営陣は、会社にもの申す労働者を「赤組」、会社いいなりの労働者を「白組」、その他を「雑草組」に差別・選別し、支配しました。
当時、千葉県の市川工場ではたたかう潮流が支部執行部を握っていました。
それに対し、会社はインフォーマル組織をつくり、不当労働行為により支部執行部を乗っ取りました。
その当時、支部長に立候補し、乗っ取ったのが現在の浅野茂太郎明治乳業社長です。
乗っ取ったあとは、人事考課の名目で徹底的に「赤組」にたいし賃金差別を強行しました。
大阪工場で40年間正規社員として働いていた糸賀さんの定年時の基本給は15万円台、手取り18万円台でした。
糸賀さんを一回も昇格させませんでした。まさに現在のワーキングプアです。
これは、人事考課や成果主義賃金ではありません。
人権侵害、パワハラそのものです。
たたかいの到達点はどうなっているのか。
当然、全国で64人が労働委員会や裁判所に訴えました。
東京高裁は市川事件で集団間に「有為な格差」があると認めました。
しかし、格差を認めながら、救済判決を放棄しました。
この間、裁判所や労働委員会から3回にわたって、和解の提案がありましたが、いずれも会社側が蹴飛ばし、長期争議になり、現在も全国事件を都労委で争っています。
それでは明治乳業はどんな会社か。
今は、明治製菓と統合し、子会社になっています。
明治乳業の労働者に対する人権侵害の原点は大阪工場です。
昭和50年代、大阪工場の20代の女性を畳一畳半のプレハブ小屋に10年余にわたって隔離していました。
国会で共産党に追及され、解放しました。
今年の5月9日、関東工場でヨーグルトのラインを掃除していた21歳の臨時女性社員が、機械に押しつぶされて死んでいました。
本来、二人でやる仕事を入社間もない臨時社員に一人でやらせ、亡くなった現場は誰も見ていませんでした。
これは死んだのではありません、殺されたも同然です。
若い彼女の未来をかえせ!と訴えたい。
このような死亡事件が7件も続いています。
また、明治乳業の労働者の41%は非正規社員です。
株主総会で、派遣労働者は何人いるのか、との質問に「カウントしていない」と会社は答弁しました。
正に、労働者をモノ扱いしているから、こういう人権侵害や死亡事故が続発しているのです。
労働者の人権を守らない会社は、消費者の人権も守っていません。
明治乳業の食の不祥事の原点は牛乳に椰子油を混ぜて、「インチキ牛乳」を販売したことです。
これで、当時の社長のクビが飛びました。
この間、大腸菌入りのヨーグルトを販売したり、昨年は牛乳でないものを牛乳と表示して旭川保健所から告発されるなど、不祥事があとをたちません。
さらに明治乳業は、原料供給源の酪農家の乳価を買いたたいていじめています。
やむにやまれず、酪農家がストライキを打ったこともあります。
正に、ブラック企業です。
最後に全労連と全国の仲間にお願いをします。
新自由主義、市場原理主義に基づく政治が、労働者をモノ扱いし、格差と貧困を生み出し、社会を壊しています。
今求められていることは新自由主義と決別し、ルールある経済社会、とりわけはたらくルールを確立することです。
そのためには、大企業に社会的責任を果たさせる必要があります。
明治乳業は、争議団からの電話も取り次がない、要請書も受け取らない、もちろん話し合いにも応じない。
こんなブラック企業を放置しておいていいのでしょうか。
たたかいの局面は、今年から来年が山場です。
すでに争議団のうち、7人がたたかい半ばで亡くなっています。
無念です。
これ以上の長期争議は人道上も許されません。
このたたかいは、ケネディ・ライシャワー路線にケリをつけるたたかいです。
すでに、国鉄争議も政治的和解にこぎ着けました。
次は、明治乳業争議です。
争議団のメンバーも加わって食品一般ユニオンを立ち上げ、攻めのたたかいを行っています。
明治乳業を話し合いのテーブルにつかせるため、これまでにまして、ご支援のほどよろしくお願いします。
私たちもすべての争議を解決させるために全力をあげると言うことを申し上げ、争議支援の訴えとさせていただきます。
次に県民要求実現闘争について簡潔に述べます。
千葉では昨年の3月に森田健作知事が誕生しました。
それ以来、県議会ごとに「明るい民主県政をつくる会」と「森田知事の政治責任を追及する会」は、集会、知事要請活動を行ってきました。
課題は県民要求実現、金権腐敗一掃、教育の反動化阻止の3点です。
さて、現場はどうなっているのか。千葉労連傘下の千葉土建の仲間が、この一年で16人自殺しました。
その中に、30代の青年が3人も含まれています。
原因は建設不況で仕事がない、ことが一番の理由です。
もう我慢も限界です。
そこで、9月9日に、「不況打開!生活危機突破!県民要求実現大集会」を3000名規模で行います。
各団体が要求を持ち寄り、実行委員会方式で行い、諸要求を勝ち取りにいきます。
千葉から政治を変える決意を申し上げ、発言を終わります。
ありがとうございました。
2010年7月21日 東京