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もう15年もまえ実家が新築して最初のお正月に帰省したとき、玄関でみんなが写真を撮った。
以来、必ず帰阪するとき玄関の前で写真を撮ることにしている。
私たちを見送るみんなが玄関先で雑談していたら兄嫁さんが「これ珍しい花ですよ、植えて見て」
刃先の尖ったひと株をくれた。 名前は忘れたけれど、大阪では見たことのない珍しい花で毎年咲いている。
写真は今、見当たらないが。 お隣にも株分けして咲いているが、先だって帰省した時、実家にはもうなかった。
15年前のそのとき、そんな雑談の中夫が突然に向いの土手へ降りて、緑の葉ばかりの彼岸花の球根を掘った。
「もろうて帰るわ、お母さん」 以来、彼岸の頃に咲くので忘れはしないのだが、花は咲いたり、何年も咲かなかったり。
毒性があるものの、夫がせっかく掘って持ちかえった彼岸花、ずっと残してある。
先日「お父さん、1本蕾が出ているから見といてね」そう言った翌日はぱっと艶やかに咲き切っていた。
いくつも球根はあるはずなのに、1本だけすくっと伸びた茎に咲いていた。
夫は打ちっぱなし麻雀だし、娘夫婦は買い物に出たので(八幡屋公園の彼岸花撮りに行こ!)久々に・・。
と思って準備していたら雨が降ってきた。 時に強く。 あきらめた、(そうや、うちのを撮ってないわ)
屋上でたった1本だけ咲いている彼岸花。 家の中からパシャ。
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なんでだろうか、1本のこの存在感。 実家・・忘れるわけないし、義父はお彼岸の時に亡くなったけど義父から?
「ばあさんを頼むで」こんなメッセージかな。 母が毎日家族の幸せを仏さまに祈ってくれていることへの感謝?
どこでも今年は開花時期が遅れているように思うが、貴重な我が家の彼岸花である。
夫は22年前越して来た時、前の家のお風呂場に貼ってあった可愛い猫のシールをはがしてお風呂場に貼った。
かなり古くなっているのに、未だはがさずにいる。 幼い子供とお風呂に入った頃のことを子供たちと懐かしく思いだす為に。
そんな夫の思いや行動って以外と言うか、それでいて定着しているのが面白くて嬉しくて感心する。
子供たちのやさしさは、夫のこんな心が紡いできたのかなぁ。
千葉の妹の所から千葉名産「新高梨」が送られてきた。 二度目だが、千葉が名産なんて知らなかった。
大きくて珍重で6個、重さを当てっこしたがみんなはずれ! 1個600~700グラムもある立派な梨である。
「少し冷やした方がより美味しく・・だって」と言うと 「いや、せっかくやからもぎたてのまま、電話するなら食べてからの方がいい」
日常でもなんやかんやと、ドキッとさせるような辛口発言もある夫だが、人を思いやった事がらや行為は本物である。 8日記
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