工場存続を求める市長に、激励の挨拶を送る明治乳業争議支援共闘会議 松本議長
明治乳業争議支援共闘会議・明治乳業争議団、根室市長ら(株)明治本社に「工場存続」求める要請を激励 3月8日
根室市長らが(株)明治本社に対し3月8日「撤回要請」がされる新聞報道を見て、継続している「座り込み行動」の位置づけで、緊急な取り組みとして市長らを激励する行動をつくりました。
あいにくの氷雨模様のなか、30名余の方々が参加され、老朽化を理由とした閉鎖でなく、酪農業と両輪で地域経済に寄与し明治自身も発展してきた歴史を灯し続けるためにも、根室に根ざした「設備投資」をすることを呼びかけました。
(株)明治根室工場閉鎖申入れを受け、根室市長はじめ、根室市議会議長、根室商工会議所会頭、道東あさひ農業協同組合代表理事組合長らが(株)明治本社へ、根室工場の「存続」に関する要請書を提出
【要請の要旨】
貴社におかれましては、昭和16年3月に根室牧場を取得されたことに始まり、昭和32年7月には厚床地区に根室工場を開設以降、77年もの長きにわたり、当市の重要な一次産業である酪農業を支えられ、その発展に多大な貢献をされているところであります。
また、昭和41年1月には、明治牧場を由来とする「明治町」が当市に誕生し、更には、明治のシンボルである「明治公園のサイロ」は、平成19年11月に「地域活性化に役立つ近代化産業遺産」として認定され、現在も多くの市民の憩いの場として愛されており、当市と深い係わりをもって、多岐にわたり地域貢献をされておりますことに対し、心より感謝申しあげます。
こうした中、先般、貴社根室工場より、生産ラインの集約化等により、平成32年6月をもって、工場を閉鎖する旨の報告があったところであります。
貴社根室工場の閉鎖決定は、長引く景気低迷の中、地域経済のみならず、地域活動などにも多大な影響を与え、特に酪農業においては、生産乳量の約4割を根室工場に受け入れていただいているなどから、非常に重要な役割を担っており、当市にとりまして工場閉鎖は、はかり知れない影響があるものと考えております。
つきましては、こうした実情をご賢察いただき『明治根室工場』の存続について再考いただきたく、特段のご高配を賜りますよう、何卒よろしくお願い申しあげます。
【根室市における酪農の現況】
1.生乳出荷戸数 82戸
2.乳牛飼養頭数 10,711頭(うち経産牛頭数 6,156頭)
3.草地面積 7,615ha
4.生乳生産量 48,070
受入先別乳量 明治乳業根室工場 18,122トン
雪印メグミルク別海工場 26,881トン
タカナシ乳業北海道工場 3,049トン
その他(6次化向け) 18トン
5.1日当り生乳集荷走行距離 900km(ミルクローリー4台)
6.1日当り生乳集荷所要時間 42時間
【根室工場廃止による影響】
1.根室市における酪農従事者は、担い手不足と高齢化により減少し、生乳生産基盤の維持に苦慮している状況であります。根室工場が位置する厚床地区は、根室市西部における酪農生産活動の拠点であり、生産者及び地域の生活基盤の衰退に繋がります。
2.当市における生乳集荷は、東西70㎞、南北10㎞の東西に長い根室半島においてミルクローリー4台で集荷しており、根室工場には1日平均49.6トンの生乳を搬入しております。根室工場の閉鎖により、近隣工場までの走行距離が延長され、集荷距離が1日当り225㎞、所要時間10時間30分増加し、農協・生乳生産者における集荷業務に対する負担が増加いたします。
3.根室工場は根室市の西境に位置し、冬期間の荒天時に市外部に出る国道が閉鎖時には、緊急的に生乳を受け入れていただき、生乳生産において非常に重要な役割を担っていただいておりますが、根室工場の廃止により、生乳廃棄の事態が発生することが懸念されます。
4.根室市の生産者は、根室工場で生産される練乳について、自分たちが生産した生乳が使われ製品化されている事に誇りを持っており、それに対する喪失感を被ることとなります。
以上4項目での申入れです。
雨の中、緊急呼びかけに駆けつけていただいた皆さん
明治乳業は酪農家とは切っても切れない歴史的関係にあります。生産拠点を別工場に移設することではなく、歴史の灯を継続するためには、地元根室市の要望をしっかり受け入れ存続のための「設備投資」を行うことを呼びかける、明治争議団小関団長。
明治乳業争議支援共闘会議・明治乳業争議団は、いま継続されています争議解決に向けた座り込み行動の中に、「工場存続」を求めることを明治に働きかけていきます。