湾岸線で神戸に向かうとき、何気に大抵撮る海の景色。
右方面に麒麟の重機が見えるがお天気がいいので、すこーん（夫曰く）と明石海峡大橋が見えた。
１２月に神戸の夫人を今年の最後だと思いますと訪ねた時、帰省しない事を言ったので「お正月の間にはまた来ますから」
そう言ってあったので、もう９連休最後になったけれど行く事にして昨夜電話をした。
「もう、私の事なんか気にせんでいいよ。 孫が４人もいるんやもん忙しいのだから・・」と、いつも言う。
夫は南港である消防の出初式放水を見たいので、神戸の夫人には２時頃になると言ってあった。
かんたはまだ熱がある。 なつめやかんたが行かないのなら寒いし、長女は行かないと言われた。
私もいい加減ばたばたしているしゆっくりしたいので出来ればパスしたい。 電車で・・とか行ったが結局却下された。
今年初、打ちっぱなしに行った。
夫人の家には１時半ごろ着いた。 回転寿司も並ばず座れた。 夫人のお気に入りなのでお決まりのお昼である。
２年前かなぁ、回転寿司に行った事が無いと言うので連れて来てあげた当時は３人で２８皿くらいいった。
段々と落ちた気がする。 私たちも回転寿司が出来た当初２人で無理にでも２０皿と茶碗蒸しだったが、さすがに少し減ってきた。
今日は３人で２１皿と茶碗蒸し。 夫人はひとつは手がしびれているのでお箸が少し不自由で、食べるのがゆっくりなのだ。
お客さん次第だけど、いつも１時間半くらいは話す。 お客さんも半分ほどなので、遠慮なく話した。
ぶらっとその辺をドライブして私たちを降ろし、夫は近くの温泉へ行った。
腰も腰だが、夫人の同じ話を聞くことからの逃亡なのである。
今日はお惣菜を作って来なかったので、三田で買っていたお肉で夕食と明日にと、すきやきを炊いた。
材料は全部切って用意して来たので話しながら作った。 もう１回分にと、半分材料を残して冷凍した。
手のしびれや足のおぼつかないこと、頭がふわふわする・・毎回聞くことだけどＭＲＩもどうもないので安心はしているが、
どうしてあげようもないので、気の毒で仕方ない。
毎日親のお世話されている人はいくらでもいる。 毎日こうした同じ事を何度も聞いてあげているはずそう思うと気にならない。
戦時中の兄弟の事、ほのかな恋愛時代、母親の事、友だちの事、私ももうその内容はすっかり覚えたが、
「そうなんや・・」と言いながら、話を聞いている。 時たま眠気がきて申し訳ないと、必死で目をあける。
比較的無表情だった夫人の顔が、昔話や楽しい事を話しだすと声も顔色も良くなり、私の大好きな笑顔になるのだ。
１時間ほどして夫が温泉から帰ってきたときは、すっかりご機嫌になっていた。
しかし・・その時は、間もなく帰ると言う時間でもある。 孫たちにお年玉をもらった。
１２月よりも、もっとベランダの柵から身を乗り出して・・しびれる手をいつまでも振っている。
夫がクラクションを鳴らす。 いつもの何とも言えない別れである。
今度来る時まで、何事もありませんように・・
今月２７日、米寿８８歳を迎える。 毎年お祝いをしているが、万が一来れなかったら寂しい思いをさせるので、
なぜか「２６日の日曜来ますから・・」とは言えなかった。
行くと言うと、１日１日楽しみに待つから。 行けなかったとき、がっかりさせるから。
帰り道はなぜか切ない。
