しをり戸

ささやかな庭の山野草と
散歩・旅で出会った草木。 
季語・拙い俳句、
折々の写真などの記録です。

片栗の花 ( かたくりのはな ) <季> 初春

2011-04-16 |  春の草木 の 俳句

◉  堅香子の花 (かたかごのはな)・ぶんだいゆり・かたばな・うばゆり・はつゆり

日洽し片栗の葉に花に葉に ・・・・・ 石井露月 [露月句集]
片栗の一つの花の花盛り ・・・・・ 高野素十 [野花集]
かたくりは耳のうしろを見せる花 ・・・・・ 川崎展宏 [観音]

春の代表的な草花の一つで、
落葉樹林などの半日陰の傾斜地などに群生しています。
一対の葉を広げて、長い花茎の先に、
紅紫色の6枚の花弁が反り返った独特の花を1つ下向きに付けます。
うつむいて咲く姿は可憐で印象的な花です。
万葉集に「もののふの八十をとめらが汲みまがふ寺井の上の堅香子の花」と
詠まれている「堅香子(かたかご)の花」は、
「片栗の花」のことと言われています。
葉を一枚しか出さない株も多く、片葉鹿子が転じて、
堅香子の古名が付いたそうです。
鹿子とはと葉の白っぽいまだら模様を指します。
春に芽を出し、花をつけ、結実したあと
夏までに地上から姿を消し、
その後は地下で過ごします。
「春の儚い命」に例えられる草花、
「春植物(スプリング・エフェメラル)」 の1つに数えられます。

  [ ユリ科カタクリ属の多年草 ]

ひと佇てばひとの翳片栗の花 ・・・・・ みなみ

カタクリ (片栗)
日本では、北海道~九州、
山地の落葉樹の林内や縁の草地、北側斜面などに
群生します。
草丈は、10~20cm。
地下深くに円柱形の鱗茎(りんけい)を作ります。。
鱗茎から長い葉柄をだし、1~2枚の葉を広げます。
葉は厚く、淡緑色の長楕円形・無毛で、
通常表面に紫と白の斑紋があります。
花期は、4~5月。
鱗茎より1本の花茎を出し、
茎頂に紅紫色の花を1個、下向きに付けます。
花径4~5cm、花被片6枚で強く反り返り、
基部の近くにW字形をした濃紫色の紋があって、
その下に蜜腺があります。
花後、さく果を結び種子を散布して
地上部は夏までに枯れ、
地下の鱗茎が残ります。
日本に分布するのは1種と言われます。
鱗茎から良質の澱粉がとれ片栗粉を作りますが、
現在市販の多くはジャガイモの澱粉です。
葉・茎・花・鱗茎の全草が食べられ、
若葉を茹でておひたしなどにし、
また鱗茎をそのまま煮て食します。
名は、根の鱗片が栗の片割れに似ていることから付いたそうです。
古名 : カタカゴ(堅香子)
別名 : カタコ




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