雨が降ります 雨が降る 遊びに行きたし傘はなし・・・・紅緒のかっこも緒が切れた・・
しとしと降る雨の日は用事をしながら、時に口ずさんでしまう。
そんな日に、母や妹達たちと童謡を歌いながら過ごした頃がとても懐かしく大切に思えてくる。
昨夕から降っている雨、桜の花には無情の雨である。
私と次女はまるで時間割をこなしているように、次は何をしようかと言いながら主婦をしている。
互いの夫を見送るやいなや押入れの整理をしながら、次から次へと用事をして行く。
私と一緒ではしんどいかなぁと「ともも、二人暮らしならもっと楽が出来たかも分からないのにね」
「一人の方が大変、毎日料理も何も全部自分やもん。 子供が出来ても、昼間はともとしか会話せえへんし」
「ならばいいけど、では少々大変でも主婦ってこんなもんやし頑張ろうね」
実はてん君は長男である。 まさか妻の実家で同居なんてね、夫も大そう悩んではいたけれど、
てん君のお父さんもお母さんの両親と向かい同士で住んでいるのである。
まさか父親と同じ生き方になるなんて、それに両親はむしろ喜んで下さっていて有難いのだけれど。
気にしつつ夫も、娘夫婦と暮らせるなんてどれだけ嬉しいであろうか。
しかし私の中には、いつ何があるか分からない。 いつお返ししなければいけなくなるか分からない。
その時まで、二人をお預かりしているのだ・・と、そんな気持ちでもいるのである。
来るかも知れないそのときには、少しでも恥かしくない嫁であるように教えられるものは教えておかないと・・と、内心そう思っている。 だからそんなに甘い顔をしいてはいない。
あと一週間で同居も一ヶ月を迎えるけれど、少しとして変る事無く早朝からかいがいしくてん君のお弁当作り、手際よく（私も負けそうなくらい）家事をこなして行くさまには、メッキではないな・・と感じている。むしろどちらかと言うと私の方がメッキがかかっているかも知れない
疲れも少々・・、夫が気遣い早く寝なさい・・と毎晩言うようになった。
そりゃぁそうだ、あれだけ自分の時間があったんだもの、少しネットがしにくくなった。
屋上に鉢植えの小さな桜の木があるけれど、それでも一人前に蕾がいっぱいついている。
家族や周りのものが、愛ちゃんからの電話を待っている、少しだけそわそわしながら待っている。
