◉ 糸桜 (いとざくら)・しだり桜・枝垂彼岸 (しだれひがん)・紅枝垂 (べにしだれ)
影は滝空は花なり糸桜 ・・・・・ 千代女 [千代尼句集]
いとざくら枝も散るかと思ひけり ・・・・・ 嘯山 [葎亭句集]
ゆき暮れて雨もる宿やいとざくら ・・・・・ 蕪村 [蕪村句集]
まさをなる空より枝垂桜かな ・・・・・ 富安風生 [松籟]
たそがれてあふれてしだれざくらかな ・・・・・ 黒田杏子 [一木一草]
エドヒガンの枝が下向きに垂れている園芸品種で、
樹齢がながく、種類も多く、
古くから各地で栽培され、
社寺や庭園などに観賞用として植えられています。
太い枝を四方にひろげ、 長く垂れた細い枝に淡紅白色の花を付けた優美な姿が、
古来人々に愛され、すでに「古今集」にも詠まれています。
[ バラ科クラ属サクラ亜属の落葉高木、エドヒガンの一変種 ]
あだし野の風の出てきし糸桜 ・・・・・ みなみ
醍醐寺の霊宝館・三宝院の枝垂桜は
ちょうど見頃に咲き揃っていて、
聞きしに勝る立派なものでした。
また、
化野( あだしの )の竹林からの風になびく、
一本の糸桜には、
身の引き締まるような思いがしました。
シダレザクラ (枝垂桜)
本州~九州に分布します。
樹高20~30m。
葉柄や葉には短毛があり、
葉の縁には細かい鋸歯が上向きにあって、互生します。
短枝の葉は楕円形ですが、
長枝の葉は細く披針形です。
花期は3月下旬~4月上旬。
花は葉より前に開き、
5弁の散形花序で白色~淡紅色です。
がく筒は基部がふくれて壺形です。
色や大きさには変化が多く、
紅色の濃いベニシダレや八重咲きなどの種類があります。
名は、細い枝の垂れている様子から 付いたそうです。
2010/04/04 …退蔵院
〃 …平安神宮
2014/04/13 撮影 …神代植物園
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