明治に食の安全守らせ、差別争議の早期解決求め争議団ら「院内決起集会」
明治乳業争議団と同支援共闘会議は7月19日、衆院第2議員会館で、㈱明治による学校給食用牛乳の異臭事件など一連の不祥事の真相を究明し、長期におよぶ争議の早期解決をめざす「院内決起集会」を開きました。
明治は、異臭事件の他にも高カカオチョコレートの効能偽装や、「R-1ヨーグルト」のステマ疑惑などが連続して発生し国会衆参両院で追及され、メディアでも数誌に批判されています。一方、労働組合活動を理由とする賃金・昇格差別事件は34年目となっており、人道上からも早期解決が求められています。
集会には74団体・146人が参加。
主催者あいさつで支援共闘会議の松本悟議長
「中労委、東京地裁が和解を勧告するなど、会社は追い詰められている」と指摘。争議勝利のために力を合せましょうと呼びかけました。
日本共産党の山添拓参議院議員
消費者問題特別委員会で明治の学校牛乳異臭問題を取り上げて質問。子どもたちの命や健康に対して問題を指摘したにも無視をし、むしろ子どもさんの味覚の問題にすり替え、あるいは酪農家の責任に転嫁し責任逃れをするとんでもない話しです。質問の中で保健所の回答としては「原因が特定されていない」と答弁で明らかになりました。にもかかわらず明治は自らに責任はないものと早々に言い切って責任転嫁姿勢を続けている問題は放置できないと厳しく指摘。
一言で云って非常にずるがしこい会社だと思いました。このような会社が労働者に対して不当な扱いを続けて今も解決に背を向け続けているという問題です。
R-1ヨーグルト問題も最後に少しだけ取り上げて、議員の皆さんは知りませんみんな騙されていたと声を上げていました。消費者問題特別委員会の委員長である三原じゅん子さんも知らなかったわといって騙されていたのだわとの感想をお持ちになったようでした。「明治という会社は利益さえ上がれば何をやってもよいということが顕著に表れている」と訴え、33年にわたる争議、人権否定にたいする怒りを共有したいと述べました。
【日本共産党の畑野君枝衆議院議員からはメッセージが寄せられました】
皆さんから寄せられた声をもとに、4月3日、衆議院の消費者問題特別委員会で、(株)明治による「高カカオチョコレート」問題を取り上げました。「脳が若返り効果の可能性」があると発表された明治と内閣府との共同研究が、専門家から検証不十分と指摘され中止になった問題です。
消費者庁は、(株)明治の親会社、明治ホールディングス株式会社を、「消費者志向自主宣言事業者」としてホームページに掲載しています。消費者庁が推進する「消費者志向経営」とは、「消費者の権利確保や利益向上を経営の中心と位置づける」「消費者の安全確保や必要な情報提供を通じ消費者の信頼を獲得する」などの経営です。
私は消費者特別委員会で、「誤った情報を広げ、科学的に立証されていない研究を自社商品の売り上げ促進に利用してよいのか」「消費者志向経営の推進にもよい影響を与えない。なんらかの対策が必要」と追及しました。福井照大臣は、「誠にその通り。ご指摘の点を踏まえ早急に対応したい」と答弁し、その後、(株)明治は、ホームページ上の研究に関する記述を「非表示」としました。
消費者庁の「消費者志向経営」の3点目には、「自らの社会的責任を自覚して事業活動を行うこと」とあり、明治ホールディングス株式会社も、これに基づいて自主宣言をしています。
(株)明治にも、消費者の権利確保なぢに向けた経営に取り組み、争議の早期解決をはじめ労働者の権利を守る社会的責任を果たすことが求められています。力を合わせて頑張りましょう。
金井克仁弁護団事務局長
争議の「到達点と現状を報告。」を詳しく話され、7月5日第7回口頭弁論期日で、「すでに結審11月29日に判決となった。いまが正念場。もう一度、和解の席をつくろう」と強調しました。
新宿区の沢田あゆみ区議(日本共産党)
学乳異味・異臭事件で大きな被害にあった新宿区、「区議会として社長名での回答を求めたが最後まで出されなかった。企業体質として大きな問題」と指摘。明治は「異味・異臭」と捉えず「風味」として子どもたち、生産者の責任を最後まで押し通した。教育委員会の「教育子ども家庭委員会」の各会派から、明治は信用できないとの声が上がり、最終的には「コーシン乳業千葉工場」になり子どもたちも安心して飲めるねとなりました。 労働者を大事にしない企業と云うのは消費者や子どもたちの命とか健康とか安全とかをないがしろにするのだなと非常に感じさせる事件でした。争議解決がなければ国民消費者も守れないと話しました。
田中幾太郎ノンフィクションライター 取材体験を報告
明治の一連の不祥事を掲載した経済誌「ZAITEN」(ザイテン)
今回の学乳問題でも、11年の放射能物質のセシウムが混入もあったけれども、明治は今回も一緒でしたノラリクラリとした対応で、問題を明確にしないまま来ている。合わせてメディア側の積極的に取り上げない問題、姿勢があると思います。追求しきれない、何故そうなるのかと云うと明治の金をバラまいてきたテレビも新聞もそうでしょう、企業が大きな金づるとして社会的問題にできない。これら背景として明治の企業姿勢があると指摘をしました。
連帯あいさつ
野村幸裕;全労連副議長
「明治の差別は断じて許せない。ある文章を紹介します。「私たちは、従業員の多様性や人格・個性を尊重するとともに、安全で働きやすい職場環境を整備し、コミュニケーションを重視した創造的で活力ある組織づくりに努めます。」これは、明治乳業の企業行動憲章の中の従業員とともにの項です。全く違っているではないですか、多様性を全く認めていない。なぜ賃金で差別をするのですか。このようなウソを平気で書くような企業は社会的に追求されなければいけない。オリンピックでどうこうの云っているようですが、その前にこのことを実現できない企業は、企業として深く反省し一刻も早くこの争議を解決すべきだと強く申しあげ社会的に包囲し争議解決させましょう」と激励。
荻原淳;東京地評議長
明治乳業資本の労働組合敵視、組合員差別は異常な長期にわたりその実態は凄まじいものです。労働者の利益を守り消費者の安全・安心を追及してたたかう活動家への差別、弾圧は到底許すわけにはいきません。不当労働行為、差別と長いたたかいの中で、労働委員会や裁判所で和解の勧告も一切拒否しました。まさに異常極まる体質をもった企業と云わざるをえません。労働者の人権を守れないことは、消費者の安全・安心をも守ることはできない。そのことは、先ほどからの学校給食牛乳や高カカオチョコ問題などからも明白であることを指摘しておきます。労働組合・労働者の権利を守り全ての争議解決に東京地評全力挙げて頑張りますと激励。
柴田真佐子;日本婦人団体連合会会長(婦団連)
女性団体として、食の安心・安全を守る子どもたちの安全と未来を守る立場で明治乳業争議団を支援してきました。2011年3月11日東日本大震災、福島東電原発事故の後に学校給食牛乳、乳幼児粉ミルクからセシウムが検出された。明治は基準値以下を理由に安全性を強調し汚染原因の解明や独自検査など行わなかった。
婦団連は子どもたちの健康や未来に対して要請を日本乳業協会に要請し、話しを聞いてくれましたが、明治は、消費者である私たちとの要請も面談も拒否した。本当にひどい会社だと思います。
中労委に対して2016年に各女性団体と一緒に、長期になっている争議の救済を求めて要請もしてきました。要請を受けられた女性の担当者は涙ぐんで話しを聞いてくれました。命令、付言を通して解決を求め、また、裁判所も和解勧告までしたにも関わらず明治は拒否、その態度は許せないです。
学校給食牛乳問題で明治のホームページを見ましたが、問題をすり替えている。私も学校にいましたけれども、子どもたちが飲んでこれは変だ、おかしいと言ったらそれは風味じゃないのです。風味にすり替えて子どもの感覚や酪農家の責任に転嫁し、とんでもない会社だと思います。東京オリ・パラに明治の製品を調達する契約を求めているようですが、労働事件を解決しない、食の安全・安心も守れない明治は許せない。婦人団体として微力であるけれども解決まで支援してまいります。
笹渡義夫;農民運動全国連合会会長(農民連)
食品企業は多くの方が言われたとおり、安心・安全が命です。安心・安全が保障される企業それが求められる。それを阻害する要素は決してあってはならない。私たちはその立場から儲け本位で労働者の権利を侵害する。あるいは労働者を差別するこんなことが食品企業として絶対にあってはならない。このような立場から連帯していきたい。
明治乳業争議団との関わりは、いまは余り使われない労農同盟です。2007年から2008年、飼料価格が高騰し経営を苦しめた時期、明乳争議団の皆さんと乳業メーカー、農林水産省に対して乳価を守らずして、酪農家を守らずして日本の乳業メーカーも消費者が牛乳を食することができないではないかと要求しました。明治乳業は経営が苦しいので乳価をあげることはできないと繰り返し云っていました。争議団は経営状況のデーターを私たちに提供し、こんなに儲かっているなら1㎏あたり5円でも10円でも上げられるではないかと私たちは追及しました。農水省は、乳価は生産者とメーカーの交渉で決まるから政府介入はできないと云った。それに対し明乳争議団は、当時の福田総理大臣が財界に対し賃上げを要求したではないか。労使交渉で決まるはずの賃金交渉に政府が介入した時期があったと。何で乳価だけがそれはないのかと云って、その直後に農水省は、乳業メーカーと消費者団体を集めて協議会を立ち上げて生産者乳価を3円以上あげるという成果を私たちは勝ちとったのです。明乳争議団の人たちはどんなに素晴らしいことをやってきたか。この人たちなくして酪農民の経営も守れないと言っても過言ではない。
学乳問題が飛び込んできて、ガソリン臭がするなどするはずがないと驚きました。そんなことあるはずがない。O157事件以来、とりわけ生産現場では厳重な生産管理が行われています。搾った牛乳は出荷前には全て検査され、選び抜かれた牛乳もこれまた検査、検査、検査の連続で基準に外れたものは全部出荷が外される。そうゆう構図の中でガソリンの臭いがするはずがない。明乳争議団の皆さんと生産現場に行って色々なことがわかりました。その一つ、牛の生理機能上エサによって風味の多少の変化はありうるが、ガソリンや灯油の臭いがすることは絶対にあり得ない。もう一つは、茨城県西クーラーステーションから戸田工場には一滴もいっていない。ここの組合委員長が証言しました。もう一つ、明治は生産者を指導する教育すると繰り返し言っています。当該組合長及び理事にこの間聞いてきました。明治から唯の一回も衛生管理や技術問題での指導は一度も入っていない。衛生対策を酪農団体の役員会で一度も協議したこともない。
だいたい明治でこのような問題が起きていることすら誰一人知らない。と言うことは、その場しのぎのウソ八百ですよ。こんなことをやっているのが日本最大の乳業メーカー。オリンピックの何じゃらかんじゃら聞いて呆れると言うことではないでしょうか。
最近自動車会社やいろんな会社が、テレビの前にずらーっと会長以下頭を下げること見飽きる程見てきましたけど、明乳の謝罪の会見は一度もない。謝罪するところか開き直っているではないですか。こんな企業に私たちは安心して原乳を任せる訳にはいかないと強く思います。酪農家は危機に瀕しています。2000年3万3千600戸、18年経った今年の戸数は、1万5千700戸です。半分以下になりました。TPP11安倍内閣は国会で可決しました。7月にはEPAで調印しました。これによって日本の酪農は直撃されます。私たちは、安心で美味しい牛乳を消費者に届けて、やっぱり牛乳と乳製品は国内のものに限ると思って努力しているときに、泥靴で明治がやってくれたこの罪は本当に万死に値すると言っても過言ではないと思います。
これからも争議団の皆さんとしっかり連帯しながら明治乳業に対して、真相究明せよ、企業体質を改めよ、もの言う労働者の差別を是正して争議を1日も早く解決しろと皆さんと一緒に頑張っていきます。
清田均;JAL乗員争議団事務局長
明治とJALは共通点があります。もの言う労働組合、労働者を敵視し差別するそういった企業体質です。明治は昇給昇格差別、JALは首切り解雇です。解雇から7年半、いま労働組合を介して4点の統一要求をもって解決への話合いが進められてきています。今年の株主総会に山口団長が発言指名され、早期に争議を解決して全社一丸となって安全運行邁進できる日本航空になってほしいと切にお願いしたいと発言。植木社長自らが、1200名の株主を前に清新誠意組合とも話しいきたいと公言しています。この発言に基づいて速やかに解決できるように当該労組、具体的実質的な交渉を進め全力で協議を進めているところなど報告と解決への決意が述べられました。
など各界代表から励ましの挨拶がありました。
小関守;争議団団長
「明治は東京五輪と食材調達で契約を結び提供者になろうとしているが、その前に争議を解決するべき」と厳しく批判し、奪われた人権を取り戻すため解決への道を切り開くと決意を述べました。