原作の単行本にあったしおり。
色濃いミステリー作品,「この本を読んだあと、周囲の景色が少し変わって見えればいいなと願います」
思います・・ではない願います・・に、彼女の思いが込められているように思う。
映画を見ればそのことをもっと痛切に感じるであろう。
ひと言で言えば女性教師の4歳の愛娘が事故死とされたが、自分のクラスの生徒に殺されたことを
つきとめ告白し、復讐すると言うストーリー。
幼い命を奪われた悲しみ、憎しみからの行動、人の命をまるで人形の如く扱う生徒の行動。 命とは・・。
同級生の娘さんの原作、と言うことでなければ、そうと知らなければ読むことはなかったと思う。
ミステリーの好きな次女は一気に読み上げ、より理解する為に2度読んでいる、映画も見たいと言う。
Bの母親など、それぞれの語りになっていて、ややもすると(え、これって誰・・)こんがらがりそうになる。
それがまた引き込まれる、初めてのモノローグ調な「告白」の内容は残酷だが、表現力はすごいと思った。
それだけにこの作品が100分ほどにどう演出されるのか、楽しみであった。
早朝朝予約した、一番ベストと思われる席へ、マルイにあるTOHOシネマズ難波。 午後かなり埋まっていた。
時間帯の予約状況も、シネマズ梅田も気になって見たが梅田のほうが盛況のようだった。
予約状況が気になるなんて同級生の娘さん・・でなければしない。
マルイにあるシアターの座席は難波パークスより座席が高くて映画によっては気持ちよく眠れそうだ。
7時5分~席は全て埋まっていたのではなかろうか。
寝るどころではない、始まりから突然にざわついた教室での女性教師の語り、告白に始まる。
事故死ではなくクラスの生徒に殺された、その少年をA、Bと呼び経路を・・誰かは生徒には自然と分かる。
それからのストーリーは彼女の復讐・・全てが復讐へ繋がる彼女が裏でしくむ脚本みたいなもの。
読んでもかなりだが映像はいっそうの衝撃で、えげつない・・そう思いながら見た。
少年たちの行動も怖いが、それはやはり育った家庭環境ではなかろうかと思った。
親の身勝手な離婚、子供に対する思い入れの勘違いやずれ、それらがこのような行動を生み出したのでは。
フィクションではあるが、作者が中学の頃は家庭内暴力や校内暴力が蔓延していたように思う。
過去には実際にあってもおかしくない生徒の姿、家庭における母親の姿とも思えた。
フィクションなんだから、そんなに一生懸命に考えなくても、いいのかも知れないが、いや彼女は単に
書いたのではないであろう。 伝えたいものがあったはず。 夫婦、母親、親子、友達・・さまざまな葛藤。
中でも微妙な中学生の心、母親として改めて考えさせられた。 一生懸命になるほど引き込まれた。
中島監督も原作者のストーリーに共感し、するどいまでに、感じたものを映像で表現されたのであろう。
公式サイトの中のツイッターで、スタッフのつぶやきがあった。
そうだ!日曜日は因島に行こうよ。で、観光ついでに「告白」見ればいいじゃん。そんな素敵なあなたを募集中。
しかしエンディングで、携わった方々の名前が流れるが誰一人立ち上がる者はいなかった。
それぞれの胸のうちは・・複雑だと思う。 作者の書きたかった訴えたかったことが何であるか、
まるで自問自答しているような気がした。 ふ~っと大きく息を吐いた。
内容はショックではあるが、本の一冊を忠実にあのように表現された監督はやはりすごいと思えた。
(もう一度、読み直してみよう)