第58次座り込みは12月14日、2020年最後の締めくくり行動になりました。
この一年間、新型コロナウイルス感染拡大による「非常事態宣言」が発出され4月と5月は自粛を余儀なくされました。「うつらない うつさない」を合い言葉に慎重極め、支援者の皆さんの激励に支えられ、第49次から58次までの12日間、11時間20分、延べ177団体・382名の参加で、株式会社明治・松田克也社長と明治HD・川村和夫社長に対し、中労委命令の不当労働行為の事実認定と付言を特記して、職分間差別(帰結して賃金格差)は紛れもない事実。誹謗中傷に対する非難は免れ得ない。と過去の事実関係を明確に争議の解決の道筋を示した立場で、話し合い解決を一貫して求める行動を継続しました。
京橋エドグランビル
主催者挨拶 支援共闘会議 松本議長
この差別争議の本質は、会社が、当時明治乳業が利益第一、利潤第一の経営のその障害になることで、食の安全、働く者の権利を守れと主張する労働組合が邪魔になり、それを潰すために徹底したアカ差別をおこない、ありとあらゆる人権侵害、賃金差別、賃金差別されて多い人で年収200万円も差別された。このような不当労働行為事件です。
事件については、すでに労働委員会や裁判所で事実関係は確定しています。中労委では、差別も人権侵害も認め、会社に話し合いの解決を求めました。東京高裁の定塚裁判長は、この争議が長期にわたっていることを踏まえ、双方リセットし、そして会社にこの争議が影を落としている。このことを指摘した上で、職権和解、話し合いで解決をしなさい。このことを云いました。株式会社明治も明治HDは高等裁判所の裁判長のこの言葉からも封じました。そして長期争議になっています。
いま世界は、パワハラやセクハラこれは犯罪です。そして人権を守ること、差別をしないこと、これらは世界の標準です。明治もそのことを内外に約束をしています。しかし、やっていることと云っていることとは違うことです。
争議を解決しない企業は疲弊するというジンクス通り、2点申しあげます。
一つは、株価操作疑惑の疑いです。今年の8月明治の株が前日に640円の8990円高値を記録しました。この日何があったのでしょうか、大阪の維新が吉村知事と松井市長がテレビでもって、コロナ対策はうがい薬で効果がある。全国の店頭からうがい薬が消える事件が起きました。しかし、全く科学的根拠のないものを記者会見したと云うことが明らかになりました。このことによって誰が得をしたのでしょうか。不正により株価を急騰させることはインサイダー取引詐欺です。この記者会見を承知していたのは、維新の幹部と明治HD製造会社の幹部だけです。この行為によって幹部がたんまり儲けたことであります。
皆さん、私たちはこのような不正は許しません。
二つ目の問題は、皆さん方もご存じの通り、水虫の薬を飲んで多くの人たちが意識障害を起こし死亡する事件が起きた。このことをメディア報道でご存じだと思います。
皆さん、ことの発端というのは小林化工という小さな薬品工場、ここで作っているゼネリック商品・水虫薬、小さな工場では売れないと云うことで、それを一手に引き受けて日本全国で販売していた会社が明治です。テレビを見てご存じの方もいらっしゃると思いますが、当初この商品がテレビで放送されたとき明治の名前は消えていました。ところが批判が起き、その後の会見で明治の名前が出てきました。すなわち、造っていたのは小林化工、販売していたのは明治HDだと言うことが明らかになりました。
睡眠薬入りの水虫薬を飲んだために、今日までに意識を失った方133件、入院された方34件、交通事故起こした方16件、死亡した方1件と大問題になっています。
絶対にあってはならない事件です。皆さん、この薬に対し明治が絡んでいるにもかかわらず、当初の会見で明治の商標を隠しとんでもない隠ぺいです。
皆さん、私たちは厚労省や警察に対し捜査を求めたいと思います。皆さん、明治は人権侵害、差別を解決しないその中で消費者の皆さんに死亡事故まで起こしているとんでもない会社と云うことです。
私たちは、この会社の歴史的を告発してきました。2000年以降明治が起こした食品事故36件、死亡事故7件、労働争議12件これらを起こしている会社が明治HDと株式会社明治です。
消費者の皆さん、私たちはこの企業が消費者の皆さんの食の安全、薬の安全を守り、働く者の人権を守るまで、消費者の皆さんに明治の商品に対する不買を呼びかけます。明治のおいしい牛乳、明治のチョコレート、明治のヨーグルト、こういう悪質な事件を繰り返さないためにも、この会社が改めるまで協力していただきたい。このことを最後に申しあげまして訴えとさせていただきます。
連帯挨拶と歌 北川さん
ここに座り込んでいる明治乳業の皆さん、私はまだ3回くらいしかきたことがなくて、この闘いは以前から知ってはいましたが詳しくはする事はなかったのです。でも先輩の方々から、この明治乳業の方々が会社からひどい仕打ちを受けて、組合運動を通してひどい差別を受けていることを知り強い怒りを覚えました。そして歌を作りました。
歌が入りました ♪ ♩ ♫ その闘いは、半世紀「勇気ある人々がいる限り」♪
本当に明治乳業の製品が安心して皆さんの口元に届くことを願って、労働組合のみなさんがたたかっているのです。そうゆういまの明治乳業がおかしいのです。本来なら働く者の権利を守って、中労委の云うことを聞いて全面解決すべきです。そうゆうことをしないとするならば、私たちは明治乳業の物を買いません。そして周りのママ友やお友たちにも云っていきます。本当に会社は誠意ある態度を示してほしい。
ありがとうございました。
連帯挨拶 市川・浦安労連 田中議長
皆さん、明治乳業の市川工場は市川市の教材にもなる素晴らしい工場でした。明治乳業の争議を潰すために工場を潰してしまう、とんでもない会社です。私たちは連帯して色々なことをしてきました。私は教員出身です。教育の中の教研集会、その中にも明治乳業争議団の皆さんと連帯して学習講座も行ってきました。
我が家に、R-1を持って宣伝に来た人がいました。なんとこの会社がどのような会社かわからないその人に、どんどんそれぞれ個別で販売を置き売りするとこういう会社です。誇りを持っている、争議を解決する事がこの人たちにも重要な意義をもっていると思います。
いま、労働組合が重要な役割を持っていると思います。コロナで解雇されるなど苦しんでいる人たちがいます。東京医科歯科大の病院でボーナスがカットされる、このことに対して労働組合は、労働組合に入って一緒に行動しましょう、このことによって、ボーナスゼロを打ち返した。そうゆう状況がきています。いまこそ労働組合が頑張る時です。そして我々と共に、市民の皆さん一緒になって明治乳業争議団の解決めざしていこうではありませんか。
いまチラシをお配りしています。ぜひ読んでいただいて一緒に行動を起こしましょう。不買運動を行っています。美味しいチョコレートが食べられない、牛乳が飲めない。明治乳業のこのような事を解決して、喜んで、美味しい物を食べるそうゆう行動を一緒に作っていきましょう。コロナの問題も大変ですが、早期の解決めざして共に頑張りたいと思います。宜しくお願いいたします。
連帯挨拶 食品一般ユニオン 斉藤副委員長
ユニオン結成から10年経ちました。この間の活動は、明治乳業争議解決への共同行動です。解決の手段としてILO国際労働機関に対して提訴を行いました。まだ正式な受理の連絡はありませんが、事務局からは解決のためのサポートをするという所管をいただいている。
明治という企業は、これから大きな活動として、海外での売り上げの比率を高めていく方針を掲げていると聞いています。海外で企業活動を行うには、国際労働基準を守るのは絶対的な条件です。これまで海外で活動がうまくいかなかった明治にとって、このオリンピックを機会にして大いに海外での活動を、売り上げを伸ばしていこうとするならば、現在、国内で争われている争議を解決しなければ、海外での活動は絶対に成功しません。
私たちは、海外での活動を成功させるとするならば、先ず、国内での争議を解決すべきだという立場を鮮明にし、オリンピックを、当製品を含めて明治が企業イメージをあげようと思えば、労働争議を解決する事が絶対必要だという立場で活動を続けていきたい。そのためには、今日も要請行動に入ったと思いますが、多分門前払いだと思います。とんでもない企業です。一般の消費者が企業の受付に行ってそれなりの対応を求めたときに、求める内容を検討し受けるかどうかを判断します。最初から対応を拒否するこのような企業はまともな企業ではありません。先ず、そこから改めるべきです。
食品一般ユニオンは小さな産別組織ですが、2020年最後の座り込み行動に一緒に参加をしました。これからもこの争議が解決するまで、共に闘い続けることを決意し共に頑張りましょう。
申入れ報告 支援共闘会議 菊池事務局長
皆様の代表として、株式会社明治と明治HDへ申入れを行ってきました。この明治の争議が36年間も続いて、しかも1960年代からの労働者の働く環境、改善を求めてきた心ある労働者に対して、半世紀にわたる差別を続けてきた。この賃金差別をぜひ改善をしようという取り組みをしている。この内容で申入れをしたのに対して、会社は、窓口の労働者にすべての対応の責任を押しつける、極めて正常な対応ではない状態を続けています。
申入れは株式会社明治に対してであります。本来、受付業務を行っている労働者の皆さんは、用件にもとづいて担当部署と連絡を取り合って、そのセッテイングをする事が業務であります。本来の業務をさせないとか、その場で会えない、会えないと繰り返させる。労働者の仕事を軽視させる。こういう企業体質が現れている、この明治の明治HDの対応に極めて強い憤りを感じてきたところであります。
明治はそうした長期争議の解決、そして労働者を大切にする企業に生まれ変わらなければならない。そのためには、この争議を一刻も早く話し合いで解決をする。そういう決断をする必要がある。来年も合わせてその様な要請をしていきたい。
【申入書 紹介】
2020年12月14日
株式会社 明治 代表取締役 社長 松田 克也 殿
明治乳業争議支援共闘会議 議 長 松本 悟
明治乳業賃金昇格差別撤廃争議団 団 長 小関 守
申 入 書
━━ 松田社長、オリ・パラ大会など海外飛躍を期す来年に向け古い企業体質は清算すべきです
中労委「付言」に基づく貴社の対応を粘り強く求め、同時に、都労委審査開始を目指します━━
松田社長、コロナ感染拡大が止まない異常事態のなかで年末を迎えていますが、企業活動にも様々なご苦労があるものと推察いたします。高齢者集団となっている私たち争議団は、これまで以上に「感染しない、させない」に留意しながら、全面解決への道筋をめざし奮闘しています。
私たちの来年の目標は、① 中労委命令取消訴訟の東京地裁・高裁の不当判決でも維持され、司法判断でも確定している中労委命令「付言」の「互譲による合意」を貴社が受け入れ、人道上も放置が許されない長期争議の全面解決に向け、早期に全面解決への話合いの設定を目指すこと。
② 全面解決への道筋が拓かれるまでは第三者機関での闘いを維持し、都労委に残留する39件の審査を通して、これまで単年度審査・判断で格差や不当労働行為の成立が否定されたことを踏まえ、残る事件の併合審査によって長期間に亘る累積格差の実態と不当労働行為を全面的に解明し、典型的「不当労働行為・差別事件」としての全体像を改めて鮮明に立証し尽くすことです。
私たちは来年の闘いを「このままでは人生終えられない」の思いを結実させる決意で頑張ります
ご承知の通り、来年は先行した市川工場事件から36年であり、全国事件からでも27年目を迎える等、労働事件では極めて異例の長期争議です。両事件を併せ64人の明治乳業争議団ですが、すでに16人が他界しているなど人道上もさらなる長期化は許されない事態です。この厳しい状況に耐えながら必死に頑張っている背景には、特に昭和40年代から50年代にかけ、申立人らが在籍した各工場において信じがたい人権侵害や差別が繰り返されたことがあります。「共産党員・民青同盟員」の烙印を捺されることで正常な昇給・昇格コースから除外され、「赤虫・ゴキブリ、生産阻害者、職場秩序破壊者」等の汚名を浴びせられたことは、今でも記憶に生々しく残っているのです。私たちは、この汚名を晴らさずに「人生終えられない」の決意で頑張っているのであり、都労委での新たな闘いを通して解決局面を切り拓くことを目指し総力を結集します。
付言は、「会社は、・・・従業員を公平・公正に取り扱うべき義務」を怠っていたと厳しく指摘
中労委命令「付言」は、「そして、会社は、信条や組合活動等を問うことなく、従業員を公平・公正に取り扱うべき義務を負っていたにもかかわらず、少なくとも会社内で責任ある地位にあった職制らの上記活動を抑制することはなかったという限りにおいては、非難を免れ得ないところである。」(90頁)と指摘し、これらの事実を前提に「当事者双方の互譲による合意」という全面解決への道筋を明確に示したのであり、この「付言」の内容が確定したことは極めて重要です。
松田社長、私たちは都労委に来年の早期に事件審査に向けた調査期日の設定を求めていますが、経営陣として争議の到達点を確認のうえ早期に全面解決への決断を強く求めるものです。
以上
お礼と決意 小関団長
風が冷たくなってきています。今年最後の第58次の座り込みになっています。改めて云うまでもなく、この場所に座り込んで直接会社に打田をやっているその中身と云うのは、2017年の1月に発せられた中央労働委員会の命令、この命令が明治乳業争議のたたかっている到達点だ。この到達点にもとづいて明治に話し合いで解決しようじゃないかと明治HD川村社長、株式会社明治松田社長に申入れをして皆さんと座り込んでいる訳です。
特に今年は3月以降、コロナ汚染の拡大中、本当に厳しい状況の中で皆さんにこの場所に駆けつけていただきました。心からお礼を申しあげるところであります。
私たちは先ほどの申し入れ行動の報告が菊池さんからありましたが、間違いなく確実に明治グループの異常企業体質を包囲してきている、このように確信を持っているところであります。
私たちの来年の闘いの目標は二つです。一つは云うまでもなく中労委命令・付言の立場にもとづいて、明治は、明治HDは直ちにこの異常な長期争議を終結すべきだと、それなくして明治グループの飛躍も海外的な発展もあり得ない。このことは、多くの方から指摘されているとおりです。この異常体質を変えずして実際に明治の将来があるのかどうか、ここのところを明治に考えていただきたい。そして二つ目に来年早々から力を入れるのが東京都労働委員会に残っている39件の事件。これを調査の軌道にのせるという闘いであります。
私たちは、明治グループを攻めて、攻めて話し合いに応じるというその決断をするまでは第三者機関にかかっている事件をしっかりたたかっていく決意であります。
この一年間ご参加いただきありがとうございました。
シュプレヒコール
一、(株)明治は、格差と人権侵害を認めた中労委命令に従い話し合いに応じろ!
一、(株)明治は、人道上も許されない長期差別争議を今こそ全面解決を決断しろ!
明乳争議とすべての争議の早期全面解決に向け、団結して頑張ろう、頑張ろう、頑張ろう