☆これは、観てみるとわかると思うけど、ダニー・ボイル監督が、明らかにクリストファー・ノーラン監督の『インセプション』を意識した作品だと思う。
私は、一部に評判の良かった『インセプション』を、あまり面白く感じなかったので、こちらの方が気に入ったのだが、
けして、完成度の高い作品ではない。
面白いけど、粗も多かった。
いちいち挙げないが、ご都合主義と強引さと説明不足が多かった^^;
話はこんな感じ・・・。
名画オークションの会場での、名画強奪があり、犯人側にすれば万事うまくいったと思われたのだが、盗んだものを確かめると、そこにはあるものがない。
手引きをした男が、途中で抜き取ったとしか思えなかったが、その男は、強奪計画の途中で記憶を失っていて、
犯行のリーダーは、記憶をなくした男を、病院に連れて行き、催眠療法で、名画の隠し場所を引き出そうとするのだった。
その催眠療法で表現される過去のイメージ化が、いかにも「インセプション」を意識しているようなのだが、あちらのような派手さはない。
が、私には、そこが却って良かった。
その、クリアーでスタイリッシュ(役者も含め)な映像が、私を引きつけた。
主演の記憶を失った男をジェームズ・マカヴォイが演じていて、いつもの癖のあるギョロッとした表情がなく、なかなか良かった。
役名のサイモンは、その記憶をなくした役から分かるように、「サイモンセッズ」に代表される様な、欧米人の男の、漠としたイメージを意識しているのだろうか?
サイモンの記憶を取り戻したい強奪犯リーダー・フランクをヴァンサン・カッセルが演じていて、その、なんとも気品ある顔立ちは、物語のグレードをあげている。
サイモンの催眠治療を受け持つ医師・エリザベスをロザリオ・ドーソンが、ラブシーンでのパイパンヌードも辞さずに頑張っている。
ロザリオ・ドーソンは、褐色の肌の黒人っぽい顔立ちの、日本人の感覚では、ちょっとエグい顔立ちなのだが、催眠治療師と言う役柄が、なかなか魅力的で、
サイモンもフランクも、エリザベスに魅かれていき、三角関係を形成するに至る。
この三角関係を、もうちょっとドロドロに描いてくれたら、物語的にグッときたのになぁ^^;
ちなみに、私、15年ほど前に、ロザリオ・ドーソンに似た日本人の女の子とつきあったことがある。
モデルみたいに美人なのだが、マジマジと見るとエグかった^^;
写真が残っているので、そのうち、このブログに転載しよう。
そういった行為って、一つ間違えれば、今 流行(^^;)のリベンジポルノと間違われそうだが(いや、裸じゃないけど^^;)、でも、当事者が誰も不快・不利益になることもないので、別に構わないでしょう。
また、この物語の一人が、後半、エリザベスと交際するなかで、DVをし、別れた後もストーカーを繰り返していくのだが、それもまた、今 ニュース番組を騒がせている「元カレによる女子高生刺殺事件」を連想させ、
この、調べたら20年前に書かれた脚本の先見性にも、ちょいと感心するのだ。
普遍的な男のエゴの話でもあるが・・・。
(2013/10/11)