◉ 紫花地丁(すみれ)・菫草(すみれぐさ)・相撲取草(すもうとりぐさ)・相撲花(すもうばな)・一夜草(ひとよぐさ)・一葉草(ひとはぐさ)・ふたば草(ふたばぐさ)・菫草(すみれぐさ)・花菫(はなすみれ)・壺すみれ(つぼすみれ)・姫すみれ(ひめすみれ)・茜すみれ(あかねすみれ)・岡すみれ(おかすみれ)・山すみれ(やますみれ)・白すみれ(しろすみれ)・磯すみれ(いそすみれ)・野路すみれ(のじすみれ)・雛すみれ(ひなすみれ)・藤すみれ(ふじすみれ)・桜すみれ(さくらすみれ)・小すみれ(こすみれ)・叡山すみれ(えいざんすみれ)・菫摘む(すみれつむ)・菫野(すみれの)
山路来て何やらゆかしすみれ草 ・・・・・ 芭蕉 [野ざらし紀行]
すみれ野に罪あるごとく来て二人 ・・・・・ 鈴木真砂女 [卯浪]
すみれ束解くや光陰こぼれ落つ ・・・・・ 鍵和田秞子 [未来図]
スミレはスミレの仲間の総称ですが、
単にスミレといえばその中の一つの種を指します。
種類は多く、花の色も紫や白、淡紅紫色、鮮黄色、紫の絞りなど色々あります。
春の野山に、うつむきがちに咲く、ひかえめな姿には可憐な美しさがあり、
昔から多くの人に親しまれています。
「万葉集」にスミレが四首詠まれています。
子供たちが花と花とをひっかけて引き合う遊びから、相撲取草、相撲花とも呼ばれます。
名は、花が墨入れ(墨壺)に似ていることから、スミイレがスミレになったと言われています。
* 「三色菫(さんしきすみれ)」は、パンジー、遊蝶花、胡蝶花ともいい、北ヨーロッパ原産の栽培品種です。
* 「香菫(においすみれ)」は、ヨーロッパ原産のスミレの一種で、「スイート・バイオレット」とも呼ばれ、
花は濃い紫色で芳香が高く、香水の原料になり、普及しています。
日本在来種のエイザンスミレ、ニオイタチツボスミレなども香が高く、俳句では香菫として詠みます。
* 三色菫(晩春)・香菫(三春)・冬菫 (晩冬)
[ スミレ科スミレ属の多年草 ]
飾らずに老いてゆきたしすみれ草 ・・・・・ みなみ
スミレ (菫)
「スミレ」は、スミレ科スミレ属の総称です。
スミレ属 は、世界の温帯に400種以上あり、
日本には50種ほどが分布しています。
スミレ属は一般に、
まず有茎種と無茎種とに区分され、類に分別されます。
●有茎種は、
地上に茎が有り、葉や花がその茎の途中に付く種です。
キスミレ類・キバナノコマノツメ類・シレトコスミレ類・ツクシスミレ類・ニョイスミレ類・
オオバタチツボスミレ類・ウラジロスミレ類・タチツボスミレ類・イブキスミレ類・
ニオイスミレ類など。
●無茎種は、
地上に茎が無く、地下茎の上端から葉茎も花茎もまとめて出る種です。
スミレサイシン類・ウスバスミレ類・ミヤマスミレ類など。
●交雑種としては、
おおかたは有茎種同士、無茎種同士の交雑ですが、
なかには有茎種と無茎種の交雑種も見つかっています。
エイザンスミレとスミレの自然交雑のエドスミレなどは江戸時代から栽培されてきましたが、
多くは近年になって見つかったものです。
類は、さらに仲間に分かれます。
たとえば、ミヤマスミレ類は、
スミレの仲間と、ミヤマスミレの仲間に分けられます。
日本で代表的なスミレと言えば、
スミレ科スミレ属ミヤマスミレ類スミレの仲間で、
種名としてのスミレを指します。