参議院山添拓議員控室において、厚労省生活衛生・食品安全部監視安全課課長補佐東良氏、同医薬・生活衛生局食品監視安全課乳肉安全係長 奥村氏を呼んで、学校牛乳異臭問題に関し、これまでの調査の経緯などを問いただしました。 20018年4月6日
山添議員は、厚労省に対し、次の5点を調べて報告するよう求めました。
①どこの産地の牛乳か。(東北のある地方の原乳と埼玉県から聞いている。)
②どこのクーラーステーションを経由して納入したのか。(埼玉県の生活安全課らは、タンクローリーから直接、明治に納入したと村岡県議団幹事長に説明している。)
③保健所の26日の立入検査は、何を検査したのか。(22日の製造品、25日に異臭の訴え、26日にサンプル検査。子どもたちが飲み残し物は検査していない。)
④この問題に関する埼玉県と厚労省のやりとりの文書提出(メール)を求める。
⑤ハサップ取消しの基準を明らかにすること。
※ 加藤勝厚生労働大臣宛ての要請文を手交しました。
2018年4月6日
厚生労働大臣 加藤 勝信 様
全国労働組合総連合 議長 小田川義和
明治乳業争議支援共闘会議 議長 松本 悟
明治乳業争議団 団長 小関 守
株式会社 明治の学校給食牛乳1900人異臭問題の原因隠ぺいとハサップ違反問題、内閣府と明治の共同研究「高カカオチョコ脳の若返り効果」会見とその後の対応問題などについて、厚労省としての指導を求めます。
1. 明治学校給食牛乳1900人異臭事件、保健所の立ち入り検査等に関する質問について明治戸田工場製造(9月22日製造)の学校給食用瓶牛乳を飲んだ新宿区、板橋区、埼玉県和光市、ふじみ野市で約1900人の児童、教師等が2017年9月25日(月)、異味・異臭(塩素臭、石けん臭、ガソリン臭など)を訴え、メディアが大きく報道しました。この事件は、明治も川口保健所も問題ないと隠ぺいしましたが、埼玉県ふじみ野市では4人が吐き気、腹痛で病院に、板橋区は帰宅後一人が下痢で病院に、渋谷区では3人が体調不良、新宿区では3人が体調不良を訴えるなど、食中毒事件の様相です。製造元の株式会社「明治」に対する問い合わせが殺到し、明治戸田工場からの情報提供により、9月26日埼玉県食品安全課、川口保健所が戸田工場に立ち入り検査を行ったと報道しました。
この検査結果で「製造ラインにおける衛生上の問題は認められなかったとの見解を頂きました」と明治は広報し、さらに「生乳は気温、湿度、えさなどの飼育環境によって風味が変化」するとして、A地域2コースの生乳のみで「製造した牛乳に対して、敏感な生徒様が通常品とは異なる風味に感じられた」と、自ら作成した「異味・異臭マニュアル」を無視し、「風味」と結論つけました。明治は、今後の再発防止の対策として、①生産者団体を通じて原料供給元に生乳風味管理強化を要請。②使用する生乳の平準化、③官能検査員のスキル向上などを行うなどとしています。
被害を受けた板橋区、新宿区などでは原因究明を求めましたが、明治は、未だにどこの県の原乳か、どこのクーラーステーションから納入したのかを隠ぺいしています。埼玉県には、クーラーステーションではなく、タンクローリーから直接搬入したと説明しています。
つきましては、原因究明、再発防止を求める立場から、保健所の検査に関して、下記の事項に対し誠意ある回答を要請します。なお、高カカオチョコが「脳の若返りに効く」との内閣府と明治の共同研究についても、明治に対する指導を求めます。
記
(1)立ち入り検査の目的について
明治戸田工場への立ち入り検査にいたる経過、目的を明らかにすること。明治の情報提供に基づき立ち入り検査と報道されています。ふじみ野市などでは4人の児童が吐き気、腹痛で病院に入ったとの情報があるが、このような重大事態を承知して、立ち入り検査をしたのか、立ち入り検査の目的、判断について明らかにすること。
(2)原乳についての検査を行ったのか
今回の異味・異臭問題の原因と指摘されている「原乳」の検査は実施したのか、原乳の生産元、その輸送経路について、検査を実施したのか、明らかにすること。板橋区の課長の問い合わせに対し、生乳のサンプルは40数時間で廃棄すると明治が証言しているが、保健所の立ち入り検査時に、子どもたちが異臭を訴えた現物の検査を実施したのか、明らかにすること。
(3)保健所から「衛生上の問題は認められなかったとの見解をいただきました」ことについて明治に対する報告は標記内容を伝えたのか、どのような検査を行ってこの結論付けたのか、明らかにすること。製造日と事件発生日との間が4日間もあり、更に保健所の立ち入り検査は、事件発生の翌日の26日です。製造続行中の工場調査で、22日の状況をどのように把握したのか、下痢・腹痛など病院にかかった子どもたちがいるにもかかわらず、「衛生上の問題は認められなかった」とはどういうことか、説明すること。
(4)HACCP(ハサップ)認証からの追及
今回の事件は、厚労省認定のHACCP(ハサップ)認証工場で発生した重大事案です。ハサップとは、入荷から出荷まで徹底した衛生管理をしている工場に与えられる称号です。 明治はハサップ違反から逃れるため、異臭事件の原因を酪農家や子どもたちの風味に関する敏感性に転嫁しました。HACCP(ハサップ)認証工場取り消しをすること。
(5)その他
厚労省として、真の原因を明らかにするため、以下の点を明らかにするため調査・検査を行うこと。
① 当該のCS(クーラーステーション)からは、他の会社にも原乳が供給されているが、他のところで発生していない理由を説明すること。
② 当日の異臭事件の壜2号ラインでは、38040本製造され、異味・異臭を感じたものは東京・埼玉で合計1900人程度です。製造物のなかの異味・異臭が、すべて汚染ではなく一部にとどまった理由を明らかにすること。
2. 内閣府と明治の共同研究、「脳の若返り効果」について、「根拠不十分」と内閣府が報告書で指摘した問題について
1)明治のホームページから「脳の若返り効果の可能性に道筋」を削除するよう指導すること。 国会で畑野君枝議員は4月3日、消費者問題に間する特別委員会で福井担当大臣に質問ました。 「論文」無しの研究成果発表に対し、専門家から根拠がないと抗議され、内閣府は、食品が脳に与える影響を、脳の健康管理指標を活用して評価するプロジェクト「BHQチャレンジ」を中止すると発表しました。そして、追加試験から内閣府は明治を排除しました。 このことに対し、畑野君江議員は4月3日、「共同研究は中止になっているにもかかわらず、未だに明治のホームページで「脳の若返り効果の可能性に道筋」と誤った情報を掲示していることは、消費者志向に良い影響を与えないと指摘しました。
この指摘に対し、福井大臣は「誠にその通りだと思う。早急に対応したい」と回答しました。ところが、明治は4月6日の午後1時になっても、その記事をホームページhttps://www.meiji.co.jp/corporate/pressrelease/2017/detail/20170118_01.htmから削除していません。監督官庁である厚労省として、明治を指導すること。
2)明治ホールディングスは消費者志向自主宣言事業者、消費者の権利を守らないので、指導すること
畑野君枝議員は4月3日、消費者志向自主宣言事業者が不祥事を起こした場合の対応を質問したところ、福井担当大臣は「法令違反、公序良俗違反は、消費者志向自主宣言のウェブページから削除すると回答しました。株式会社明治は、2000年以降、食品事故36件、死亡事故7件、賃金差別などの労働争議12件、昨年、中労委や東京地裁が明治に対し、和解解決を求めている明治乳業賃金差別争議の話し合い解決を拒否し係争中です。
監督官庁である厚労省として、ブラック企業・明治の異常企業体質を改善するよう指導すること。
以上