☆二日続けて、アメコミヒーロー映画を観た。
私は、最も好きな映画の一つとして『バットマン・リターンズ』があるので、その後の「バットマン」シリーズには、ちょいと厳しい眼を持っている、と言うか、その後は『バットマン&ロビン』くらいしか見ていなかった^^;
しかし、今回の『ダークナイト』!!
すこぶる評価が高いようなので、先行ロードショーで観に行った。
実は、母親が「あの白塗り(ジョーカー)がみたい!」と言っていたので、母親の分のチケットも買ったのだが、母親は急用が出来ていけなくなり、でも、MOVIXはチケットの払い戻しが出来なくて、私は誰かにタダであげたい位の気持ちだったのだが、「いりますか?」と映画館のロビーで聞いて回るのも恥ずかしいので、MOVIXのバイトに愚痴をこぼしつつ、ムダにせざるを得なかった、無念・・・^^;
◇ ◇
非常に面白かった。
ティム・バートン版で、「バットマン」が派手なアクション指向の作品ではなく、アメリカ的な時代劇だと分かっていたので、そこにおいての肩透かしはなかった。
私は、バートン版以上のゴシック風味は出しようがないだろうと考えていたので、その点での期待もしていなかった。
だが、この作品では、バートン版とは違ったダークテイストがあった。
バートン版が、コミック調を捨てていなかったのに対し、今回のクリストファー・ノーラン版ではリアルなクライム小説風な味わいがあった。
モノクロに対してのメタリックが基調となるイメージもあった。
配役も、モーガンフリーマンやゲイリー・オールドマン、マイケル・ケインと演技派を揃えていて、作品イメージともども格調高い。
◇ ◇
現実感のあるゴッサムシティー、その陰で蠢く犯罪世界に舞い降りたキチガイピエロの<ジョーカー>!!!
バートン版のジョーカーを演じたジャック・ニコルソンも、大概、その狂気の演技に喝采を送ったものだが、どんなに斬新な演技も、いつしか新鮮さがなくなる。
だが、新ジョーカーを演じた、ヒース・レジャーの狂気は、今一番輝いている。
なんと言おうか、全く後ろ盾がない「偉大なチンピラ」と言えばいいのか?
また、シナリオ上も、その過去が語られるようなことがない。
自分の裂けた唇の「逸話」を語るのだが、それは、いつも内容が違う。
過去のない、この作品内で見られる姿が全てのジョーカーなのだった。
例え、捕らわれていようとも、「それでも誰かを殺す」と言い続ける段においては、そんな恐ろしい奴はいない。
そして、「それでも誰かを殺す」には、相応の手がちゃんと打たれているのだから、更に恐ろしい。
しかも、バットマンの存在に対して犯罪を行なうので、バットマンの存在はゴッサムシティーの中で疎まれる存在に変貌していく。
バットマンであるブルース・ウェインも、当初は、ジョーカーのやり方をテレビで見て、「バットマンにケンカを売るまでするのか^^;」などと余裕発言だったのに、事態の推移とともに次第に追い込まれていく。
ゴッサムシティーの平穏は、バットマンによって保たれていたが、ジョーカーの出現によって徐々に均衡を失っていくのだ。
ヒースのジョーカーは、唇が裂けているからだろうか、
話しつつ、「チッ!」と舌打ちのような音を立てる。
それが、ジョーカーの行動の狂気から受ける印象を、更に引き立てている。
このヒース、この作品の後、急逝したそうだ。
「早過ぎる」と言うのは簡単だが、今後、ヒースが、かような演技を出来るとも思えず、人生のあたり役を得て逝ったとしたい。
◇ ◇
この作品が凄いのは、あくまでも、このヒースのジョーカーの物語的なパーソナリティーにおんぶに抱っこではない点だ。
バットマンは、他の犯罪者を追って、香港まで遠征するし、そのシークエンスも「M::3」を髣髴とさせるタクティクスな展開で楽しめる。
また、ゴッサムの若き有望な地方判事ハーベイ・デントのパートも面白い。
私は、このデントが「悪の親玉」であったりしたら、この作品に興醒めしただろう。
しかし、デントは、本当に理想家だった。
故に、後の悲劇が起こる。
◇ ◇
まさか、この作品中、<ジョーカー>のほかに、<トゥー・フェイス>までも拝めるとは思わなんだ。
◇ ◇
不満としては、やや、物語上の省略が激しい点だ。
ジョーカーが、取調室で、監視者との形勢を逆転させる状況が全く描かれていないのは、明らかに、上映時間短縮のためのように思われる。
上記の<トゥー・フェイス>の名前の由来も、何の逸話もなく、映画で見れば分かる通りの会話による。
ジョーカーの過去が描かれないのは、作劇術的にあり得るが、
ここで、トゥー・フェイスの過去が語られないのは、シナリオの怠慢だろうよ。
そのような、物語上の説明不足が多々あり、
最終的にバットマンが「ダークナイト」に堕ちていく経過に、あまり我が心がグッとこなかったのは、作品の評価を考えると痛い・・・。
◇ ◇
バットモービル・・・、そして、バットポッド!
このリアルな作品にあって、両車のケレンは良かったなあ^^
◇ ◇
クリスチャン・ベイルは太い声がカッコ良かったが、やや「サイコ」風味に欠けていた。
あれでは、普通のヒーローだ・・・。
(2008/08/03)
私は、最も好きな映画の一つとして『バットマン・リターンズ』があるので、その後の「バットマン」シリーズには、ちょいと厳しい眼を持っている、と言うか、その後は『バットマン&ロビン』くらいしか見ていなかった^^;
しかし、今回の『ダークナイト』!!
すこぶる評価が高いようなので、先行ロードショーで観に行った。
実は、母親が「あの白塗り(ジョーカー)がみたい!」と言っていたので、母親の分のチケットも買ったのだが、母親は急用が出来ていけなくなり、でも、MOVIXはチケットの払い戻しが出来なくて、私は誰かにタダであげたい位の気持ちだったのだが、「いりますか?」と映画館のロビーで聞いて回るのも恥ずかしいので、MOVIXのバイトに愚痴をこぼしつつ、ムダにせざるを得なかった、無念・・・^^;
◇ ◇
非常に面白かった。
ティム・バートン版で、「バットマン」が派手なアクション指向の作品ではなく、アメリカ的な時代劇だと分かっていたので、そこにおいての肩透かしはなかった。
私は、バートン版以上のゴシック風味は出しようがないだろうと考えていたので、その点での期待もしていなかった。
だが、この作品では、バートン版とは違ったダークテイストがあった。
バートン版が、コミック調を捨てていなかったのに対し、今回のクリストファー・ノーラン版ではリアルなクライム小説風な味わいがあった。
モノクロに対してのメタリックが基調となるイメージもあった。
配役も、モーガンフリーマンやゲイリー・オールドマン、マイケル・ケインと演技派を揃えていて、作品イメージともども格調高い。
◇ ◇
現実感のあるゴッサムシティー、その陰で蠢く犯罪世界に舞い降りたキチガイピエロの<ジョーカー>!!!
バートン版のジョーカーを演じたジャック・ニコルソンも、大概、その狂気の演技に喝采を送ったものだが、どんなに斬新な演技も、いつしか新鮮さがなくなる。
だが、新ジョーカーを演じた、ヒース・レジャーの狂気は、今一番輝いている。
なんと言おうか、全く後ろ盾がない「偉大なチンピラ」と言えばいいのか?
また、シナリオ上も、その過去が語られるようなことがない。
自分の裂けた唇の「逸話」を語るのだが、それは、いつも内容が違う。
過去のない、この作品内で見られる姿が全てのジョーカーなのだった。
例え、捕らわれていようとも、「それでも誰かを殺す」と言い続ける段においては、そんな恐ろしい奴はいない。
そして、「それでも誰かを殺す」には、相応の手がちゃんと打たれているのだから、更に恐ろしい。
しかも、バットマンの存在に対して犯罪を行なうので、バットマンの存在はゴッサムシティーの中で疎まれる存在に変貌していく。
バットマンであるブルース・ウェインも、当初は、ジョーカーのやり方をテレビで見て、「バットマンにケンカを売るまでするのか^^;」などと余裕発言だったのに、事態の推移とともに次第に追い込まれていく。
ゴッサムシティーの平穏は、バットマンによって保たれていたが、ジョーカーの出現によって徐々に均衡を失っていくのだ。
ヒースのジョーカーは、唇が裂けているからだろうか、
話しつつ、「チッ!」と舌打ちのような音を立てる。
それが、ジョーカーの行動の狂気から受ける印象を、更に引き立てている。
このヒース、この作品の後、急逝したそうだ。
「早過ぎる」と言うのは簡単だが、今後、ヒースが、かような演技を出来るとも思えず、人生のあたり役を得て逝ったとしたい。
◇ ◇
この作品が凄いのは、あくまでも、このヒースのジョーカーの物語的なパーソナリティーにおんぶに抱っこではない点だ。
バットマンは、他の犯罪者を追って、香港まで遠征するし、そのシークエンスも「M::3」を髣髴とさせるタクティクスな展開で楽しめる。
また、ゴッサムの若き有望な地方判事ハーベイ・デントのパートも面白い。
私は、このデントが「悪の親玉」であったりしたら、この作品に興醒めしただろう。
しかし、デントは、本当に理想家だった。
故に、後の悲劇が起こる。
◇ ◇
まさか、この作品中、<ジョーカー>のほかに、<トゥー・フェイス>までも拝めるとは思わなんだ。
◇ ◇
不満としては、やや、物語上の省略が激しい点だ。
ジョーカーが、取調室で、監視者との形勢を逆転させる状況が全く描かれていないのは、明らかに、上映時間短縮のためのように思われる。
上記の<トゥー・フェイス>の名前の由来も、何の逸話もなく、映画で見れば分かる通りの会話による。
ジョーカーの過去が描かれないのは、作劇術的にあり得るが、
ここで、トゥー・フェイスの過去が語られないのは、シナリオの怠慢だろうよ。
そのような、物語上の説明不足が多々あり、
最終的にバットマンが「ダークナイト」に堕ちていく経過に、あまり我が心がグッとこなかったのは、作品の評価を考えると痛い・・・。
◇ ◇
バットモービル・・・、そして、バットポッド!
このリアルな作品にあって、両車のケレンは良かったなあ^^
◇ ◇
クリスチャン・ベイルは太い声がカッコ良かったが、やや「サイコ」風味に欠けていた。
あれでは、普通のヒーローだ・・・。
(2008/08/03)