しをり戸

ささやかな庭の山野草と
散歩・旅で出会った草木。 
季語・拙い俳句、
折々の写真などの記録です。

寒葵 ( かんあおい ) <季> 初冬

2021-01-11 |  冬の草木・その他 の 俳句

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軒下の日に咲きにけり寒葵 ・・・・・ 村上鬼城 [定本鬼城句集]
寒葵胸中ふかく花を秘す ・・・・・ 青柳志解樹 [松は松]
山道や落葉溜に寒葵 ・・・・・ 吉田八重子 (青山)

やや二葉葵に似ている葉は、
濃緑色でしばしば表面に白斑があり、
冬でも青く、雑木林などに自生します。
初冬から早春にかけて、暗褐色の壺状の小花を根のきわに付けます。
落葉や土になかば埋もれて咲いていることが多いので、葉をかき分けて見つけます。
寒さの中ひっそりと咲く花には、ひなびた味わいがあります。
各地に多くの種類が分布していて、
生育する場所も花の色や姿も一定しません。

  [ ウマノスズクサ科カンアオイ属の常緑の多年草 ]
  (多数の類似種の総称、狭義にはカントウカンアオイを指します)

寒葵服喪の人の文やさし ・・・・・ みなみ 

カントウカンアオイ ( 関東寒葵 ) 
日本固有種で、
関東・中部の低山地・丘陵地の林内に自生します。
草丈は、6~10cm。
根は、太く真っ直ぐで、
地下茎は短く横に這い、2~3葉をつけます。
葉は、長い葉柄を持ち、卵形または広卵形、革質で厚く、
先がやや尖り、基部は深い心形です。
濃緑色で白い斑紋があり、紋様の個体変異が著しく、
茎や葉に芳香があり、春に新しい葉を出します。
花期は、12~3月 。
根茎の先に、地表に接して筒状花を付けます。
花は、暗紫色の萼筒で、短い雄しべと花柱があり、
ガクは多肉で基部が完全に合着し、先が3裂します。
古典園芸植物の一つで、愛好家も多く、
江戸時代から栽培されて来ました。
名は、葉が葵に似ていることと、
厳冬期も葉が枯れないで青々としているので付いたそうです。
・絶滅危惧種・

2020/03/05 撮影…花

コメント (6)
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