時雨の花
令和3年7月19日(月)
今朝もカンカン照り!
暑い日が続く。
白芥子や
時雨の花の
咲きつらん
儚げに咲く白芥子は、時雨が花と
なって咲いたのだろうか、
の意。
「時雨の花」・・・時雨が、白芥子の花
に化したとする虚構の表現。
散りやすく清廉なイメージの白芥子と、
無常を象徴する時雨との間に、
感覚的な共通性を見いだしたもので、
中七の造語的表現が一句の眼目。
◎ 白芥子は白い薄い花である。
美しいが弱々しく、
万物の生命が絶えるという事実を
花自身が示しているようにも見える。
時雨は、不意に降り注いで、
人を襲うかのようだが、
実は優しい雨なのであって、
その庇護を受けて、人は和むことも多い。
その優しい庇護の側面を見ると、
時雨と白芥子は似合いの関係を持つといえる。
芭蕉のこの句は、激しい雨である
時雨が白芥子と組んでいるところが
面白い。
この句も制作年代が不明である。
晩年の作品としか思えないが・・・。