「別ればや」の解釈!
令和3年7月29日(木)
7月も余すところ三日、あっという間
に過ぎていく感じ・・・・。
昨夕は、友人が送ってくれた琵琶湖の
鰻で舌鼓!!!感激の一瞬でもあった。
別ればや
笠手に堤(さげ)て
夏羽織
笠を手に提げ、夏羽織も着込んだ
ところで、いよいよお別れの時で
ある、
の意。
年次不明。
「別ればや」・・・「別れ端や」と
読めば、別れ際の意。
「別れ端や おもひ出すべき 田植歌」
(傘下)(曽良宛芭蕉書簡)
意志を表す助詞の「ばや」と見ることも
できる。
旅の途中の留別吟。
羽織の着用に威儀を正す心が示される。
◎ いよいよお別れだ。話していると、
名残は尽きませんが、
笠は手に持ったし、夏羽織は着たし、
旅の用意はできておりますぞ。
この次は、何処で、どうしてお会い
するやら、そのような未来が判らぬ処が
人生ですからなあ。
そして、別れ別れになって、
直ぐ近寄って手に手を取って
別れを惜しむ。
これが人生の温かさであり、
寂しさでもありますな。
「別ればや」という言葉には、
心情を押し切ってもう別れましょう
という強い促しがある。
それが人生だ。惜別の情の涙である。
別れを告げる友情が愛情の情を
紡ぎ出す。
作品の年は不明で、元禄年間である
ことは特定される。
芭蕉晩年の心が投射されている
別離の句である。