☆とりあえず、この作品の公式HPで、作品の画像を一枚貰おうと思って、飛んだ。
すると、『ライラの冒険』の「あなたのダイモンは?」に似た、「(この作品中の登場人物での)あなたのタイプは?」みたいな企画がありまして、私が挑戦したところ、トム・クルーズ演じるところの<共和党の上院議員>でした^^;
・・・もう一つ、前説的に、一つ語っておきたい事がある。
この『大いなる陰謀』だが、封切り日は先週の土曜だったらしいのだが、何故か、私の行きつけの映画館<MOVIX昭島>は、18日からだった。
なんか「大いなる陰謀」があるのだろうか?
# # # #
さて、この作品は、同時刻三箇所の、それぞれの「閉鎖空間」をメインにした舞台劇みたいな作品だった。
一つ目のステージは、停滞するイラク情勢の批判を、他の戦場の勝利によって逸らそうと発案した上院議員の執務室だ。
ここでは、時期大統領候補とも目される議員が、その新人の頃に目をかけてくれたベテラン記者(メリル・ストリープ)に独占インタビューをさせていた。
二つ目のステージは、アフガニスタンは雪の山岳地帯。
その軍事作戦のポイントに飛ぶ軍用ヘリの中からだ。
有能だが育った環境の悪かった貧しい二人の軍人が、除隊後の大学院の学費免除を目標として参加していた。
三つ目は、その二人が学んでいたハーバード大の教授室。
才気はあるが、裕福さにかまけて甘えている学生に、ロバート・レッドフォード演じる政治科学の教授が説教していた。
それぞれのシークエンスは、物理的には接点はないが、テーマ的には深くつながっている。
ちょいと、先に観た『バンテージ・ポイント』を髣髴とさせた。
だが、『バンテージ…』が、技巧をバリバリに凝らしていたのに対し、こちらの作品は、上質で洗練された流れを持っていたと思う。
◇ ◇
簡単に言うと、この作品は、タカ派路線の共和党の政策に警鐘を鳴らす作品であった。
だが、フィクションである。
作り手は、自分の都合の言いように、幾らでも物語を展開していける。
だから、甘えた学生と議論するレッドフォード教授の主張することは、この物語内では、見事に正しく合致する。
それについて、タカ派にシンパシーを感じる私が難癖つけてもどうしようもない。
例えば、『機動戦士ガンダムSEED』の主人公チームなど、完全にリベラルである。
その物語は、途中から、「相手を殺さない戦争」を続ける。
だが、それについて、「誰も死なない戦闘なんてあるか!」とクレームつけるのも野暮である。
物語にはテーマがあり、それに沿った展開になるのだろうから^^;
・・・故に、タカ派だろう私であるが、この作品は良作だと思った。
有望な上院議員とベテラン記者。
弁の立つ学生と真摯な教授。
二つの議論が平行して描かれるが、その会話の応酬が、やや、内容にはリベラル的な青さを感じるが、見事な演技で裏打ちされ、飽きることなくエキサイティングだった。
中でも、トム・クルーズ、メリル・ストリープ、ロバート・レッドフォードと言う大物たちに囲まれていたが、楽しく安穏と暮らしたい学生役のアンドリュー・ガーフィールドが頑張っていた。
実に整った顔立ちで、女の子に人気が出そうだ。
単純なバカ学生ではなく、見込みがあるがやる気を消失させているって設定だ。
レッドフォード教授は、その弁舌に感心しながらも、
「だが、君の言葉にはハートが足りない!」
というのだ。
「まだまだ経験が足りない」と・・・。
◇ ◇
同時刻、上院議員は、ベテラン記者の「国のリーダーは現場を知らない」との言葉に、
「僕はトップの成績で士官学校を出た。優秀なのが悪いのか?」
と答えるのだ。
◇ ◇
現場の者と、遠く離れた場所で命令を下す者の齟齬というものは、永遠に語られ続ける主題であろう。
・・・私事だが、私は、とある製造生産ラインの現場責任者をやっていた。
そこには、数々の、現場を知らない上司からの指示があった。
私は大ゲンカして職を辞し、いまだにネット上で、その会社を糾弾し続けています^^;
◇ ◇
アフガニスタンで行われている新作戦は、思いもよらないタリバン側の攻勢に遭い、二人の行方不明者を出して、一時撤退していた。
・・・雪の中で、二人の軍人は生きていた。
二人は、かつて、理想に燃えていた。
その理想に近づくために、おそらく理想と最もかけ離れた軍隊を志願したのである。
逃げずに、苦難を経てこそ、自分らの大成はあると考えていた。
・・・そう言ったライオンのような戦場の意志が、羊のように脆いホワイトハウスの命令指示者によって蔑ろにされる。
それが、この『大いなる陰謀』の原題「Lions for Lambs」の由来だそうだ。
(2008/04/19)
すると、『ライラの冒険』の「あなたのダイモンは?」に似た、「(この作品中の登場人物での)あなたのタイプは?」みたいな企画がありまして、私が挑戦したところ、トム・クルーズ演じるところの<共和党の上院議員>でした^^;
・・・もう一つ、前説的に、一つ語っておきたい事がある。
この『大いなる陰謀』だが、封切り日は先週の土曜だったらしいのだが、何故か、私の行きつけの映画館<MOVIX昭島>は、18日からだった。
なんか「大いなる陰謀」があるのだろうか?
# # # #
さて、この作品は、同時刻三箇所の、それぞれの「閉鎖空間」をメインにした舞台劇みたいな作品だった。
一つ目のステージは、停滞するイラク情勢の批判を、他の戦場の勝利によって逸らそうと発案した上院議員の執務室だ。
ここでは、時期大統領候補とも目される議員が、その新人の頃に目をかけてくれたベテラン記者(メリル・ストリープ)に独占インタビューをさせていた。
二つ目のステージは、アフガニスタンは雪の山岳地帯。
その軍事作戦のポイントに飛ぶ軍用ヘリの中からだ。
有能だが育った環境の悪かった貧しい二人の軍人が、除隊後の大学院の学費免除を目標として参加していた。
三つ目は、その二人が学んでいたハーバード大の教授室。
才気はあるが、裕福さにかまけて甘えている学生に、ロバート・レッドフォード演じる政治科学の教授が説教していた。
それぞれのシークエンスは、物理的には接点はないが、テーマ的には深くつながっている。
ちょいと、先に観た『バンテージ・ポイント』を髣髴とさせた。
だが、『バンテージ…』が、技巧をバリバリに凝らしていたのに対し、こちらの作品は、上質で洗練された流れを持っていたと思う。
◇ ◇
簡単に言うと、この作品は、タカ派路線の共和党の政策に警鐘を鳴らす作品であった。
だが、フィクションである。
作り手は、自分の都合の言いように、幾らでも物語を展開していける。
だから、甘えた学生と議論するレッドフォード教授の主張することは、この物語内では、見事に正しく合致する。
それについて、タカ派にシンパシーを感じる私が難癖つけてもどうしようもない。
例えば、『機動戦士ガンダムSEED』の主人公チームなど、完全にリベラルである。
その物語は、途中から、「相手を殺さない戦争」を続ける。
だが、それについて、「誰も死なない戦闘なんてあるか!」とクレームつけるのも野暮である。
物語にはテーマがあり、それに沿った展開になるのだろうから^^;
・・・故に、タカ派だろう私であるが、この作品は良作だと思った。
有望な上院議員とベテラン記者。
弁の立つ学生と真摯な教授。
二つの議論が平行して描かれるが、その会話の応酬が、やや、内容にはリベラル的な青さを感じるが、見事な演技で裏打ちされ、飽きることなくエキサイティングだった。
中でも、トム・クルーズ、メリル・ストリープ、ロバート・レッドフォードと言う大物たちに囲まれていたが、楽しく安穏と暮らしたい学生役のアンドリュー・ガーフィールドが頑張っていた。
実に整った顔立ちで、女の子に人気が出そうだ。
単純なバカ学生ではなく、見込みがあるがやる気を消失させているって設定だ。
レッドフォード教授は、その弁舌に感心しながらも、
「だが、君の言葉にはハートが足りない!」
というのだ。
「まだまだ経験が足りない」と・・・。
◇ ◇
同時刻、上院議員は、ベテラン記者の「国のリーダーは現場を知らない」との言葉に、
「僕はトップの成績で士官学校を出た。優秀なのが悪いのか?」
と答えるのだ。
◇ ◇
現場の者と、遠く離れた場所で命令を下す者の齟齬というものは、永遠に語られ続ける主題であろう。
・・・私事だが、私は、とある製造生産ラインの現場責任者をやっていた。
そこには、数々の、現場を知らない上司からの指示があった。
私は大ゲンカして職を辞し、いまだにネット上で、その会社を糾弾し続けています^^;
◇ ◇
アフガニスタンで行われている新作戦は、思いもよらないタリバン側の攻勢に遭い、二人の行方不明者を出して、一時撤退していた。
・・・雪の中で、二人の軍人は生きていた。
二人は、かつて、理想に燃えていた。
その理想に近づくために、おそらく理想と最もかけ離れた軍隊を志願したのである。
逃げずに、苦難を経てこそ、自分らの大成はあると考えていた。
・・・そう言ったライオンのような戦場の意志が、羊のように脆いホワイトハウスの命令指示者によって蔑ろにされる。
それが、この『大いなる陰謀』の原題「Lions for Lambs」の由来だそうだ。
(2008/04/19)