夜テレビを見ていて、その中の内容の流れで・・
「おとうさんの好きな言葉って何?」
海女ちゃんなら「おとさんのすきな言葉さ、なんだべ?」かな。
「平々凡々や、平々凡々」
「ふ・・・・ん、平々凡々 そっか」
らしいなぁと思った。
『平々凡々』 平凡のそれぞれの字を重ねて、特に意味を強めた言い方。
『平凡』 特にすぐれたところや変わったところもなく、ごく普通であること。
長い人生の中には、色々なことがある。
社会人となる、所帯を持つ、子育て、夫婦して努力しながら家庭を作り上げて行く。
平凡・・・地味でありふれた言葉のようだけれど、地位でも名誉でもなく物やお金でもない、出来れば無難な道を選ぶ、
特別なことがなくても、平常心で争わず波風を立てず、日常を普通に過ごせて行けたら・・それでいい。
前にもそんな夫の話を聞いたことがあった。
平凡な生活、そんなことがまるで努力がいらず簡単なように聞こえるが、そうでなくその方が実は大変なのかも知れないと思う。
生きて行く中で色々な出来事があって、そして乗り越えて行く。 気負わずありのままの自分で過ごす。
過ぎ越し夫の生き方を振り返る時、そう言えば本当にそうだったなぁと思える。
私もそんな夫を好きになって夫婦になったのに、どこかでいつしかないものねだりをしたりしている自分もいた気がする。
お金に不自由がなくとも、叶わぬこともあり買えない幸せもある。 豊かでないにしても、充分に幸せだと思える家庭の平凡もある。
当たり前のような日常が感謝に思える日々、そう思えるお互いの価値観、これが一番の幸せなのだと今更ながら思った。
そんな夫が帰宅して買いものがてら、娘やかんたを連れて大阪港に行ってきて撮ってきた。
昨日愛ちゃんに会った帰り2人で車から見た夕焼けがあまりにきれいだったのに、たまたまカメラを持っていなかった。
「行くのなら撮ってきてよ」とカメラを渡したのである。 雲があったし、いまいちだったと言う。
夫の好きな言葉・・平々凡々・・
なんだか最高の言葉だなぁと思った。
穏やかにそう言った夫を思うと、胸がいっぱいになった。