6月26日に開催された明治HD第6回株主総会
事前質問書で求めたTPP問題に対しての回答がなされませんでしたが、当日、他の株主からの質問に答える方法で回答がされた。
明治HD取締役川村和夫(株式会社明治社長)の回答から、危機感・危機意識が見受けられない。
大丈夫か明治、乳業産業もとより自らの企業ともども日本の酪農を守る姿勢を打ち出せ!
以下の質問は事前質問事項です。
3、緊迫する「TPP問題」への対策などの質問
日本乳業協会はこのほど、「TPPに関する乳業界の基本的考え方」を公表し、関税撤廃が国内の乳業市場に与える影響を試算していますが、
それによると、国が何も対策を講じないとしたら、
1)国産バター、脱脂粉乳が輸入品に置き換わり、国内工場は操業停止。
2)安価な輸入乳製品を使った乳飲料などの製造で、生乳100%の牛乳、成分調整牛乳市場の一部がこれに置き換わる。
3)国産ナチュラルチーズの殆どが輸入に置き換わり、北海道のチーズ工場は殆どが操業停止。
4)そのため、北海道の生乳が飲用市場を席巻し、都府県の酪農・乳業は壊滅的な影響を受けると予測し、トータルとして市場規模は1兆4889億円まで減少する(2009年:2兆1785億円:経済産業省による)。このため貿易の自由化、国際化の進展は日本経済にとって重要な課題と認識したうえで、「食糧安全保障の観点や地域雇用の確保の観点では、(中略)乳業界としてはTPPへの参加には賛同できない。慎重な対応を国に求める」としています(詳細は同協会HP )。
・TPP参加に日本乳業協会は「賛同できない」との見解を示していますが、明治HDの基本的見解とTPPに参加した場合の対策について説明を求めます。
【回答】
取締役 川村和夫(株式会社明治 社長)
ご指摘のようにTPPの交渉の進展が伝えられております。しかしながら、皆様もよくご承知のように、交渉内容については、ほとんど開示をされていない状況でありまして、どの様な内容で交渉するのかにつきましては、その全容は殆ど明らかになっていない。したがいまして、具体的な影響についてもまだ十分な分析は出来ない段階だということでございます。したがいまして、ただ今の株主様のご質問のご主旨をですね、TPPの交渉の進展ですね、自由貿易の流れがかなり加速をするということを捉えましてご説明をさせて頂きたいと思います。
食品事業の中でも、もっともこうした自由貿易に対する影響が大きいと思われるのは、牛乳、乳製品の事業であるというふうに想定されます。かなりこの牛乳乳製品事業の中でも、物理的に輸入自体が困難な消費期限の短い液状乳製品と云われる乳製品とそれから輸入が可能な消費期限の長い乳製品に大きくは大別されると云うふうに考えています。
株式会社明治といたしましては、明治乳業時代より貿易の自由化ということを以前なかったことをですね消費期限の短い液状乳製品、当社の中では、いわゆる市乳事業というジャンルになりますけれども、これを市乳事業ですね小脇事業に位置付けて、経営資源を投入し事業の強化を図ってまいったところであります。こうした取り組み自体が最大の自由化対策であると捉えています。今後自由貿易が加速することがあっても、この市乳事業を中心とした事業については、今後も継続的に安定した経営が出来るものと考えています。
一方、消費期限が長く輸入可能な乳製品の分野につきましては、TPP交渉の合意によって、著しく低い関税が適用される事態になれば海外製品が国内に流入し、国内の酪農家に大きな影響を与えることはもとより、国産乳製品、バター、脱脂粉乳、さらにはチーズなどといった製品の製造販売に大きな影響が出ることも想定されているところであります。
株式会社明治といたしましては、海外乳製品との差別化を基本方針として、国産でしか出来ないより付加価値の高い商品開発を積極的に推進し、国内の酪農とも強く連携をして、海外製品を凌駕する商品競争力の強化に取り組み、その影響を最小限にするよう取り組んでまいりたいと考えている次第であります。
現在でも、国産の乳製品はユーザーの皆さま方、消費者の皆さま方にその品質において高い評価をいただいていると考えています。
この他、自由化を見据えたグローバルな調達体制の構築にも順次着手しておりますし、こうした施策を鋭意推進することによりまして、加速する貿易自由化にも適切に対処してまいりたいと考えております。
以上ご説明申し上げました。
事前質問書で求めたTPP問題に対しての回答がなされませんでしたが、当日、他の株主からの質問に答える方法で回答がされた。
明治HD取締役川村和夫(株式会社明治社長)の回答から、危機感・危機意識が見受けられない。
大丈夫か明治、乳業産業もとより自らの企業ともども日本の酪農を守る姿勢を打ち出せ!
以下の質問は事前質問事項です。
3、緊迫する「TPP問題」への対策などの質問
日本乳業協会はこのほど、「TPPに関する乳業界の基本的考え方」を公表し、関税撤廃が国内の乳業市場に与える影響を試算していますが、
それによると、国が何も対策を講じないとしたら、
1)国産バター、脱脂粉乳が輸入品に置き換わり、国内工場は操業停止。
2)安価な輸入乳製品を使った乳飲料などの製造で、生乳100%の牛乳、成分調整牛乳市場の一部がこれに置き換わる。
3)国産ナチュラルチーズの殆どが輸入に置き換わり、北海道のチーズ工場は殆どが操業停止。
4)そのため、北海道の生乳が飲用市場を席巻し、都府県の酪農・乳業は壊滅的な影響を受けると予測し、トータルとして市場規模は1兆4889億円まで減少する(2009年:2兆1785億円:経済産業省による)。このため貿易の自由化、国際化の進展は日本経済にとって重要な課題と認識したうえで、「食糧安全保障の観点や地域雇用の確保の観点では、(中略)乳業界としてはTPPへの参加には賛同できない。慎重な対応を国に求める」としています(詳細は同協会HP )。
・TPP参加に日本乳業協会は「賛同できない」との見解を示していますが、明治HDの基本的見解とTPPに参加した場合の対策について説明を求めます。
【回答】
取締役 川村和夫(株式会社明治 社長)
ご指摘のようにTPPの交渉の進展が伝えられております。しかしながら、皆様もよくご承知のように、交渉内容については、ほとんど開示をされていない状況でありまして、どの様な内容で交渉するのかにつきましては、その全容は殆ど明らかになっていない。したがいまして、具体的な影響についてもまだ十分な分析は出来ない段階だということでございます。したがいまして、ただ今の株主様のご質問のご主旨をですね、TPPの交渉の進展ですね、自由貿易の流れがかなり加速をするということを捉えましてご説明をさせて頂きたいと思います。
食品事業の中でも、もっともこうした自由貿易に対する影響が大きいと思われるのは、牛乳、乳製品の事業であるというふうに想定されます。かなりこの牛乳乳製品事業の中でも、物理的に輸入自体が困難な消費期限の短い液状乳製品と云われる乳製品とそれから輸入が可能な消費期限の長い乳製品に大きくは大別されると云うふうに考えています。
株式会社明治といたしましては、明治乳業時代より貿易の自由化ということを以前なかったことをですね消費期限の短い液状乳製品、当社の中では、いわゆる市乳事業というジャンルになりますけれども、これを市乳事業ですね小脇事業に位置付けて、経営資源を投入し事業の強化を図ってまいったところであります。こうした取り組み自体が最大の自由化対策であると捉えています。今後自由貿易が加速することがあっても、この市乳事業を中心とした事業については、今後も継続的に安定した経営が出来るものと考えています。
一方、消費期限が長く輸入可能な乳製品の分野につきましては、TPP交渉の合意によって、著しく低い関税が適用される事態になれば海外製品が国内に流入し、国内の酪農家に大きな影響を与えることはもとより、国産乳製品、バター、脱脂粉乳、さらにはチーズなどといった製品の製造販売に大きな影響が出ることも想定されているところであります。
株式会社明治といたしましては、海外乳製品との差別化を基本方針として、国産でしか出来ないより付加価値の高い商品開発を積極的に推進し、国内の酪農とも強く連携をして、海外製品を凌駕する商品競争力の強化に取り組み、その影響を最小限にするよう取り組んでまいりたいと考えている次第であります。
現在でも、国産の乳製品はユーザーの皆さま方、消費者の皆さま方にその品質において高い評価をいただいていると考えています。
この他、自由化を見据えたグローバルな調達体制の構築にも順次着手しておりますし、こうした施策を鋭意推進することによりまして、加速する貿易自由化にも適切に対処してまいりたいと考えております。
以上ご説明申し上げました。