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明治HD第13回株主総会に「事前質問書」提出し回答求めるも総会で「的を得た」回答ナシ

2022年07月11日 13時33分23秒 | お知らせ

明治HD第13回株主総会 (ザ・プリンスパークタワー東京) 6月29日

総会会場前で明治乳業争議支援共闘会議と争議団の宣伝行動を行いました

明治HDグループの発展を求めて「事前質問書」3つの課題で総務グループ長を通して提出しました(6月21日)。質問に対する「回答」を添付します。

【質問事項】

1.川村和夫社長に売り上げ激減、株価4割下落の経営責任を求めます

2.川村和夫社長に憲法と法令を遵守し社会的責任を果たすことを求めます

3.川村和夫社長に人権侵害と賃金差別の明治乳業争議の話合い解決を求めます

2022年6月29日

明治ホールディングス株式会社

 代表取締役社長   川村 和夫 様

 株式会社明治社長  松田 克也 様

第13回 明治ホールディングス株式会社株主総会に対する「事前質問書」

賛同株主 代表

                     株主 小関 守  株主 松下 秀孝  株主 桜井 隆夫

        株主 安藤 節子 株主 唐笠 治夫  株主 井村 隼啓

はじめに

 明治ホールディングス株式会社(以下、「明治HD」という)の第13回株主総会に対し、趣旨に賛同される株主の連名で質問書を提出します。

 昨年の第12回株主総会にも株主15人の連名で「事前質問書」を提出し、「経営方針、経営理念について」と「社会的責任が問われる不祥事について」質問しましたが、貴殿らは一切の回答を拒否する異常な対応に終始しました。株主が提起する質問に答えない姿勢は株主軽視であり、絶対に許されないことです。

 改めて、「事前質問書」に対する誠実な検討と回答を求めます。

【回答】

議長:川村社長

報告事項に関し株主様より事前質問書を1通いただいております。これは小関様他5名の株主様連名によるものであります。

尚、小関様からは従前、明治乳業賃金昇格差別撤廃争議団、団長の肩書きで事前質問書をいただいております。株主様からの質問書を拝見しますと先ほど明治乳業との労働争議に関して解決を求めることが含まれておりますが、これは本来、今総会と目的事項とは直接関係ありませんものの、今総会の質疑応答を円滑の進めるためその経緯と基本的な考え方についてご説明を申しあげます。

また、当社グループの女性活躍推進への取り組みにつきましてもこの場を借りてご説明させていただきます。尚、これらの説明対応は私を初めとする全取締役の一致した意見であることを申し添えます。それでは先ず、明治乳業との労働争議に関する事項につき塩崎取締役よりご説明申しあげます。

1. 川村和夫社長に売り上げ激減、株価4割下落の経営責任を求めます

1)2009年に明治乳業と明治製菓が「相乗効果」発揮と「海外展開」を目的に「経営統合」を行い、2020年度迄に売上高1兆5000億円、営業利益750億円の達成をビジョン・ゴール(数値目標)と公約しました。

公約として掲げた2020年度売り上げ目標(1兆5000億円)に届くどころか、川村和夫社長のもとで1兆円割れ寸前にまで落ち込んでいます。この結果についての責任の所在について明確な回答を求めます。

②「相乗効果」が発揮されない原因を明らかにし、責任の所在を明確にすると同時に、「相乗効果」発揮に向けた経営施策の説明を求めます。

2)2022年3月期決算は、売上高は1兆130億92百万(前期比15.0%減)、営業利益は929億22百万円(同12.4%減)、経常利益は939億85百万円(同14.7%減)となりました(添付資料)。

また、統合時に「世界的食品メーカーに飛躍」と公約しましたが、中国から粉ミルク事業はセシウム汚染牛乳問題で撤退するなど低迷し、海外売上高比率は明治HD全体で約7%。屋台骨の食品事業の海外売上高比率は5%に過ぎず、長期に亘って低迷しているのが実態です。

目標とした売上高「1兆5.000億円」に、13年も経過しながら遠く及ばない原因と、川村社長の経営責任の明確化について回答を求めます。

「海外売上高20%目標」を掲げながら、その達成に向けた企業戦略が見えてきません。長期に低迷している経営責任と海外戦略の明確化を求めます。

株価は2016年に10930円していたものが下がり続け、今日では6000円台にまで下落し、株主から怨嗟の声があがっています。川村和夫社長に、ステークホルダーへの株価低迷に関する説明責任を求めます。また、株価を4割も下落させた川村和夫社長の経営責任の明確化を求めます。

3) 明治乳業争議団に相次いで内部告発が寄せられています。昨年、寄せられた明治HDの体質を告発する文書の冒頭部分を紹介します。

「明治の本社で幹部社員として働くものですが、現ホールディングス、トップの川村氏のあまりにも独善的で専横的なやり方にグループ全体がおかしくなってきており、役員、社員もうんざりとし閉塞感が漂い将来に対して不安を感じている状況にあり総会にて株主、社員、OB等の人たちの理解、動きに繋がることを願う・・・。」の書き出しで、「川村氏の資質、性格に問題があるのです」等と踏み込んだ告発内容です。

なお、2022年6月から「改正公益通報者保護法」が施行されることを付記しておきます。

月刊誌「ZAITEN」の度重なる告発だけではなく、幹部社員からの内部告発は軽視できない深刻な問題ですが、川村和夫社長の認識と見解を問います

【回答】

▲川村和夫社長に売り上げ激減、株価4割下落の「経営責任」に対しての回答は一切「無視」し責任の所在を避けました。

2.川村和夫社長に憲法と法令を遵守し社会的責任を果たすことを求めます

1)明治HDと傘下の(株)明治は、マスコミ報道された主な食品事故(36件以上)、死亡事故(8件)、労働争議(11件)など、不祥事が絶えません。

その背景に、内部告発や月刊誌(ZAITENなど)で指摘されている院政問題があります。川村和夫社長は、中山悠名誉顧問が旧明治乳業の社長時代に社長秘書を経歴し、明治乳業労働組合委員長を歴任した後に社長に就任しました。 すなわち、社長選定の不透明感がぬぐえません。

川村和夫社長は、「サクセッションプランの導入を通じて、社長選定のプロセスを透明化します」(日経 2020年1月27日付け)と公約し、自ら不透明感を認めています。

社長選定プロセスの透明化について、その具体的内容の説明を求めます。

2) 金融庁の金融審議会の作業部会は、「女性管理職の比率や男女間の賃金格差等の指標の情報公開を、約4千社の上場企業に義務付けると明記した報告書案を了解した」(共同通信5月23日付け)と報じています。

明治HDでの女性社員差別は深刻です。明治HD社内取締役は5人全員が男性であり、(株)明治の社内取締役36人も全員男性などの実態に、「食品企業でありながら女性差別がひどい」の声があがっています。男性中心の経営体質についての認識と今後について回答を求めます。

政府・財界の指針として男女差別などの是正が提起されていますが、明治グループでの具体化に向けた川村和夫社長の施策について回答を求めます。

【回答】

取締役の塩崎でございます。

当社グループの女性活躍に関しまして現状及び推進への取り組みにつきましてご説明申しあげます。

企業がイノベーションを生み出し成長を続けていくためには様々な価値観の交流が必要であるとする、略称イーアンドの重要性は当社グループとしても充分に認識理解をしており、女性活躍はその中でも大きな要素であると加えております。当社グループでは、ほぼ全ての職場に女性社員が所属し様々な仕事で活躍をしております。ここ数年の社員採用数の3分の1以上が女性である。全社員に対する女性社員の比率は年々高まっております。

また、人事制度上に性別による差異は一切ございません。男女ともに仕事を通しての教育、研修の派遣を行い・・・当社グループでは、女性活躍に関する・・・

「質問に対する内容のない回答から、なっちゃいないね」

3.川村和夫社長に人権侵害と賃金差別の明治乳業争議の話合い解決を求めます

1)(株)明治の社員64人が訴えている明治乳業争議の到達点は明白です。中労委命令(2017年1月)は、「第6結論」の前に「第5付言」をおき、紛争の早期解決への判断を「殊に会社に対して」強く求めました。

会社の職制らが申立人らに対し「誹謗中傷と評価されるのもやむを得ない活動を行って」いたと認め、会社が職制らのこの「活動を抑制することはなかったという限度においては、非難を免れ得ない」と厳しく批判しています。また市川工場事件申立人及び全国事件申立人らと、その他の従業員との間に職分・賃金格差が「存在していたのは紛れもない事実である」と指摘し、「当事者双方の互譲による合意をもって紛争の全面解決を目指すべきことは自明の理である」と、解決への道筋を明確に示しているのです。

明治HDと㈱明治は、「『付言』に法的効力はない」等として争議団と同支援共闘会議などの要請書の受け取りを拒否し、頑なに門戸を閉ざしています。労働争議は最終的に労使が話し合って解決するものですが、会社は中央労働委員会が認定した「格差の存在」や「不当労働行為」までも無視し、差別・人権侵害の「やり得」を決め込むのでしょうか。長期労働争議の当事者企業として誠実な対応を強く求めます。

明治乳業事件と同様に、大企業で潮流間差別事件を闘った争議は多くあります。例えば、雪印乳業、石川播磨重工、東芝、日立製作所など等、他の大企業も同様の人権侵害・賃金差別争議を抱えていましたが、2000年代初頭頃までに労使の話し合いですべて解決しています。

労働争議は、会社が主張する労働委員会や裁判所の命令・判決だけでは解決しないのが歴史的事実です。長期化し人道上も放置が許されない争議の当事者企業として、経営判断すべき局面ではないでしょうか。

明治HD及び(株)明治には、「人権擁護」など国連グローバルコンパク

ト10原則の順守が求められています。また、ILOは、(株)明治が行っていたパワハラ・セクハラを禁止する国際条約を採択しました。

労働争議を解決しない(株)明治は世界から孤立しています。明治乳業争議の到達点に基づけば、中労委命令「付言」の内容が事件当事者双方とも受け入れ可能な第三者機関の判断と言えます。この立場を踏まえた、全面解決への決断を松田克也社長及び川村和男社長に求めます。

2) 現在、都労委の審査指揮の結果として残っている39事件(市川工場事件23件、全国事件16件)に関する調査が始まっています。

これまでの明治乳業事件は、「単年度審査」の枠組みによる認定・判断によって、年度を超えて拡大し累積する格差の実態や、長期に亘って継続する不当労働行為の全体像が正確に認定・判断されることなく、不当命令や不当判決を受けてきました。

私たちは残留事件の審査開始にあたり、「併合審査」を前提に「大量観察方式」による集団間比較にもとづいて、累積格差の実態と長期に続く人権侵害の不当労働行為を正確に認定・判断して頂くことを求めています。

会社は「審査の併合に関する意見書」の中で、「確定している司法判断の枠組みから外れるおれ・・・」との主張は、労働委員会などの努力・工夫で蓄積してきた本来の審査方法に立ち戻られることへの恐れではないでしょうか。また、「対象年度の数、当事者の数に鑑みれば・・・、全事件の併合は極めて困難」との主張は、「大量観察方式」によって克服されることであり、この審査方法を否定する主張と言わざるを得ないものです。

会社が「司法判断で確定」と主張している実態は、市川工場事件は2年分3件、全国事件は1年分1件だけの判断であり、長期間の累積格差や継続する不当労働行為の全体像が認定・判断されない結果です。

 会社が「不当労働行為も差別もない」と主張するのであれば、労働委員会の審査指揮である併合審査を受け入れ「大量観察方式」での審査促進を、経営陣から担当部署に指示すべきと考えますがどうでしょうか。

申立人らは「このままでは人生終えられない」の決意で都労委残留39事件の審査に取り組み、労働委員会に蓄積されている「潮流間差別事件」本来の審査方法に基づく認定・判断を求め頑張っています。

 しかし、申立人64人のうち、すでに20人が「無能力者」等の汚名を着せられ無念の思いを残し他界しています。重要なのは、人道上も放置が許されない異常な長期争議の早期全面解決です。今期株主総会を節目に川村和夫社長、松田克也社長の決断で、都労委の審査を待たずに話合い解決への道筋について誠実に検討されることを強く求めます。

【回答】

取締役の塩崎でございます

株主様がおっしゃっておられる明治乳業争議についてご説明申しあげます。明治乳業争議とは1985年に当時の市川工場従業員が昇給昇格差別の是正を申し立てた訴状と1994年に市川工場の訴訟に引き続き9つの工場の従業員が昇給昇格差別の是正を申し立てた同様の訴訟の2つのことであります。

先行して申し立てられた市川工場の訴訟は、2010年に最高裁判所が申立人等の上告を棄却不受理とする決定をし、不当労働行為の事実はないとした司法の判断が確定しております。また、引き続いて申し立てられた9つの工場の訴訟につきましても2020年には最高裁判所が上告を棄却不受理とする決定をし、不当労働行為の事実はないとした司法の判断が確定しております。申立人等の方々には司法の判断が確定した以上、これに従っていただきたいと考えております。

明治グループでは、社外に申し立てられた係争案件に関しましては、公正なる第三機関におきましては真摯に会社の主張立証を行った上で、その場判断を求めていくことを基本方針としております。こうした考え方に個別的労使関係の紛争に対処していくことは、株主の皆様を初めとして、ステークホルダー方々や明治グループの商品をご愛顧いただいているお客様にも充分ご理解をいただけるものと考えております。以上、ご説明申しあげました。

「第12回株主総会での回答をそのまま読み上げただけの回答で、解決するための提起に何ら応えない経営姿勢に唖然としました」

おわりに

1) 今期株主総会は、株価低迷の経営責任や経営に関する社内告発など、株主の疑問や不信に対する経営陣の誠実な対応が求められる総会です。

「質問を一点に限定」とか「発言者数の規制」など、株主の発言が過度に制限されることのない総会運営を予め強く求めておきます。

2) 上記、「事前質問書」に賛同されている株主は、下記の方々です。

岩崎 弘、 二瓶忠良、 酒井俊二、 矢口正明、 大井十九一

永瀬 登、 沖 和子、 根岸武雄、 高坂美之留斎藤勝一

以上

【総会会場質問】

40番の小関と申します。事前質問書を提出していましたが、最初に事前質問書に対する回答は全て部分的で不十分でした。株主と株主総会を軽視する・・・指摘しておきたいと思います。事前質問書の今期の株主総会の最大の問題は、業績低迷と株価下落という問題であります。川村社長の下でほぼ4割近い価値が目減りしているわけであります。最近の掲示板に沢山の声が寄せられています。例えば、経営者たるもの言い訳無用、株主総会でいさぎよく責任を取っていただきましょう。この種の書き込みが沢山あります。それ以外にも株主の皆さんにご紹介したいのは、明治の幹部社員と名乗る方から私どもに内部告発の文書が届きました。その中には、実質企業価値は半減、R-1好調以外は値上げ、費用カットと関連会社売却や閉鎖だけ、なにもヒット商品も新事業もなく全く成長していない。こういう社内からの告発がでる事態であります。健全なる企業活動とは程遠い状況ではないでしょうか。

私、こういう企業体質というのは、第三者機関がこの異常な長期争議の問題、解決したらどうかと何度提起しても一切聞き入れようとはせず、37年続くこの異常な争議を不当労働行為のやり得や差別を決め込んでいる、極めて閉鎖的な企業体質と一体なものです。

そこで質問です。

一点目は、川村社長長期につづく業績不振や株価低迷に株主から怨嗟の声が上がりやみません。このことに社長としてどのような責任の取り方をお考えなのかお答えいただきたい。

【回答】

取締役の塩崎でございます。

明治HDの株価低迷につきましてどのように捉えているのかということについてお答え申しあげます。

急成長しておりました私ども景気推移が横ばい傾向になるなどで、当社の株価は2017年度以降概ね7千円から8千円前後で推移してまいりましたが、足下では7千円を下回る水準まで低下をいたしております。

・・・以下、なにやら業績を向上させていく程度の内容をのべているだけで、何も「回答」になっていません。

もう一つは、労働争議の問題です。労働争議は第三者機関だけの結果だけで終わらないのが争議の歴史であります。だからこそこの明治事件に対しても労働委員会や司法の場で何度となくもう解決すべきだと提起があるわけです。特に、この事件には中央労働委員会の審査の中で集団間の格差の存在を紛れもない事実だ。こう言っているのです。不当労働行為についても会社は非難を免れ得ない。こう断じているのです。それでも応じようとしない。そこは許されないのではないでしょうか。この経営責任について明確なお答えをお願いします。以上です。

【回答】

取締役の塩崎でございます。

労働争議についてご回答申しあげます。労働争議に関しましては、先ほどの一括回答の中でご回答申しあげた通りでございます。以上ご回答申しあげました。

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