第55回座り込み行動(9月24日)実施
2016年1月から明治乳業(現・株式会社明治)に対し、話し合い解決を求める「座り込み行動」を開始してから4年と9ヵ月を経過しています。
中労委命令は「棄却」の判断をした背景には労組法27条2項(除斥期間)を適用したもので、申し立てた平成5年の前年に「格差」が存在しているかの単年度審査からの命令でした。争議団は、単年度のみでは賃金格差の立証は成り立たない、継続した累積で判断を求めていました(年間平均97万円の是正)。
命令判断はそうは言っても、明治乳業の不当労働行為があった、格差もあったと事実を認定しました。合わせて、事実認定の上に立って「付言」を特記し、双方互譲の立場に、殊に会社に対し大局的な立場で解決を求めました。東京地裁は2度にわたり「和解」を勧告。しかしながら、会社明治は、結論「白黒」の判断のみで命令の内容を無視し続け一貫して話し合い解決の申入れを拒否し続けています。
主催者挨拶
明治乳業争議支援千葉県共闘会議 高橋成悟議長
ご参加の皆さんご苦労さまです。明治に対して、これまで一貫して中労委命令に沿って私たちとの話し合いのテーブルに着くようにと申入れを、今おこないますが、同時にこれから座り込みをおこないます。すでに第55回を迎えています。私たちは、年末まで58回まで座り込みの計画をしていますが、明治が話し合いに応ずるという態度に出れば直ちに止める構えで取り組んでいます。
皆さん、55回にあたってこれまでも明治の争議はどうゆうものであるのか、これは会社の合理化に対する反対をする労働組合の活動家に徹底的に差別をして職場八分、そして賃金差別ありとあらゆる人権侵害をおこなってきた、このことに対して、労働者が立ち上がって始まった争議であります。
正に人権侵害を許さないという今、世界的な闘いになっているたたかいと同じ目を向ける闘いであります。私たちはこの闘いが終わるまで話し合いを勝ち取るまでこの座り込みは続けていくそういう決意でいます。
現役で働く仲間の皆さん、皆さんの先輩がこうゆう大変な会社の差別のなかで闘ってきたことに是非理解をいただいて、この運動に対するご理解をいただきたい。そして、この京橋エドグランで働く皆さんやあるいは通行中の働く皆さん、是非私たちの闘うことにご理解をいただいてご協力をいただきたいと思います。
皆さんいま関係ない問題ではない、どこでも人権の侵害をするそういった事件も起こっています。自分のことと捉えてぜひ運動へのご理解をいただきたいと思います。
また、仲間が黄色いチラシをまいています。ぜひお読みいただきたいと思いますので宜しくお願いします。
連帯挨拶
戸田地区労 横田文雄議長
戸田工場で働き差別をされてきた4名を支援して26年になります。最高裁に上告されている4名の要請にいってまいり訴えてきました。憲法13条個人の尊重を謳っていますが、個人の尊厳を信頼する大事なところです。別な言い方をすれば人間としての誇りを奪いとったこうゆう内容であります。賃金昇格差別、全員平均差別額97万円そして人権侵害の不当労働行為、数々のいやがらせいじめを繰り返してきました。申立人等は働きやすい職場にするための改善要求などを会社側に要求しました。ところが会社の意に沿わないからといって差別をしてきた。でも働きやすい職場にすることは当然のことです。そしてその要求が実現すれば会社の人たちも労働意欲が増し、職責も上がるわけです。仕事をさぼったとか他の人と賭け事やったとか会社の言うことを聞かなかったとかそうゆうことではないのです。きちっとして会社の指示に従って会社が決めた仕事をして生産もしてきているわけです。きちっと利益を上げているわけですよ。これに対して、会社の意に沿わない考え方が違うと言っている訳です。その様なことで賃金を差別して良いのでしょうか。賃金差別、女性差別含めて今世間の中で常識になってきています。会社に入って賃金を得て将来に向かって生活設計を描き、家を買ったりしていくわけです。ところが賃金差別を受ければ設計が狂うわけです。本人だけではないのです。家族、衣食住含めて生活が人生が狂わされてしまうのです。そして、退職後も年金に影響しているのです。ということは、一生涯差別を受け続けて一生を終わることになるのです。こうゆうことが許されるのですか。私も労働委員会や裁判にも傍聴に出かけていきます。ご承知のように中央労働委員会、東京地裁、東京高裁も賃金差別は紛れもない事実なんだと事実だと認定しているのです。会社に対して1日も早く話し合って和解してこうゆう人たちを救ってやりなさいと示しているのです。ところが会社は一向に耳を傾けようとはしません。何度か要請にいきましたが、受付でちょっとお待ちくださいと電話を入れますが、担当の者が居りません、代わりの者も居りませんと毎回同じことの繰り返しです。普通なら受け取って内容を見てから会社の意向に添えませんので受け取れませんと言うのなら話しはわかりますが、冒頭から受け取らない。
このように明治は、差別をし人権侵害をし不当労働行為をし本当に悪を尽くしてきたにもかかわらず、その人たちの声を聞こうとしないのです。許せませんです。
このまま死んで行かせる訳ですか。私はこのままでは放置出来ません。民主主義の世の中で差別がまかり通るような継続させることは絶対に許せません。
(株)明治、明治HD申入れ報告
銀行産業労働組合 大谷さん
株式会社明治と明治HDの方に申入れに行ってきました。いつものことですが担当部署へ電話を取り次いでくれますけれども、担当者が不在だと言うことと他にかかる人はおいでになりませんかと問いただしながら、今日も色々な人たちが来ているのですよ、私も銀行の職場で働いていて、やはり明治さんと同じようにひどい差別事件があったと、長いこと続いていたけれども、どこの銀行もすべて裁判、労働委員会で話し合いで解決をして、解決をしたことによって会社も従業員も非常に良くなったと、いうことを話しをしてから、もう一度その様なことを伝えていただき再度どなたかおいでいただきたいとお願いをしたのですけれども、残念ながらそれでも担当の人は居ないし別な人を来てほしいと言うわけにもいかないと言うお話でしたので、残念ながら3人で引き下がりました。
それから明治HDさんの方は、何回か行ったのですがそうゆう話しにはならないですね。ただ立って、その様なことはお受け出来ないのです。予めアポを取ってあればやってくれるかと言うようなことを言っていましたけれども、全く受け入れる様子がないので、それぞれのカウンターに申入れ書をおいてまいりました。
私も、1日も早く解決出来るようにと皆様と一緒に頑張って行きたいと思っています。
連帯挨拶
明治乳業争議支援千葉県共闘会議 山城重久事務局長
要請・座り込みへの参加の皆さん大変ご苦労さまでございます。ご近所の皆さん、いまマイクを通しましてご紹介されましたお隣千葉県で明治乳業の争議の1日も早い解決を求めて、市民団体や労働組合で明治乳業の争議の支援をしています千葉県共闘会議の山城と申します。
そもそも千葉県で明治乳業の争議が起きましたのが市川に工場があります。今その工場はすでになくなっていますが、そこでの争議、先ほど主催者の挨拶の中でありましたように、当時、合理化攻撃がすさまじくて、なんとか会社と対等に話し合いが出来るそうゆう労働組合を作っていく必要があるのではないかということで、今日参加している多くの原告の方が、まともな労働組合、会社と対等に話し合いが出来る労働組合で私たち自分の暮らしを守ろう、当時、明治乳業の工場に集団就職で上京して来た方が大勢であります。それこそ、寮に住み込みのような形で寝泊まりさせて朝から夜まで夜勤もありましたので、キツイ労働がおこなわれそれが合理化によって更に過酷になり、場合によっては解雇さえも起きる可能性もあるということで、労働組合を強くする必要性もあって運動を強めてきた訳であります。そこに会社の方はその様な労働組合を作られては困るということで、特定の集団を名指しをして職場八分、そして賃金や昇格をさせないという賃金差別を徹底的におこなって、こうゆう活動家らと一緒にいたらお前等もこうなるよと見せしめ的なことがおこなわれたのです。
今、国際的にも問題になっております人権問題、人権の侵害これが明治乳業の争議の本質だと私は思っています。その明治乳業がやろうとしているのが海外に進出して世界の明治乳業になろうとしている。更にはオリンピックにオフィシャルパートナーとして出資をして、オリンピックで明治の製品を宣伝販売しようとしている。そのことは別に違反するとしているとは私は思いませんが、もし明治乳業がそうゆう国際的に出ていくとするのであれば、今、大問題になっている人権を守るこのことを徹底する必要があると思います。明治乳業のホームページを見ますとそれらしきことが書いてあります。内の会社は人権を守る会社である。ですからオリンピックにも支援をするのだというようなことが書いてありますが、その明治乳業の中でおこなわれてきたことが実は従業員、社員に対する人権侵害だったとしたらこれは見過ごすことは出来ないと思う訳であります。
そして、この場所で座り込みをしているのは、決して会社に無茶なことを求めているのではありません。是非、ご近所の方にはこのことをご理解いただきたいと思う訳でありますが、私たちが求めているのは、裁判所や労働委員会の意向に沿って、この争議を話し合いで解決をするそのために話し合いに応じてほしい、このことだけを求めている訳であります。しかし、会社は要請書さえ受け取らない、あるいは要請にも応じないこういう態度を取っている訳であります。果たしてこれで国際的な人権感覚を持った会社だと言えるのでしょうか。とても言えないと思います。もし会社が本当にそうゆう人権感覚を国際的に訴えるのであれば、先ず足下の労働争議、これを解決して初めてオリンピックに正々と名前を出せるこういうことになるのではないでしょうか。このことを明治に働く皆さんも、ご近所の皆さんも知っていただきたい。決して不当な無茶な行動をしていることではございませんし、極めて当たり前のこと裁判所や労働委員会が言っている意向に沿って会社が労働争議を解決させるために、話し合いに応じてほしい、こうするべきだと言うことを求めて行動しています。是非とも明治乳業の製品を見た際には、そう言えば労働争議があったなと、そのことだけでも思い起こしていただき、先ずは話し合いに応じるまでには明治乳業の製品は悪いと不味いと言うことではありませんが、明治乳業の製品を食べない、飲まないとしたこともご理解をお願いしながら支援共闘会議からの決意とさせていただきます。
参加者へのお礼と決意
小関団長
不安定な空模様のなか、私ども長期に及ぶ闘いの終結に向けた行動にご参加いただいた皆さんに最初に心からお礼申しあげます。今、私たちの闘いの局面というのは、この争議の終結の道筋を決めた中労委命令の内容にもとづいて、株式会社明治及び親会社の明治HDがこの局面で決断するのか、ここが今私どものせめぎ合いの焦点であります。
実は2017年、3年前に中央労働委員会は争議の全体像、この事件のとっかかりになった1960年代まで遡った事実認定をやった上に立って、この異常に長期化している労働争議、当事者双方が真摯に向き合って紛争を解決すべきだと、それが踏み込んだ解決の道筋と明確にしたのであります。そして重要なのは、中労委命令の付言の内容は、東京地裁の不当判決でも、東京高裁判決の中でも中労委命令の事実認定と付言の内容は維持されているということであります。私たちはその経過を考えて見た場合に、今、最高裁に上告をして争っています。最高裁に対してもこの事件の問題点、下級審がどうゆう法の適用解釈を誤ったのかの問題点を指摘しながら、上申書を提出して早期解決への指揮を執るべきではないのかという提起を最高裁におこなっています。
私たちは、この争議を巡る中労委でも和解への動きもありました。地裁でも2度にわたって会社に対して話し合いで解決すべきではないのかと、裁判所としても解決案を考えなくもないと言うところまで踏み込みました。東京高裁も和解勧告という形で内容は様々な問題点もありましたけれども、この時期に終結すべきだという姿勢を会社に対し明確に示しました。こうゆう流れから行くと最高裁に於いてもこの事件の解決への道筋を示す動きは可能性があると確信しているのであります。その時この会社がどう対応するのか、それまでにどう我々が株式会社明治、親会社明治HDに対してどう解決すべきかと、包囲網を広められるかとここが勝負どころであります。
しかし皆さん、東京都労働委員会には39件の未審査のままの毎年毎年のその年の申立人等がそれぞれが差別されたその額の是正を求める申立てを毎年4月におこなってきました。この積み上げて残っている事件が市川工場でいうと23年間分23件が残っている、全国事件は16年分16件が残っているというのが都労委の要求です。この事件を何としても動かして、会社が解決に応じないならば、継続しながら解決を切り拓かねばの思いで準備しているところです。この間、公益委員を含む参与委員、当該事件の事務局との話し合いや事情聴取なども重ねて来ております。おそらく都労委に於いても、これまでの到達点を見て、これ以上の争議の継続は人道上も許されないというここは一致しているところであります。労働委員会の場でも司法の場でもこれはもう解決すべきだと人道上も許されないということも一致しているところであります。ですから、都労委でも実質審査に入るまでもなく解決すべきという働きかけが我々に対しては当然でありますが、会社に対してもあり得る。これも私は確信をしているところです。
そういう意味ではこの闘い、今年から来期に向けてどこまで明治グループを包囲し追い込むことが出来るのか、そのカギは何か、やっぱりこの企業の体質を、明治の製品を信頼して買い求めている多くの消費者に、この企業の体質を告発し、そしてこの企業体質を直すことが、まともにすることが、そういったことを求めている「食の安心・安全」にもつながるのだと道理ある説得を広くおこなうことが、今、私たちに課せられているものと考えています。残念ながら高齢化集団であります。そうゆうことから様々なルートを使って、様々な形で情報をとして提供していくことも大いに考えています。第三者機関の指揮に従い解決をめざし奮闘することをお伝えし、本日の参加へのお礼と決意にします。ありがとうございました。
〈株式会社明治・松田克也社長への申入れ書〉
2020年 9月24日
株式会社 明治 代表取締役 社長 松田 克也 殿
明治乳業争議支援共闘会議 議 長 松本 悟
明治乳業賃金昇格差別撤廃争議団 団 長 小関 守
申 入 書
━━ 松田社長、人権侵害の歴史的事実に経営陣・企業人としての責任ある対応をすべき局面です最高裁・都労委で和解の指揮があった場合、私たちは「解決条件」を付けず真摯に受けます━━
長期化するコロナ禍のもと、各分野での感染防止策や様々な工夫など、コロナ共存を前提とした市民生活や社会活動が広がっていますが、長期に亘って機能停止状態にあった司法や労働委員会でも様々な防止対策を施しながら、審査・審理が開始されています。全国9事業所事件への高裁判決(1月30日)から8ヶ月が経過しますが、私たちは、主文「棄却」とした中労委命令の法の解釈適用の誤りと、それを追認した高裁判決に対する憲法判断を求め最高裁で闘っています。
同時に、解決に向けた貴社との接点が見いだせない現状では、残念ながら次の闘いを開始せざるを得ないとの決意で、都労委残留事件(39件)の審査開始に向けた取組も強めています。しかし、この間の要請でお伝えの通り、私たちが総力を挙げて目指しているのは、地裁や高裁判決でも維持された中労委命令「付言」の内容、すなわち、「当事者双方の互譲による合意をもって紛争の全面解決を」と、踏み込んで解決への道筋を示したことに基づく貴社との話合いです。
人道上も放置が許されない異常な長期争議の解決に向け、当事者企業の現経営陣としての対応を
残念ながら、貴社内には「争議は終わった」など極めて身勝手な解釈で、長期争議の解決に背を向ける無責任な考えなどが、私たちにも聞こえてきます。しかし、市川工場事件は、申立人らの「併合審査に基づく判断」の要求を否定した都労委の審査指揮によって、申立て2年分(3件)だけを分離して結審し、その枠内での不当な判断が最高裁まで維持され敗訴が確定しただけです。
従って、分離以降の申立事件(在職期間中の毎年の差額是正申立て事件)は、未審査で都労委に残留(23件)するなど、累積しながら継続する不当労働行為事件の特質を無視し、事件の一部(単年度)だけを判断したのであり、残り23件を併合審査するならば全く異なる結論が想定できると確信します。同様に、全国事件でも審査判断されたのは申立て1年分(1件)だけなのであり、その後の残留(16件)が併合審査されるならば、事件の全体像が鮮明になることは明白です。
すなわち、明乳事件は初審都労委の審査指揮の結果として、圧倒的な事件が未審査という異常事態なのであり、「争議は終わっている」等の身勝手な解釈で、中労委命令でも明確になった「格差の存在」や「不当労働行為」の歴史的事実まで、「過去のこと」として放置することは、当事者企業の経営陣としての責任回避であり、絶対に許されない姿勢だと厳しく指摘するものです。
私たちは、これまでの経緯を踏まえても、係訴中の最高裁や審査開始の都労委において、事件解決に向けて「和解」などの指揮が十分に想定できると確信しています。松田社長、「人道上も放置が許されない」との声が広がるなか、当事者企業の経営判断が避けがたい局面となっています。
以上