令和3年9月18日(土)
元禄五年の句。
頓て死ぬ
頓て死ぬ
けしきは見えず
蟬の声
で、芭蕉は見事に詠むようになる。
この句、間もなく死んでしまうのに、
で、芭蕉は見事に詠むようになる。
この句、間もなく死んでしまうのに、
そんな様子は全く見えず、蟬が鳴きしき
っている、
の意。
「頓て」・・・もうすぐに。
真蹟句切に「無常迅速」の前書きあり。
「頓て」・・・もうすぐに。
真蹟句切に「無常迅速」の前書きあり。
これは、芭蕉が好んだ語の一つ。
『卯辰集』に、同じ前書きで、中七
『卯辰集』に、同じ前書きで、中七
「けしきも見へず」。
底本は
底本は
「下闇(したやみ)や
地虫ながらも
蟬の声
嵐雪」
「客ぶりや
「客ぶりや
居処かゆる
蟬の声
探志」
に続けて、過去・現在・未来を表象する
に続けて、過去・現在・未来を表象する
蟬三句の構成で、生あるものの運命
といったことも感得させる。
大雨と洪水は、芭蕉の時代にもあったようで、
大雨と洪水は、芭蕉の時代にもあったようで、
自然の驚異を、穏やかな物語に変えている句
もある。
つづく。