歳を重ねると楽しいとか賢くなるとか・・・・みんな戯言なんだよ。

感じるままに、赴くままに、流れて雲のごとし

さっき君が・・・

2013-10-25 | 日記
五つの赤い風船というバンドがあった。
いまも存在しているけれど、昔とは全然違うバンドになってしまっている。
1960年代の後半だったけれど、楽器編成とハーモニーが独自の路線を作り出していた。

オリジナル曲で勝負していたし京都のアマチュアバンドはみんなマネをしていたんだ。
意味なんて解ろうともしないで、五つの赤い風船のもつカッコよさだけを目指して空回りする歌詞を書いては歌っていた。

ギブスンJ45を見たのも初めてだったし、その乾いた弦の音に痺れてた。
なんだったんだろうか・・・。あの時の気分は。

あん時の気分のままを引きずってなんかいないけれど、ライブ活動を始めてしまった。
周りの人間の気分に流されやすいんだ。なんだか、突然喜ばしたくなっちゃうんだよね。

ちょっとしたきっかけで始めてしまったライブは10年も続けてしまったことになる。

ああ、きっとこんなことが僕のやりたかったことなんだ・・・なんて思えたんだ。
その気持ちに変わりはないけれど、実現するためには乗り越えなくてはならないことが山ほどあるってことだけだ。

たぶん、引きずっているんだろう。

認めたくないだけなんだ。

さっき君が、何でもないけど・・・

なんて、忘れてしまった歌が聞こえ始めたんだ。

バンドを続けるということ・・・

2013-10-23 | 映画
心身ともに疲労困憊していた。

回復の兆しは一向に見えない・・・カミさんが交通事故にあい、ちょっとした手術をした。

手術は成功。しかし、術後のケアが大変だった。

毎日真夜中近くに帰宅したが眠りは、そう簡単には訪れてはくれない。

眠れぬ夜の対応策は簡単。眠ることを諦めるのだ。

で、バンド最少年齢メンバーが随分前にくれたDVDを引っ張り出した。

タイトルは「少年メリケンサック」。

監督は「クドカン」。監督作品としては2作目。2009年2月にリリース

主役は宮崎あおい。それだけでは観る気もしないのだが・・・とりあえずスイッチオン!

どうせ・・・なんて思う暇もなく引きずり込まれた。

クドカンは「ウマイ」。実に「旨い」。すべての映像に、セリフに伏線が引いてある。

よくあるパターンの「中年ダメ男たち人生再生物語」なんだけれど、クドカンは巧妙に罠を仕掛ける。そして見ている者をハメていく。

芸能界を象徴するかのようなプロダクション社長のサンタマリアが言う

「好きです!パンク!嘘です!」

そう、パンクバンドの話なんだ・・・映画のポスター見て映画館に行った奴は分かってたろうけれど。

もう、この段階で、でどうするの?て、おもっちゃう。

社員を食わすために、社会に迎合しまくってる。姿が哀しげだけれど本音を調子よさでカムフラージュしてるように撮ってる。

そんな事務所を経済的に支えている歌手がTELYA(田辺誠一)。

そんな背景を冒頭見せておいて・・・映画はドキュメンタリーぽく、パンクバンドの元マネージャー(ピェール瀧)の話から始まっていく。

絶妙なキャスティングとセリフがリアルな説得に繋がる・・・説得なんかじゃないか・・・??

伝えたいことだよね。

25年もかかってこのパンクバンド「少年メリケンサック」はネットを通して売れ始めているという設定。

しかし、時間は流れていてメンバーは全員50歳を超えている現実。

このギャップは埋めようがないけれど、埋めてしまう現実。

人間のあらゆる醜さと哀しさが今の自分を作り上げている・・・てなことに目を叛けてはならない。

なんて、ことになるんだろう。


バンドを続けるということは、多分そういうことなんだ。

許そうが、許されまいが、ステージに立ち続けなければ意味がないんだ。

そんなことが痛いほど伝わった映画だった。

で、朝が来てしまった。


店を経営するということ・・・

2013-10-18 | 映画
ここ数年のうちにライブを中心にした飲食店を始めたいと考えていた。

還暦を過ぎてまだ、それは実現していない。

何故か?


端的に言えば、怖いからだ。

失敗することを恐れているだけなんだ。

別に、店をやらなくても食べていけるからだ。

それに、いままで経験した仕事がそこにあるからだ。

まあ、それでいいではないか?

しかし、それで満足なのか?

それで、終わりたいのか?


なんてカッコ悪いんだろう・・・て思う。

無様な恰好で迷いながら、ふらつきながらも進んでいくことが

最も楽しいはずなんだ。

人に頭をさげたり、文句言われたり、ののしられたり、罵声を浴びせられたり・・・

でも、最初に思ったことを貫く。

周りの人々にも迷惑をいっぱいかけながらも自分が満足できるものをやり抜く。

途中でとん挫しても、平然とやり過ごさなくては達成などできないのだ。

「少年メリケンサック」を見たら、なんだか涙が溢れてきた。

自分らしいスタイルは変えようがないのだ。

そして、変える必要などどこにもない。