☆この映画のロケ地として、MOVIX昭島を含む複合ショッピング施設<モリタウン>が舞台として選ばれていたので、ここで舞台挨拶が行なわれるようになったそうである。
あらかじめ予約していたので、超満員だが、中腹の席で、監督や主演陣の姿を見ることが出来た。
やはり、キョンキョン(小泉今日子)の姿を拝みたかった。
私は、客席の端に座っていたのだが、その近くの扉から現われたキョンキョンは、小さくて可愛かった。
私は、「おお! こりゃ、亀梨君がかどわかされるのも当たり前だ!」と思った。
出演もしているアンジャッシュ・児島の司会で、黒澤清監督や香川照之が挨拶をしていく。
映画の内容は、やや暗い内容だが、出演者のチームワークは良いようで、他愛ない内容の挨拶であったが、和気あいあいの雰囲気が伝わってきた。
津田寛治という方が、とても面白い方であった。
そんな明るいメンバーが作った作品がどのようなものなのか、俄然、興味が湧いた。
◇ ◇
淡々と、フランス映画のようなマイペースで、物語が進む。
時おり流れるBGMの物悲しい感じも、フランス映画っぽい。
中盤まで見て感じたのが、「ああ、これは、平成の『家族ゲーム』なのだな」と言うことだった。
夫婦&二人の息子が、それぞれの苦悩と対峙する。
父親、・・・リストラ
母親、・・・倦怠
長男、・・・青き社会意識
次男、・・・才能の捌け口
社会に生きる者ならば、誰でもが抱いている悩みではある。
だから、やや地味な展開ながらも、前半から中盤にかけて、私たちも興味深く引きつけられて見る。
しかし、それらの苦悩は、揃いも揃って、とんでもない事件へ発展していく。
父親、・・・擬似ホームレス化
母親、・・・強盗との逃避行
長男、・・・米軍への参加
次男、・・・天才ピアニストへ
それぞれが、一つ一つならば「リアル」なのだが、それが4件も重なると、なんとも「非現実的」な感触に変貌していってしまう。
そして、それらの「事件」が、かなりしつこく描写される。
そこら辺の語り口の執拗さが、前半の軽快な勢いを殺してしまい、やや間延びした作品としてしまっている。
◇ ◇
香川照之は、父親たろうとする父親を、情けなくも好演していた。
彼は、顔が控えめなので、こういったもの以外の役を出来るのだろうか?
◇ ◇
作品の中のキョンキョンは、役柄として「疲れた主婦」でもあり、アップになると、もう四十を越えている故にお肌の艶に欠けたが、やはり美形でもあり、充分、可愛かった^^
次男のピアノ教師として、井川遥が出ているのだが、小泉今日子と顔が似ているので、いわゆる「キャラがかぶる」状態であった。
先日観た『おくりびと』も、主要人物の吉行和子と余貴美子がキャラかぶりであった。
これらは、それぞれの監督の趣味の結果だろうか?
◇ ◇
最後、次男が、ピアノを見事に弾くシーンがある。
私の本日の連れは、音大出の人だったのだが、私は「あれは、口パクならぬ手パク(吹き替え)なのかな?」と問うた。
すると、「もちろん、手パクだけど、手の動きは完璧だったよ」と答えた。
(2008/09/27)