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RAYE - My 21st Century Blues (アルバムレビュー/感想)

2023-02-09 21:07:11 | 洋楽レビュー/感想 2023
洋楽レビュー/感想 2023


瀟洒でセクシーでクールでありながら、
センシティブでパーソナルでリアルでソウルフルでブルージーな、
ポップス/ソウル/ファンク/ヒップホップ/R&B/ブルース作品。





◆RAYE - My 21st Century Blues

メジャーレーベルからインディーレーベルに移って発表された、
ロンドンを拠点とするシンガーソングライターの初アルバムなんですが、
音楽活動自体は10年近くやっていて、
多数のアーティストに楽曲を提供してヒットを出したり、
シンガーとして有名アーティストの楽曲に参加したりしてるように、
昔から評価自体は高い人なんで期待はしていたのですが、
その期待を裏切る事の無い素晴らしい作品になってますね!

瀟洒でセクシーでソウルフルでクール!
ソウルにファンクにR&Bにゴスペルにブルースにヒップホップにポップスに
エレクトロにハウス等の様々なダンスミュージックと、
いろんなジャンルの音楽が入っているのですが、
どのジャンルもしっかり自分の中で消化してるのもあり、
洗練されていて魅力的ですし、
ボーカルスタイルも多様でありながら、
どれも様になっていて魅力的で、
歌唱力も高くてハモリ方やコーラスなんかも実に巧いし、
曲の構成自体は割とシンプルなのに、
とにかく全てが瀟洒でセンスに溢れてるように、
聞けば聞くほどアレンジや構成の巧さやフックの付け方に唸らされる!

そして曲によっては歌詞が中々にパーソナルで刺激的でディープで、
性的虐待に性的被害に男尊女卑にドラッグ問題に音楽業界批判に身体醜形障害に、
失恋の傷を癒すために用いたアルコールとドラッグとセックスについてなどなど、
かなり赤裸々に生々しく語られており、
実に興味深いというか痛くて深いんだよね…
(「誰のために腰を振るのか、誰のために時間を割くのか、優先順位を決めたいだけなの」(Buss It Down)
「タクシーの後部座席でコカインを嗅ぎながら、酔った勢いの電話、酔った勢いのメール、酔った勢いの涙、酔った勢いのセックス」(Escapism)
「私の黒いマスカラを見たら、ママの手の中に逃げて」(Black Mascara)
「自分の顔が四角いのが嫌なの 。切り落としたい、鏡を見ながら、ハサミを持ちたい」(Body Dysmorphia)



前述したように女性があまり語りたがらない事まで語ってるので、
聞いて困惑した人や批判的な人も居るようですし、
作品自体に中途半端感を感じている人も居るようですが、
彼女はこの作品が「治療薬」のようになったと語ってるように、
問題に真正面から向き合い認めて許しているような感じだったり、
最終的には自己肯定するような内容のものが多いので、
決して聞いたら落ち込むような感じではないですし、
曲自体は圧倒的な個性には欠けるかもですが、
「Escapism」や「Black Mascara」筆頭に、
新鮮さのある魅力的な良曲もありますし、
(「Escapism」はTaylor Swiftを抑えて全米、全英チャート1位を獲得してます。)
音楽自体は歌詞みたいにダークな感じではないですし
曲のバリエーションは豊富でクオリティ自体も高いですし、
瀟洒に洗練されている曲ばかりなので、
個人的にはリアルで魅力的な中々に素晴らしい作品だなと思いました。良作!
まだポテンシャルも感じますし自作以降で更に化けそう…


最後に彼女の今作へのメッセージを載せておきます。
「この作品は過去7年間の私の人生で、
壊れてしまったガラスの破片によって形成された、
醜くて複雑で美しい私のモザイクです。
私の治療薬、私の不安とトラウマ、私の嘘偽りない思考です。
最も辛い時期に私に寄り添ってくれた音楽でもあり、
怯えたり恐れることなく愛と涙で作られたブルースです。
そして今、私が救われたように、
これを聴いてくれた人々にも同じ効用があることを願っています」


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