2017年12月20日 内閣府に再検証の経過を問う要請を行う
明治乳業争議団・争議支援共闘会議は、日本共産党衆議院・畑野君枝議員同席で、内閣府参事官へ要請を行ってきました。参事官は、「中間発表は間違いでした」と答え年度末までには決着をつけたい。再検証の結果の際に再検証に携わっている4名の有識者の名前も公表しますとしていました。
要請者らは、チョコを食べると「脳が若返る」という検証が間違いと言うならば、少なくとも「株式会社明治」に対し「誇大広告」を自粛させることを行うべきと指摘し要求しました。合わせて、カカオを使用する業界に対し、一企業(明治)と国の共同研究としたことは、国自体が他企業とのバランスから見ても不公平な研究体制であることも批判しました。
内閣府の再検証結果は、結論を先延ばし、再度「研究し直し」は明治への擁護と批判回避か
【各報道から転載】
脳若返り、信頼性欠く 内閣府、実験やり直し 有識者会議報告
「チョコレートを食べると脳が若返る可能性がある」とした研究発表について、データ不足などで信頼性に欠けるなどと批判が出ていた問題で、内閣府は8日、実験をやり直すことを有識者会議に報告した。内閣府の支援で食品大手「明治」と共同研究した山川義徳氏はその後の記者会見で「予備段階の研究を紹介した。反省している。エビデンス(証拠)強化に努力したい」と述べ、やり直す意向を示した。
山川氏らは昨年1月、45~68歳の男女計30人にカカオを多く含むチョコレートを4週間食べさせ、「脳の若返り効果があった可能性がある」と発表した。しかし、食べさせなかった集団との比較がなく、被験者も少ないなど、科学的根拠が乏しいとの批判が他の研究者らから出ていた。
内閣府は報告書で「発表資料の原案作りを明治に委ね、チェックも不十分」とも指摘した。内閣府は、今回のテーマを含み、山川氏が統括する各種の脳科学研究を「革新的研究開発推進プログラム」(通称インパクト)の一つに採択し、2014年度から5年間で計約30億円の研究費を提供する。昨年5月の有識者会議で、研究内容を検証することを明らかにしていた。今後、話題性のある研究は、発表前に外部専門家の意見を聞き、批判の余地をなくすという。
インパクトの研究を巡っては、国立情報学研究所などが昨年11月、「世界最大規模の国産量子コンピューターを開発」と発表した計算装置にも「量子コンピューターとは言えない」との指摘が出ている。【阿部周一】
毎日新聞2018年3月9日 東京朝刊 から転載
「チョコ若返り」再研究へ 内閣府研究「データ不足」指摘受け
高カカオチョコレートが脳機能の若返りに効果がある可能性を報告した内閣府の研究について、研究統括者の山川義徳プログラム・マネージャーは8日、東京都内でえ記者会見を開き、研究のやり直しを発表した。でーたが不十分な予備実験の結果に過ぎず、「発表するのは適切でなかった」とした内閣府の検証結果を踏まえた。製菓大手の明治との共同研究だったが、これを取りやめ、内閣府の主導で論文にするという。
この研究は、国の大型研究支援事業「革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)」の16課題の一つで、脳関連研究の一環。カカオ含有量の多いチョコの影響を調べ、昨年1月に学習機能を高めるなど「脳の若返り」効果がある可能性を発表した。しかし、内容を巡って批判が相次ぎ、内閣府が検証していた。
内閣府の有識者会議は同日午前、検証結果を公表。チョコを食べない被験者との比較がなく、被験者数が少ない点などを挙げ、不足データ分の追加試験とチェック体制の構築を求めた。また、企業との研究体制の見直しも検討すべきだと結論づけた。
読売新聞2018年3月9日 朝刊から転載