貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

時雨の花

2021-07-19 16:52:04 | 日記

時雨の花

令和3年7月19日(月)

 今朝もカンカン照り!

暑い日が続く。

  白芥子や 

  時雨の花の 

    咲きつらん

 儚げに咲く白芥子は、時雨が花と

なって咲いたのだろうか、

の意。

 「時雨の花」・・・時雨が、白芥子の花

に化したとする虚構の表現。

 散りやすく清廉なイメージの白芥子と、

無常を象徴する時雨との間に、

感覚的な共通性を見いだしたもので、

中七の造語的表現が一句の眼目。

 ◎ 白芥子は白い薄い花である。

美しいが弱々しく、

万物の生命が絶えるという事実を

花自身が示しているようにも見える。

 時雨は、不意に降り注いで、

人を襲うかのようだが、

実は優しい雨なのであって、

その庇護を受けて、人は和むことも多い。

 その優しい庇護の側面を見ると、

時雨と白芥子は似合いの関係を持つといえる。

 芭蕉のこの句は、激しい雨である

時雨が白芥子と組んでいるところが

面白い。

 この句も制作年代が不明である。

 晩年の作品としか思えないが・・・。