令和6年5月3日(金)
文京区慈眼院②

伝通院の門前の蕎麦屋に、
沢蔵司はよく出かける。
彼が来た時は、売り上げの中に
必ず木の葉が入っている。
主人は、
沢蔵司は稲荷大明神と察知。
毎朝「お初」の蕎麦を供え、
稲荷蕎麦と称する。

また、
すぐ前の善光寺坂に
椋の老樹があるが、
これには沢蔵司が
宿っているといわれる。
道路拡幅の時、
道を二股にし
避けて通るようにする。
<紅葉の中の芭蕉句碑>


紅葉に彩られた芭蕉の句は、
「一しぐれ
礫や降って
小石川」。
俳諧宗匠として
立机(プロの俳諧師になる。)
した34歳の時の作。
澤蔵司稲荷では
江戸時代から句会が開催されており、
その「芭蕉堂」
同人滝澤公雄翁が発起人となり、
大正7年10月12日の
芭蕉翁の命日に
澤蔵司稲荷境内に建立。
<芭蕉堂記念と滝澤公雄翁の句碑>

この頃から4年間ほどは
神田上水の工事にも
従事したとされ、
この地には馴染みの深い
俳人の一人である。
滝澤公雄翁の句は、
「月かげに
「月かげに
しのぶや聲の
なき蛙」