2018年 支援共闘会議第21回総会&「争議団旗びらき」開催
1月26日、第21回明治乳業争議支援共闘会議「総会」を開催し、一年間の運動の確認と解決に向けた運動方針と役員体制を確立しました。中労委命令不当労働行為の事実認定、昭和40年代から昭和50年代に市川事件、本件全国事件申立人らと他集団との間に職分格差(帰結として賃金格差)が存在していたことは紛れもない事実と判断したことに確信をもってたたかいを推し進めることと、累積格差として97万円の格差が存在している事実を、労組法27条2項を判断した主文「棄却」の論理的判断の誤りを、東京地裁行政訴訟でしっかり解き明かすことに全力をつくし勝利判決を切り開くことをめざす。
また、会社明治の3つの異常(①労働争議が絶えない②不祥事・不正が絶えない③死亡事故7名発生)を抱える経営の下で、学校牛乳異臭問題の原因未解決(新宿区、板橋区)や高カカオを食べると「脳が若返る」という誇大広告問題(内閣府で再検証中=中間報告は誤りであった)等などを社会的に広く告発し包囲していく運動を確認しました。
総会で確認された方針の中で、争議解決に向けた新春「旗びらき」で更に意思統一を図りました。参加者の心を一つに盛り上げていただきました千葉県うたごえ協議会・プリマベラ合唱団の皆さんのご協力をいただきました。
主催者を代表した支援共闘会議・松本議長挨拶
明治乳業争議団の旗開きにお集まりのみなさん、お忙しい中、ありがとうございます。今年は、明治乳業争議を解決させる年です。
旗開きの前段に、第21回明治乳業争議支援共闘会議で金井弁護士より、東京高裁が有意な格差を認定して以来、明治を追い詰めているとの報告がありました。まさに、ブラック企業・明治は世論で包囲され、東京地裁の裁判でも追い詰められています。
今年の運動方針は2つです。ひとつは、東京地裁で累積格差の一括是正の判決を勝ち取ること。もう一つは世論で追い詰め、話し合いで解決することです。
小関団長を先頭に34年にわたる不屈のたたかいと弁護団、支援共闘らの奮闘で、昨年は潮目を変えました。
ひとつは、中労委で事実上の勝利命令、格差も差別も認め、「付言」で会社に和解を求めました。もう一つは、東京地裁で裁判長が和解勧告をしました。しかし、いずれも明治は不当にも拒否し、争議は継続しています。
他の大企業が同様の争議を話し合いで解決しているにもかかわらず、明治は要請書の受け取りを拒否、話し合いも拒否してきました。不当労働行為のやり得でブラック企業になり、食品事故36件、死亡事故7件、労働争議12件を引き起こしています。
昨年の9月には、学校給食牛乳1900人異臭事件を起こしましたが、異臭を風味にすり替え、酪農家に原因を転嫁し、被害を受けた新宿区や板橋区はいまだに納得せず、原因究明を求めています。
また、高カカオチョコを食べると「脳の若返りに効果」と発表し、専門家らが抗議し、共同研究した内閣府が再検証に追いこまれました。担当参事官は、左遷させられました。
さらに、明治HDは薬害エイズの被告企業であり、110日にもわたる業務停止処分を受け、倒産寸前の化血研を子会社にし、顰蹙をかっています。
このような明治が東京オリンピックのオフィシャルパートナーになり、選手らに食材提供の申請をしています。食の安全、社員の安全を守らない企業は、食材調達基準違反です。私たちは、東京オリンピック組織委員会を訪れ、食材調達基準違反を直訴し、回答を求めました。
労働争議を解決しない企業は疲弊するとのジンクスがあります。明治乳業と明治製菓は2009年に統合しました。統合目的は、相乗効果の発揮と、世界に挑戦です。2020年に売上1.5兆円にするとの計画は破たんしています。また、世界に挑戦も食品部門の海外売上比率は4%で低迷し、中国から粉ミルク事業撤退など、失敗しています。当然、現在の株価もい低迷です。
明治が、争議団の要請書の受け取りも、話し合いも拒否、中労委の和解提案も拒否、裁判所の和解勧告も拒否するのは、弱さの現れです。
明治HDの未来は、この争議を解決し、食の安全と社員の人権を守る、まっとうな企業になる以外にありません。
七転び八起き、みなさんとご一緒に今年こそ、勝利を勝ち取りましょう。
ありがとうございました。
【来賓者のご紹介】
全労連常任幹事・中野さん
旗びらきおめでとうございます。
明治乳業争議団、そして家族のみなさんの長年にわたる奮闘に敬意を表します。
あわせて、争議団を支え励まし共に運動をつくってきた支援の仲間のみなさんにも敬意を表します。
明治乳業争議をはじめ、争議総行動や司法総行動など争議をたたかっている仲間の先頭に立ち運動をつくっている明治乳業争議団のみなさんの背中を見て「不撓不屈」の言葉の意味を教えてもらっています。
2020年の東京オリンピックも目前となりました。明治乳業はそのオフィシャルパートナーとなっています。オフィシャルパートナーには厳しい基準があります。食の安全・事故を起こしている、労働争議も解決しようとしない、そんな明治乳業にオフィシャルパートナーの資格はありません。わたしたちの力で明治乳業を包囲し争議の解決をおこなってオフィシャルパートナーにふさわしい企業に変えていきましょう。その運動をともにつくる決意をのべて挨拶にかえさせていただきます。ともにがんばりましょう。
東京地評常任幹事・久保さん
明乳争議団・明乳支援共闘会議の仲間の皆さん、ご参加の皆さん新年おめでとうございます。
春闘の闘いもいよいよ本格化しています。今年は、せめぎ合いの年となりそうです。安倍内閣は、9条改憲を虎視眈々と狙い、年頭所感では「改憲に向けた実行の1年にする」、国会開会日の施政方針では「改憲にむけて大いに議論を」と、前段で開かれた自民党両院議員総会では「いよいよ実現する時が来た」と言い放しました。
東京地評は、一つは、安倍9条改憲阻止。二つに、安倍首相は今国会の目玉に「働き方改革」を挙げています。内容は、ご存知のように、「労働時間規制」は過去労使ラインをこえ、「高度プロフェッショナル制」で残業代なし、「同一労働同一賃金」と言っても、雇用形態が違えば賃金格差は当たり前、法案に同一労働同一賃金の文言はいっさいない。多様な働き方と言いつつ、「雇用によらない働き方」を作り出し「あなたは労働者ではありません」と切り捨てる。これを「働き方改革推進一括法案」で押し通すということです。絶対に許せません。三つ目は、ワーキングプアも1100万人を超えています。大企業の横暴勝手を許さず、賃金の引き上げ、賃金の底上げを勝ちとるということです。
さて、明乳の闘いも正念場を迎えています。昨年は、中労委が、「差別はあった」ことを認定しました。画期的なことです。差別があったのなら、勝たせてほしい。今、命令取り消しの行政訴訟もしていますが、本日、この看板にも書かれていますが、「潮目の変化」力に解決にまったなし。何としても、明乳を話し合いのテーブルにつかせましょう。みんなで力をつくしましょう。
東京地評、全労連そうですが、今年も争議支援総行動等も実施します。すべての争議の早期全面解決目指して、皆さんとご一緒に頑張る決意です。共にがんばりましょう。
明治乳業争議団弁護団・菊池弁護士
いま、解決へ向け、決戦のとき!「会社に対し大局的な見地に立った判断を」求める1年前の中労委命令は、不当労働行為の成否を人事考課差別に限定し、申し立てを棄却する不当なものでしたが、他方で職分・賃金の累積格差を認め、過去のこととしてではあれ不当労働行為を肯定しました。これは昭和60年の市川工場事件救済申し立て以来はじめての画期的なことでした。命令はこの格差と不当労働行為をふまえて、異例の付言で「長期化し、深刻化した紛争を早期に解決することが当事者双方に強く求められるところであるが、‥‥当事者双方の互譲による合意をもって紛争の全面解決を目指すべきことは自明の理である。殊に会社に対して、より大局的見地に立った判断が強く期待される」としました。
これをふまえて争議団と共闘会議は、不当命令取消の裁判を提訴するとともに和解による早期解決を求める態度を明らかにし、裁判所も「付言」に応え、会社に強く和解を勧告しました。これを拒否する会社に対し裁判所は改めて「裁判所としては案も考えないでないが、検討することはできないか」と再考を求めましたが、会社代理人は即座にこれも拒む異例の対応をしました。
大企業・賃金差別争議の解決は、1980年代以降この国の多くの大企業で職分賃金差別の争議がくり返されましたが、いずれも裁判所や労働委員会の関与の下で全面解決を見てきました。ところがただ一つ残った明治のみは、市川工場事件での中労委の和解勧告と東京高裁のくりかえしての和解勧告、全国事件の中労委の強い和解勧告、さらには今回の東京地裁の踏み込んだ和解勧告をいずれも即座に拒む異例の対応を重ねています。大企業差別争議の一連の解決に学ぼうとしない暴挙というべきです。
いま解決へ向け決戦の時です。会社による和解拒否という新しい段階で、争議団と共闘会議はしっかりした主張と立証で、必ず勝訴判決を手にして、早期に全面解決を実現する決意です。
かつて都労委で、和田公益委員が命令を書くといってからしばしの間は、争議解決に近づいたことを実感しました。しかしこのときは会社側の異常な巻き返しを許し、解決へ結びつけることはできませんでした。今年こそ、司法の場で争議解決へ向け、弁護団としての決意とします。
日本共産党新宿区区議会議員・阿部議員
株式会社明治・戸田工場で昨年9月22日製造の学校給食牛乳が新宿「区・板橋区内の学校に25日配られたものから、1900人に及ぶ児童・職員の中から、塩素やガソリンやカルキ臭などの「異味・異臭」の訴えに対して、明治は「風味」と言い換えて、原因は酪農家の飼育環境(エサ、温度、湿度)で風味が変化したものと考えられ、また、子どもたちは味に関して敏感であることからによるものと断じている事件です。
教育委員会の「文教子ども家庭委員会」に、教育委員会が明治に原因の究明を求めた回答からは、原因の疑惑に答える内容は一つもなく、同じ回答を繰り返すことが続いておりまったく不誠実な明治の姿勢です。このことからも昨年の9月に起きたこの事件は未だに解決していません。このままだと食の安全は担保できないと思っています。これから都の入札が行われますが、新宿として明治の安全性に関しての問題を明らかにしていきたいと考えています。
ご参加の皆様方から多数連帯と激励をいただきました。
日本共産党千葉県委員会常任委員・武石さん
日本共産党本部として明乳争議団からの支援要請に、「全力を尽くします」と約束し、その後、国会議員団が政府交渉の窓口の役割を果たしてきました。
争議団と連帯してたたかうこと、同時に、そのたたかいから勇気づけられ確信を深めている点が2点ある。第1は、勝つまで諦めないこと。このことが、舞台にもかけられている横看板―「潮目が変わった・・・」情勢に結びつけていること。第2は共同の力。争議団のたたかいは、ナショナルセンターの違いを乗り越えて共同してたたかい、前進を切り開いている。これは、市民と野党の共闘が安倍政治の暴走をストップさせる新しい時代の先駆けとも言うべき先駆的ことだ。日本共産党も市民と野党の共闘の発展に力を尽くし、希望の党と民進党の共闘を分断するという逆流を跳ね返すために、身を挺して共闘を優先して総選挙をたたかい、立憲野党の前進に貢献できた。今度は、共産党をはじめすべての野党が前進し、共闘を発展させる決意だ。次期参院選挙では、比例7議席で千葉出身の椎名寿幸さん、千葉選挙区では今度こそ浅野史子さんを国会に送り出したい。総選挙で失った斉藤和子さんの千葉県の議席を倍返しで取り返したい。
最後に、連帯の思いと決意を述べて挨拶とさせていただきます。
その他お名前だけご紹介します。
元都労委労働者委員・戸塚さん、江東区労連・清水事務局長、日本民主文学作家・山形さん、北区労連常幹・野中さん、明乳争議支援千葉県共闘会議・高橋議長、音楽ユニオン・安並さん、日本国民救援会大崎事件首都圏の会・松木さん、公務公共一般労組・福家さん、
争議団からお礼と決意・小関団長
「潮目の変化」力に 解決にまったなし、この位置づけを運動の力として2018年司法の場と明治を社会的にあらゆる運動で包囲し、解決の道筋を必ず切り開き解決をめざす決意を示し、更なるご支援をお願いさせて頂きました。
閉会挨拶に江東区労連(全労連地域労組こうとう)川村さん
最後に、明治乳業争議団歌「星霜」を合唱しました