早朝の公園散歩。
「おはようさん!」
犬を散歩させていた見知らぬおじさんが、写真を撮っていた私にすれ違いざまに声をかけたのだ。
「おはようございます!」
田舎なら当たり前の様な誰にでも会えば挨拶、都会では滅多とないことだ。
私は田舎生まれ、健康的な挨拶は気持ちがいい。
サルスベリの木にセミの抜け殻があちこちに。
(あ・・これは・・)
見てしまった・・
生まれてはじめてこんな光景を目にした。
透明な羽・・足がゆっくり動いている。
まさに・・羽化して間もないのか・・
”八日目の蝉”と言う井上真央ちゃん主演の映画を見たが、恥ずかしながら蝉の生態のことは詳しくは知らなかった。
今でも読んでも頭がこんがらがりそうだ。 子供のころから、理科系は特に苦手と言うか嫌いだった。
7年もの間土の中で生活し、地上に出てわずか1週間の命。
その間雄は一生懸命に鳴いて、求婚して、結婚すると雌は子供を産んで・・果てて行く。
子供はまた土の中で木から栄養をとりながら成長して行くと言うけれど。
(いや・・書いているこんなことさえはっきりとは分かってないので、知っている人からしたら怒られそうだけど)
少し知ってからと言うもの、あの耳付くような鳴き声もなぜか物悲しく聞こえてくるから不思議である。
抜け殻さえなんだか愛おしい。
今はもう年一度もいかないカラオケ、私の18番・・いえ、その次に歌う歌、長山洋子さんの”蜩(ひぐらし)”
命を燃やす 季節は短い まして女の綺麗な時は・・
夏の夕暮れ・・人恋しさに 焦がれ鳴きする蝉のようです
そんな歌が重なる。