令和3年9月26日(日)
顔に似ぬ
ほっ句も出(いで)よ
はつ桜
初桜を詠むのだから、年寄りじみた顔に
初桜を詠むのだから、年寄りじみた顔に
似合わぬ、若々しい発句も出ておくれ、
の意。
元禄七年(1694)の作。
『芭蕉全伝』に、伊賀上野の無名庵で、
元禄七年(1694)の作。
『芭蕉全伝』に、伊賀上野の無名庵で、
『続猿蓑』の草案を検討している時に
思いついて書き付けた句とあり、
『三冊子』は、土芳を相手に下五を
あれこれ置き換え、「初の字の位よろし」
と治定したことを記す。
当季ではなく、興じる心を全面的に出す。
◎ 親戚の人々が年を取り、白髪杖曳き
◎ 親戚の人々が年を取り、白髪杖曳き
になった。
弟子や友人の老いた姿もはっきりとして
きた。
年寄りばかりの句会でも、時には新鮮な
若々しい初桜を詠んでもらいたいものだ。
当時の人々は、芭蕉が51歳で亡くなる
のを当然の老化と見做していたらしいし、
芭蕉自身もそう思っていたのであろう。