一般株主として、2012年12月26日明治ホールディングス浅野茂太郎社長あてに、表記のタイトルから4項目にわたる質問書を総務部に提出し、1月10日までに回答をもとめました。責任者は年末年始の関係から難しいと話しがあり、少なくとも1月中に回答することを求めてきました。以下紹介します。
はじめに
私たちは、消費者であると同時に個人株主でもあります。従って、(株)明治の製品が消費者・国民から信頼され、会社が一層発展することを強く望んでいます。
しかし、残念ながら2011年4月に(株)明治として新しくスタートした以降にも、① 2011年9月には、町田市の学校給食用牛乳から放射性セシウム6ベクレル/kgが検出。② 同年12月6日には、埼玉工場の乳児用粉ミルクからも同30.8ベクレル/kgが検出され、40万缶の回収(無償交換)。③ 2012年8月29日には、粉ミルク落札価格の官製談合事件で、東京支社に家宅捜査が入る不正行為。④ 同年8月31日には、「明治ミルクプリン」製品の細菌汚染で23万個を自主回収など、極めて異常な事態が続いているのです。
私たちは、このような不祥事や不正行為の続発を、株主として黙過することはできません。何故なら、事件発生の背景や原因を隠ぺいする閉鎖的な企業体質を改善しない限り、企業の存続すら危ぶまれる事態に陥るのではないかと危惧するからです。
明治HD及び(株)明治が、減収・減益から脱皮できない要因を謙虚に見直し、早期に健全な企業活動に立ち戻ることで、消費者の信頼が回復することを株主として強く望むものです。乳業最大手企業としての社会的責任を果たすためにも、質問書の主旨を理解して戴き、2013年1月10日までに文書で回答されることをお願い致します。
1、学校給食用牛乳及び粉ミルク「明治ステップ」が、放射性セシウムに汚染された問題で、NPO法人、マスメディア、消費者団体などから 疑問や問い質しがありました。しかし、(株)明治は「政府が定めた『暫定基準値』以下であり、行政が実施しているモニタリング検査で確 認されている原料を使用しているので安全は確保されている」とし、自主検査の数値公表を拒否するなど不誠実な対応に終始しています。そ の結果、放射能汚染による食材からの低線量内部被曝を心配される消費者、特に、子育て中のお母さん方を中心に不安と不信が広がっていま す。健全な企業活動を回復する立場から以下の質問への回答を求めます
1)マスメディアに対する広報活動が粗雑なことから、週刊東洋経済、週刊金曜日、アエラ、週刊サンデーなどから、企業体質が酷評されてい ます。貴社のマスメディア対応の現状、及び、今後の改善の必要性についてどのように考えていますか。
2)婦人団体からの懇談要請を断ったと聞きます。製品の安全と安心を、より多くの消費者にお届けして理解と信頼を得るためには、商品に対 する疑問や不安を感じている団体・個人の声に耳を傾け、誠実に向き合う姿勢が大切であると考えますが、経営陣はどのように判断している のですか。
3) 婦人団体からの要請・懇談申し入れに対する対応の経緯を説明されたい。また、今後も「申し入れ」等はあり得ることですが、どのように 対応する方針ですか。
4) 若いタレントを使ってのコマーシャル、朝日新聞紙上を独占しての広告などが目立ちますが、2010年から2012年の売上げ推移を見ても1.1 兆円と横ばいです。さらに、同業他社と比較しても売上高と純利益との乖離は深刻な状況です。
膨大な広告料を使っても業績が伸びない原因を、どのように認識していますか。
2、粉ミルクセシウム汚染問題に関して、第3回株主総会において「事前質問」に対する回答がありました。要旨は、「放射性物質が飛来する ことを想定していなかった」、「セシウム汚染を防御できるフィルターメッシュで はなかった」、「お子さんに影響を与える数値ではなけ れども、不安・心配がある方に対し無償交換している」という内容でしたが、以下 について明らかにされたい。
1)福島原発の爆発による放射能の飛来に対し、どの様な危機管理体制を取ったのか。
2)セシウム汚染の原因を、いち早く「空気説」であることを公表したが、生産工程で大量に空気を取り入れて使用するとの認識があるなば、 なぜ、操業停止措置をとらなかったのですか。危機管理体制に問題があったとの認識はありませんか。
3)管轄の春日部保健所には、使用しているフィルターは「企業秘密」と答えていま
す。しかし、株主総会では「世界的に一般的に使用されているものです」と答弁しています。なぜ、保健所に対して「企業秘密」としなけれ ばならなかったのですか。
4)原発事故の当時、埼玉県下においても東電からの送電が、広範囲にストップする状況下にありましたが、埼玉工場はどのように電力を確保 していたのですか。
5)使用フィルターは、「10ミクロン以上を除去することを目的としたものであり、
基準値の放射性物質を補足できる物ではございません」と答えていますが、その後、対策として10ミクロン以下を除去するものに交換して いるのですか。
6) 40万缶を対象に「無償交換」としましたが、何缶の回収ができたのですか。
3、官製談合事件に関する各マスメディアの報道(12年8月28日~29日)によると、談合の疑いで逮捕された同病院栄養士で防衛技官の土橋義広 容疑者は、「05年ごろから談合していた」と供述。また、容疑のかかった担当者は埼玉県警の取り調べに対し、「談合は長年の引継ぎ事 項」「応札(入札参加)も現場の一存では決められない」などと自供しているようです。当時、明治乳業における粉ミルク部門の責任者(栄養 食品販売部長)は、現在の(株)明治の川村和夫社長でした。
要するに、当時の浅野社長以下経営陣の決済を受けた、「会社ぐるみの不正行為」であったことになります。その後の取り調べによって、担 当社員は不起訴処分(起訴猶予)になったようですが、消費者、国民の信頼を裏切った企業としての道義的、倫理的責任まで免罪された訳で はありません。以下について回答を求めます。
1)防衛医科大病院(埼玉県所沢市)に於ける、粉ミルクの一般競争入札を巡る官製談合事件の経緯と結果、及び、当該企業としての責任の所 在を明確にされたい。
また消費者・国民に対する謝罪の意思を明らかにされたい。
2)談合に関わった社員の証言によると、「現場一存では決められない。談合は長年の引継ぎ事項」であったといいますが、企業内での指示・ 命令系統及び責任の範囲と、不法行為に対する社内の処罰規定について明らかにされたい。
3)不起訴になったからと言っても反社会的行為に対する企業責任(CSR)が免罪された訳ではありません。経営陣の社会的・道義的責任を明 らかにされたい。
また、社内憲章及び倫理規定に基づく社員教育の見直しをされたと思いますが、その内容を明らかにされたい。
4、子会社・パンピー食品株式会社製造の「明治ミルクプリン」風味劣化による消費
者からの、「腹痛」「気分が悪くなった」と言う苦情から、商品回収に至った事件について、再発防止のためにも真相と事実関係を明らかに されたい。
2012年8月31日お詫びとお知らせの広告がなされた。内容は、「微生物」の影響により賞味期限内に「風味劣化」が生じる可能性があるこ
とから、自主回収させていただきますとのことでした。商品は、赤ちゃんからお年寄りまで広い年齢層が食するものです。事件発生後株主と
して、管轄保健所、東 京都食品安全監視課、厚労省へ問い質しを行いました。その結果、明治は「微生物」、保健所は「一般生菌(菌)」、
都からの厚労省への報 告では「芽胞菌」と2転3点する有様です。
以下の質問について明らかにされたい。
1)微生物を発生させた原料及び原因は何なのか。
2)微生物の影響で風味劣化を生じるとしているが、その要因は何なのか。
3)消費者への安全を保障する製品のチェック機能及び管理体制の、事故発生当時の実態と事故後の改善策について説明されたい。
4)明治、保健所、都がそれぞれ原因菌の見解を述べているが、消費者に影響を与えた真の原因菌は、いかなる性質のものなのか。
5)23万個回収するとしたが、何個回収できたのか。
6)当然ながら、指導改善の求められる事件かと受けとめますが、再発防止の対策はどのように講じられているのか。
※ 追加として、その後生産はどうなっているのかを求めました。
以上
はじめに
私たちは、消費者であると同時に個人株主でもあります。従って、(株)明治の製品が消費者・国民から信頼され、会社が一層発展することを強く望んでいます。
しかし、残念ながら2011年4月に(株)明治として新しくスタートした以降にも、① 2011年9月には、町田市の学校給食用牛乳から放射性セシウム6ベクレル/kgが検出。② 同年12月6日には、埼玉工場の乳児用粉ミルクからも同30.8ベクレル/kgが検出され、40万缶の回収(無償交換)。③ 2012年8月29日には、粉ミルク落札価格の官製談合事件で、東京支社に家宅捜査が入る不正行為。④ 同年8月31日には、「明治ミルクプリン」製品の細菌汚染で23万個を自主回収など、極めて異常な事態が続いているのです。
私たちは、このような不祥事や不正行為の続発を、株主として黙過することはできません。何故なら、事件発生の背景や原因を隠ぺいする閉鎖的な企業体質を改善しない限り、企業の存続すら危ぶまれる事態に陥るのではないかと危惧するからです。
明治HD及び(株)明治が、減収・減益から脱皮できない要因を謙虚に見直し、早期に健全な企業活動に立ち戻ることで、消費者の信頼が回復することを株主として強く望むものです。乳業最大手企業としての社会的責任を果たすためにも、質問書の主旨を理解して戴き、2013年1月10日までに文書で回答されることをお願い致します。
1、学校給食用牛乳及び粉ミルク「明治ステップ」が、放射性セシウムに汚染された問題で、NPO法人、マスメディア、消費者団体などから 疑問や問い質しがありました。しかし、(株)明治は「政府が定めた『暫定基準値』以下であり、行政が実施しているモニタリング検査で確 認されている原料を使用しているので安全は確保されている」とし、自主検査の数値公表を拒否するなど不誠実な対応に終始しています。そ の結果、放射能汚染による食材からの低線量内部被曝を心配される消費者、特に、子育て中のお母さん方を中心に不安と不信が広がっていま す。健全な企業活動を回復する立場から以下の質問への回答を求めます
1)マスメディアに対する広報活動が粗雑なことから、週刊東洋経済、週刊金曜日、アエラ、週刊サンデーなどから、企業体質が酷評されてい ます。貴社のマスメディア対応の現状、及び、今後の改善の必要性についてどのように考えていますか。
2)婦人団体からの懇談要請を断ったと聞きます。製品の安全と安心を、より多くの消費者にお届けして理解と信頼を得るためには、商品に対 する疑問や不安を感じている団体・個人の声に耳を傾け、誠実に向き合う姿勢が大切であると考えますが、経営陣はどのように判断している のですか。
3) 婦人団体からの要請・懇談申し入れに対する対応の経緯を説明されたい。また、今後も「申し入れ」等はあり得ることですが、どのように 対応する方針ですか。
4) 若いタレントを使ってのコマーシャル、朝日新聞紙上を独占しての広告などが目立ちますが、2010年から2012年の売上げ推移を見ても1.1 兆円と横ばいです。さらに、同業他社と比較しても売上高と純利益との乖離は深刻な状況です。
膨大な広告料を使っても業績が伸びない原因を、どのように認識していますか。
2、粉ミルクセシウム汚染問題に関して、第3回株主総会において「事前質問」に対する回答がありました。要旨は、「放射性物質が飛来する ことを想定していなかった」、「セシウム汚染を防御できるフィルターメッシュで はなかった」、「お子さんに影響を与える数値ではなけ れども、不安・心配がある方に対し無償交換している」という内容でしたが、以下 について明らかにされたい。
1)福島原発の爆発による放射能の飛来に対し、どの様な危機管理体制を取ったのか。
2)セシウム汚染の原因を、いち早く「空気説」であることを公表したが、生産工程で大量に空気を取り入れて使用するとの認識があるなば、 なぜ、操業停止措置をとらなかったのですか。危機管理体制に問題があったとの認識はありませんか。
3)管轄の春日部保健所には、使用しているフィルターは「企業秘密」と答えていま
す。しかし、株主総会では「世界的に一般的に使用されているものです」と答弁しています。なぜ、保健所に対して「企業秘密」としなけれ ばならなかったのですか。
4)原発事故の当時、埼玉県下においても東電からの送電が、広範囲にストップする状況下にありましたが、埼玉工場はどのように電力を確保 していたのですか。
5)使用フィルターは、「10ミクロン以上を除去することを目的としたものであり、
基準値の放射性物質を補足できる物ではございません」と答えていますが、その後、対策として10ミクロン以下を除去するものに交換して いるのですか。
6) 40万缶を対象に「無償交換」としましたが、何缶の回収ができたのですか。
3、官製談合事件に関する各マスメディアの報道(12年8月28日~29日)によると、談合の疑いで逮捕された同病院栄養士で防衛技官の土橋義広 容疑者は、「05年ごろから談合していた」と供述。また、容疑のかかった担当者は埼玉県警の取り調べに対し、「談合は長年の引継ぎ事 項」「応札(入札参加)も現場の一存では決められない」などと自供しているようです。当時、明治乳業における粉ミルク部門の責任者(栄養 食品販売部長)は、現在の(株)明治の川村和夫社長でした。
要するに、当時の浅野社長以下経営陣の決済を受けた、「会社ぐるみの不正行為」であったことになります。その後の取り調べによって、担 当社員は不起訴処分(起訴猶予)になったようですが、消費者、国民の信頼を裏切った企業としての道義的、倫理的責任まで免罪された訳で はありません。以下について回答を求めます。
1)防衛医科大病院(埼玉県所沢市)に於ける、粉ミルクの一般競争入札を巡る官製談合事件の経緯と結果、及び、当該企業としての責任の所 在を明確にされたい。
また消費者・国民に対する謝罪の意思を明らかにされたい。
2)談合に関わった社員の証言によると、「現場一存では決められない。談合は長年の引継ぎ事項」であったといいますが、企業内での指示・ 命令系統及び責任の範囲と、不法行為に対する社内の処罰規定について明らかにされたい。
3)不起訴になったからと言っても反社会的行為に対する企業責任(CSR)が免罪された訳ではありません。経営陣の社会的・道義的責任を明 らかにされたい。
また、社内憲章及び倫理規定に基づく社員教育の見直しをされたと思いますが、その内容を明らかにされたい。
4、子会社・パンピー食品株式会社製造の「明治ミルクプリン」風味劣化による消費
者からの、「腹痛」「気分が悪くなった」と言う苦情から、商品回収に至った事件について、再発防止のためにも真相と事実関係を明らかに されたい。
2012年8月31日お詫びとお知らせの広告がなされた。内容は、「微生物」の影響により賞味期限内に「風味劣化」が生じる可能性があるこ
とから、自主回収させていただきますとのことでした。商品は、赤ちゃんからお年寄りまで広い年齢層が食するものです。事件発生後株主と
して、管轄保健所、東 京都食品安全監視課、厚労省へ問い質しを行いました。その結果、明治は「微生物」、保健所は「一般生菌(菌)」、
都からの厚労省への報 告では「芽胞菌」と2転3点する有様です。
以下の質問について明らかにされたい。
1)微生物を発生させた原料及び原因は何なのか。
2)微生物の影響で風味劣化を生じるとしているが、その要因は何なのか。
3)消費者への安全を保障する製品のチェック機能及び管理体制の、事故発生当時の実態と事故後の改善策について説明されたい。
4)明治、保健所、都がそれぞれ原因菌の見解を述べているが、消費者に影響を与えた真の原因菌は、いかなる性質のものなのか。
5)23万個回収するとしたが、何個回収できたのか。
6)当然ながら、指導改善の求められる事件かと受けとめますが、再発防止の対策はどのように講じられているのか。
※ 追加として、その後生産はどうなっているのかを求めました。
以上